株式会社 鈴生様 業種:農業

「映像」が広げる可能性。自分たちに見えていなかったクリエイターの視点

写真右から:鈴木社長、営業担当の中村、映像クリエイターの高山、ライターの鈴木

静岡県静岡市に本社を構え、野菜および果実の生産や販売を行っている株式会社鈴生(すずなり)様。なかでも、有名なレタスは「モスバーガー」でも使用されている逸品です。

平成20年に会社を設立してから、スピード感ある事業展開が続き、今では子会社が10拠点へと広がっています。

そうした事業展開が加速する一方で、置き去りになって止まっていた自社のWebサイト。会社の規模に沿った自社サイトに変化させるのと同時に、新たな試みとして「映像」を取り入れることにしました。

なぜ映像だったのか?を含め、映像にまつわる想いと当時の取り組みについて鈴木社長にお話を伺いました。

目次

仕事の依頼を決めたのは、サンロフトから届いた1通のメール

今回のきっかけともなった、サンロフトとの出会いを聞かせてください

はい。もともと松田社長とは、静岡県内のベンチャー企業経営者の集まる場所があり、そこで知り合いました。サンロフトさんが新しい取り組みをいろいろとされていることは知っていたけれど、それぞれの事業の詳細までは知らなかったんですよね。

そんなとき、サンロフトさんの名前で1通のメールが届いた。

会社宛に届くメールは数も多いので見れないことも多いけれど、「サンロフトさんがメールをくれた」と目に留まったので開封してみると、SSLの導入に関する案内だった。

サンロフトさんがこういう取り組みにも力を入れているんだと知るきっかけになって、次にサイト制作をするときはお願いしようと思っていたんです。そこで今回、新しくするときかなというタイミングで依頼することに決めました。

まさか、そのメールがきっかけになっていたとは驚きました。Webサイトにどのような課題を抱えていましたか?

そうですね。1番気になっていたのは、置きっぱなしの状態であったこと。

事業の広がりとともに子会社が増えていき、会社の規模も変わっていった。本来であれば、それに応じてサイトも変えていく必要があったが、できていなかったんです。

当時のサイトは、どちらかといえば人や野菜について謳っていました。一方で、それぞれの子会社に関する情報は載せられていなかったし、会社のイメージはわかりにくい状態だったんですよ。

やっぱり、“生きたWebサイト” にしたくて。ただ置いてあるだけで、活かせていなかったら意味がない。これからはもっと力を入れていきたいという気持ちもあって、この機会にサイトリニューアルをしようと決意しました。

たしかに、事業展開のスピード感はすごかったです。課題解決にあたって、なぜ「映像」を取り入れたかったのですか?

なんといっても、映像を載せたほうが話が早い。うちのサイトを見ておいてって言えばわかるし、そこから自然と想いが広がっていくようになればいいですよね。もちろんコロナの影響で、実際に人と会って会社のことを伝えたり、野菜をその目で見てもらうことができなくなったというのもあります。

だからこそ余計に、Webサイトを見ただけで全体がわかる状態にしておくことで、会社の説明がスムーズになると感じました。それが、映像にしようと思ったきっかけですかね。

あとは、想い。テキストだけでは伝えきれない、乗せられない想いも、映像にすることで伝えられると考えていた。近年では、文字を読まない人たちも増えていると聞いていたこともあったので、そういった意味でも映像がいいなと思いました。

そしてとにかく、「情熱大陸」がやりたかったんですよ!笑

情熱大陸とは
毎日放送(MBS)がお送りする「情熱大陸」は、様々な分野で活躍する人たちをひとりひとり密着取材して取り上げ、紹介していくドキュメンタリー番組です。
※情熱大陸-毎日放送より、引用。https://www.mbs.jp/jounetsu/

情熱大陸をやりたい!方向転換をくり返した映像制作

そうでした。今回の映像制作は、情熱大陸から始まりましたよね

そうそう。情熱大陸のようなものをつくりたい気持ちは、ずっとある。

あれは、1年くらい密着してもらって、そのなかできっとトラブルが起こることもあるはず。そういった予期せぬできごとも含めて、リアルに届けられるからいいなと思っていたんです。

そんな話から、いろいろと方向転換していって、最終的にWebサイトに載せる3本の映像が完成した。メインビジュアル、鈴生の経営理念を伝えるもの、採用活動に使うもの。もともとは、1本でまとめてやろうとしてたんです。

でも、伝えたいメッセージが異なることもあったので、分けた方がいいんじゃないかって提案してもらって。やっぱり、こっちの方がよかったので満足しています。

情熱大陸から大幅な方向転換をしていきましたが、それでも満足しているのはなぜですか?

