株式会社 サイダ・UMS様 業種:製造業(精密工作機械)

「マーケティング」という言葉に頼らず動き出した、自然と売れる仕組みづくり

写真左から、サンロフトの永井、加藤、サイダ・UMSの平野さん、斎田社長
※写真撮影時のみ、マスクを外しています

静岡県焼津市で精密工作機械の製造を手がける株式会社 サイダ・UMS様。その歴史は長く、2021年8月には100周年を迎えました。

これまで主力となっていたのは、製品(部品・機械)の加工・組立・完成検査工程まで一貫して行うOEM事業。そこからだんだんと「メーカーになりたい」という想いが芽生え、自社製品の開発を始めました。

しかし、モノづくりのプロ集団ではあるものの、自社製品を“売る”ことに関してのノウハウがないことに気づきます。自分たちで考え、始まったマーケティング活動について斎田社長にお話を伺いました。

目次

とにかくまずは、やってみよう!一度決めたことはやり続ける社内文化

今日はマーケティング活動における話がテーマなのですが、サイダさんでは「マーケティング」という言葉を使わない…!?と聞きました。

はい、そうなんですよ。私たちは「マーケティング」という言葉は使いたくないと思いながら、マーケティング活動を始めました(笑)

というのも、カタカナ言葉や専門用語など、パッと聞いてむずかしい印象を与える言葉に苦手意識をもってしまう場合がありますよね。私自身もインターネットで調べてみましたが、定義がさまざまで「結局なんなんだろう」と、答えが見つかりませんでした。

だからもうシンプルに、自分たちのやりたいことを言語化して掲げることにしたんです。それからは、「自社製品が自然に売れる仕組みを作りたいんだ」と社員に向けてアナウンスしています。

なるほど。とてもいい発想です!ノウハウや知識がない中で、実際にどのようなことから動き出したのでしょうか?

マーケティングという言葉を言語化したのもそうですが、まずは現状における課題を整理しました。大きな課題になっていたのは、営業活動における“人”が足りていないことです。

それでいて、新しいお客様の開拓と自社製品の拡販をしたいという目的を持っていたので、人が走り回って営業活動することに限界があるのは明らかでした。時代の背景もありましたし、今のままでは将来がないという危機感を常に持っていましたね。

なので、WebサイトやSNSなどの手段を活用して、人が動き回らなくてもいい何か新しい“売れる仕組み”を確立できないかと考えたんです。そこから、とにかくまずは自分たちでできることをやってみようと決め、WebサイトやSNSの更新から始めてみることにしました。

斎田社長

まずやってみようと行動することも、そこから継続することも、すべての人ができるわけじゃないですよね

そうですね。私自身が、とにかくまずやってみようと何か行動を起こすことで道が開けてきた、という経験が昔からあって。だから、新しい取り組みに興味をもってくれそうな社員たちに「まずやってみようよ」と声をかけて、私が率先して動き始めました。

それに、うちの社員たちは本当に真面目なんです。これはもう社内の文化になっているように思うんですが、まずやってみようと決めたことはとにかくやり続ける。SNSの更新を週3回と決めたのは私でしたが、正直すっかり忘れていることもあって(笑)でも、忘れた頃に見ても、ちゃんと更新されているんですよ。

正しいかどうかの判断がつかない。動き始めてみた結果、感じた限界

なんと、すばらしい文化。まず動き始めてみることには成功したと思いますが、取り組む中でのむずかしさはありましたか?

それはやっぱり、「判断がつかない」ことだと思います。

ノウハウや知識がないことが大前提なので、まずはやってみようと動き出したものの、果たして今やっていることが正しいのか確認する術がないんですよね。本来であれば仕事でやっている以上は、かけたコストの対価を何かしらの形で会社に示さなきゃいけないですし。

そうは言っても、ただやっているだけに近い状態でしたので、行動した先にある結果は見えていなくて。正しい方向に進んでいるかどうかの判断がつかないところは、1番むずかしいところだったと思います。そんなとき、自分たちだけでやれることに限界を感じましたね。

行動したからこそ見えてきたものですよね。そこから、外部の力を頼ってみようとなったのでしょうか。

サンロフトさんとは5年ほど前からつながりがあり、Webサイトの制作がきっかけでした。制作して終わりではなく、その後も聞きたいことがあったら小さなことでも連絡していたり、Webサイトの更新をお願いしたりと継続的な接点があったんです。永井さんが、サイト分析の知見をお持ちなのは知っていましたし。

1年ほど自分たちで行動してみて、少しずつユーザーの反応が見えてきた感覚がありました。そうしたユーザー行動の分析について、今なら少しは自分たちも理解できて、身になるかもしれないと思ったんです。今回考えていた「自社製品が自然に売れる仕組み」づくりは、Webサイトを軸に考えていたこともあったので、相談してみることにしました。

斎田社長

ご相談いただいた時点で、サイダさんのやりたいことがとても具体的な構想になっていたと聞きました。

そうですね。社内でまずやってみる前はそこまで具体化できていなかったんですが、取り組んでいる過程でどんどんやりたいことが明確になっていきました。Webサイトに訪れているユーザーの行動が知りたい、自社製品の拡散や採用活動のためにWebサイトへの流入を増やしたい、など。

さらにもうひとつ重要なところとしては、社員が自走していくためのサポートをしてほしいというのがありました。外部の方に頼り続けるのではなく、いずれは自走できる状態を築きたい。そのために、サンロフトさんにサポートをお願いして、小さな成功体験を積み上げていきたいと思ったんです。

良いモノを作っても売れるわけではない。そう気づけた小さな成功体験

半年という期間で、Web顧問とリスティング広告の施策を体験しましたが、感じた変化は何かありましたか?

それでいうと、一緒に取り組んでくれていた平野という社員の行動でしょうか。

お問い合わせがきたら、ユーザーがそこに至るまでの経緯を確認する。自分たちで起こした行動と、それに紐づいて変化するユーザーの反応を確認する。そうした、サイト分析を始めとした行動が習慣化したこと。これは、最も大きな変化だったと思います。

変化とは少し異なりますが、今回初めてWeb広告という集客施策を体感できたことも大きかったですね。広告を運用したことでWebサイトへの流入が増える、という小さな成功体験を味わえたことにより、今後の選択肢がひとつ増えました

平野さん

ちょっとした行動の習慣化や小さな成功体験。サイダさんに合ったサポートができてうれしいです!

何か目的があって行動を起こしたい。でもノウハウや経験がなくて、自分たちの取り組みが正しい方向に進んでいるのか判断できない。といった想いを抱えていた私たちには適したサポートでした。

長年、モノづくりに携わっている私たちは、高品質で良いモノを作ることには自信をもっています。しかし、良いモノを作れる会社であっても、自社製品に関しては売り方を知らなければお客様まで届けることができません。今、私たちに足りないのは「売れる仕組みづくり」のノウハウなんだと。そう気づくのに何年も時間がかかりました。

今回の一連の取り組みを通し、売れる仕組みづくりの足掛かりとして、“Webを介してお客様と向き合うこと”の全体像が理解できたのは成果として感じています。

うれしいお言葉ありがとうございます!最後になりますが、これからについて聞かせてください。

そうですね。直近でやっていきたい具体的な取り組みでいえば、Webサイトのコンテンツを整理すること、さらにはコンテンツマーケティングにチャレンジしてみたいと考えています。まだまだ目指すところの半分も進めていませんが、最終的には「社員が、もっと楽に働ける環境にしたい」という想いの実現を描いています。

もともと私は、大学でロボットの研究をしていて。いま思えば、物事を組み合わせて仮説検証したり、半年や1年といった期間で論文に取り組んでいたり、そういったこともマーケティング活動の原点になっているのかもしれません。そうした経験も活かして、これからもフットワーク軽く「まずはやってみよう」の行動に変えていきたいです。

サイダさんの行動力や継続力による変化を、これからも楽しみにしています。斎田社長、本日はありがとうございました!

取材のご協力:斎田社長、平野さん
お客さまの担当:永井、加藤(サンロフト)
執筆:鈴木ゆ(サンロフト)

株式会社 サイダ・UMS
〒425-0054 静岡県焼津市一色143-10
TEL:054-624-6155 / FAX:054-624-2307
Webサイト
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