それはまさに、このインタビューのなかで伝えたいことでもあって。

全くもってヨイショしているわけじゃないんだけど、2人(営業担当の中村、映像クリエイターの高山)の立ち位置が本当によかった。客観的に見れるクリエイターの視点も持っていながら、まるでうちの社員かのような視点も持っていてくれる。そんな存在でいてくれたんですよ。

要は、僕だけが作りたい映像じゃなくて、2人がうちの会社のことを理解してくれたうえで、一緒に作ろうとしてくれた。それが、方向転換に満足している1番の理由なんです。

自分が作りたいものってなると、ちょっとウソっぽい会社になってしまう。どこか良くみせようとしちゃうから、何かを話そうと思ったとき “いつも” と違ってしまうんだよね。

でもそんなとき、2人が「社長、そこはちょっと違うんじゃないですか」と率直な意見をくれることで、「あぁ、たしかに」と思い直すことも多く、いい方向転換ができた。そこはすごいよかった。

中村・高山「めちゃくちゃうれしいです!!!」と、よろこびを隠しきれない2人。

うれしいお言葉ありがとうございます!映像担当の高山とは、初対面から意気投合していたと聞きました

そうだね。彼は、どんなことにおいてもストレートに物を言ってくれた。なんていうのかな、心が濁っていないような。純粋に写真と向き合って撮っている、その姿勢が伝わってきた。

カメラマンの目線で撮るのと、ただただ野菜を見ている自分たちの目線は本当に違うんだなと感じることが多かったです。

たとえば、畑の土やレタス。そこに射し込む太陽の光。一見、見慣れている光景のようだけど、“逆光” という表現で映し出してくれて。それは、これまでに見たことのない絵だった。その結果、僕が撮ってほしいと伝えたものよりも、彼が見せてくれたものを多く採用することにしましたね。

結局、自分たちが撮っている目線は代わり映えしない。いつもそうやって撮っているから。彼の目線から「野菜や土って、こんな風にも見えるんだ」と、多くの気づきを与えてもらえたのがよかったです。

まだまだある。今後、さらに映像で表現していきたいこと

映像は想いを届けるだけではなくて、営業資料としても十分に活躍しそうですよね

そうそう。まさにそうです。人々に想いを届けたり感動を与えたりするようなメッセージ性の強いものだけでなく、作物の作り方や会社の紹介など、さまざまな目的で表現することができる。

撮ってもらった映像素材は、あらゆるものに対応できる、化ける素材ばかりだと感じました。

試しに、もらった素材を使って株主総会で見せる用の映像を作ってみた。会社の中身まではわからなくても、やり方・作り方などの方法が短編映像で十分に伝わる。

そういった映像を子会社ごとに用意しておくことで、実際にハウスにきたことがない人であっても「どうやってほうれん草ができているんだろう?」という疑問が解消される。そんな名目で作ってみたら、みんなからも大好評だった。

それはすごいですね。実際にWebサイトで公開になった映像も、社員さんは見てくださっているのでしょうか

そうですね、見てくれているようです。経営理念などのメッセージに関しては、改めて映像で見なくてもいつも伝えているから、特に感動はないと思うけれど(笑)お客さんからも、すごくいいねって声を届けてもらっています。

今後もしかすると、農業界で映像が広まっていったら、自分たちがきっかけなんじゃないかなと思うくらい。それくらい周りに影響を与える、満足いくものができました。

ここからさらに、子会社ごとの映像も制作したくて。それぞれの特徴をアピールできる場所として、Webサイトをリメイクしていきたいです。作り方やハウスの説明、人にフォーカスした働き方など。

あとは、サンロフトさんに作ってもらっているシステムにも、映像を連携させていきたいんですよ。

農業界で映像が広まる……それいいですね!システムと映像の連携、それもすごく楽しみです

いま、それぞれ出荷する野菜のコンテナに、QRコード付きの生産者がわかるカードを付けていて。出荷先でそのQRを読み取ると、どこの畑で、どのような肥料を使って、といった栽培履歴のようなものが追える。そんな仕組みを、サンロフトさんにシステムで作ってもらっているんですよ。

そこに、映像をプラスしていきたい。野菜づくりにまつわるストーリーを映像で届けたいと考えています。野菜の紹介だけでなくて、生産者にもフォーカスして “想い” を伝えていきたい。そのうえで、うちの野菜を買いたい、取り扱いたいっていう人が増えたらうれしいです。

ほかにも、子ども向けの取り組みも考えていて。スーパーに行った子どもが、一目散に野菜のもとへ走る。お菓子じゃなくて野菜コーナーへ。そんなことを目的にした取り組みにも、やっぱり映像を絡めたい。こうやって考えていると、やりたいことがどんどん溢れてきちゃうんですよね。

そういうことだから、近々またすぐお願いすることになると思うけど、いい提案をよろしくね!

ぜひ、これからも一緒に映像を作っていきたいのでよろしくお願いします。
鈴木社長、本日はありがとうございました!

取材のご協力:鈴木社長
お客さまの担当:中村、高山(サンロフト)
執筆:鈴木ゆ(サンロフト)

株式会社 鈴生
〒421-2108 静岡県静岡市葵区下1108-8
TEL:054-206-1203 / FAX:054-206-1204
Webサイト
https://www.oretachinohatake.com
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