【Webマーケティング】戦略と戦術の違いをわかりやすく解説!

ビジネスパーソンなら「戦略」や「戦術」という言葉を聞く機会が多いかと思います。しかし、「戦略と戦術の違いを明確に説明できますか?」という問いに自信を持って答えられる人は意外と少ないものです。

実は、中小企業のWebマーケティングにおいて、戦略と戦術を正しく把握することは非常に重要です。

なぜなら、戦略と戦術の違いを理解しなければ、Webマーケティングを実践しても成果が得られないからです。特にリソース(資金・時間・人手)が限られる中小企業にとっては、戦略と戦術が曖昧だと、将来的にダメージを大きく受けてしまいます。

今回は、マーケティング初心者の方に向けて、戦略と戦術の違いや具体例をわかりやすく解説していきます。読み終えていただければ、戦略と戦術の違いを明確に理解でき、自社のWebマーケティングに活かせるようになります。

では、さっそく解説していきましょう!

目次

1. 戦略とは何か?

戦略とは、目的を達成するための計画・方向性のこと

戦略は、企業の目的(目指すべき到達点・ゴール)達成のための、策略・計画・方向性を意味します。別の言葉で表現すると、戦略は、「ゴールまでの大まかな地図」を描くこと。

行ったことがない場所に行くにはGoogleマップのような地図が欠かせないのと同じで、企業が将来到達したいところに正しく向かうためには、戦略、つまり「大まかな地図(シナリオ)」の作成が不可欠ということです。

◎戦略とは、リソースの運用や分配を計画することでもある

戦略とは「大まかな地図」を作成することと説明しました。

実は、戦略には「資源(リソース)の分配を計画する」という意味もあります。

たとえば、あなたの会社全員が、はるか遠くの目的地(ゴール)に車で向かうとしましょう。

出発する前に地図を見ながら、「ここでガソリン補給をしよう」「時間ごとに運転を交代しよう」「出発日までに車の点検をしておこう」といった準備や大まかな計画を立てるかと思います。なぜなら、できるだけスムーズに、より早くゴールにたどり着きたいからです。

このように、出発前に「資金」「時間」「人材」といったリソースを準備したり、分配したり、運用の計画をたてることも「戦略」に含まれるのです。

2. 戦術とは何か?

戦術とは、具体的な手段のこと

戦術とは、戦略を実現するための具体的な手段・手法のことです。

地図のたとえでいうと

戦略は「ゴールまでの大まかな地図(シナリオ)」を描くことであり

戦術は、地図に示したゴールまで「どうやって(何に乗って)、どの経路で行くか?」といった具体的な方法・施策を指します。

3. 【具体例】戦略と戦術の違いをわかりやすく解説

ここでは、戦略と戦術の違いをWebマーケティングの具体例でわかりやすくご説明いたします。

たとえば、あなたの企業が「会社の利益を上げる!」という目的をかかげ、「売上1億円」というゴールを設定したとします。

では、会社の利益UP(売上1億円)を達成するためには、何をすればいいでしょうか?

  • あなたは、全体の顧客数を効率よく増やすことが重要だと考え、Webマーケティングで「新規顧客を30社増やす」「既存顧客は70社をキープする」ことにしました。これが「戦略」に該当します。

  • 次に、これら戦略(新規顧客を30社増やす、既存顧客は70社をキープする)を実現するために、あなたは具体策を考えてみました。

  • 考えた結果、「新規顧客を30社増やす」という戦略には、新規顧客獲得の施策として、「SNS広告」と「ブログ記事によるコンテンツマーケティング」が必要だと考え
    そして、「既存顧客は70社をキープする」という戦略には、顧客育成ができる「メールマーケティング」が必要だと考えました。これら具体的な手法が、「戦術」に当たります。

【Webマーケティングの具体例で「戦略と戦術の違い」を解説】

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目的

ゴール設定    











戦略




戦術


 「会社の利益を上げる!」

 「売上1億円」



あなたの頭の中……
「売上UPには、全体の顧客数を効率よく増やすことが重要だなあ」
「効果が得られやすく効率的なWebマーケティングに注力すべきだ」

「全体の顧客数を効率よく増やす」
つまり……


Webマーケティングで
「新規顧客を30社増やす」「既存顧客は70社をキープする」



「新規顧客を30社増やす」という戦略に対しては、新規顧客獲得をするために
「SNS広告」「ブログ記事によるコンテンツマーケティング」という2つの戦述を実施しよう!

「既存顧客は70社をキープする」という戦略に対しては、既存顧客に向けて
顧客育成ができる「メールマーケティング」という戦術を実施しよう!

4. 【Webマーケティング】戦略と戦術を立てる時の手順とポイント

戦略立案には正しい順序があります。本章では、Webマーケティングの戦略と戦術を立てる時の手順と、それぞれの工程でのポイントを解説していきます。

まずは、目的を定める

最初に「達成すべき目的」を明確にします。

POINT
◎達成すべき目的がわからない場合には、現状のWebマーケティングを把握し、現状分析を行いましょう。

戦略を決める

目的が確定したら、次は「戦略」を決めます。

企業が進むべき方向性を決める工程ですね。戦略を決める時は、目的に沿った戦略になるよう、目的をハッキリ意識しながら決めることが大事です。

企業によっては、戦略を決める前に現状分析が必要となるケースもあります。

POINT
◎戦略を決める工程では「事業理解」が重要なポイントになります。具体的な戦略を考える前に、自社の事業やサービスがどういった収益モデルやコスト構造で成り立っているかを整理してみましょう。

◎戦略を決める際、中小企業は自社の強み(選ばれる理由)で勝負することを意識してみましょう。中小企業がインターネットの過密競争に巻き込まれないためには、他社にはない自社だけの強みで勝負するのが有効です。

◎戦略が決まった段階で、具体的な数値目標としてKGIとKPIを設定する企業が多いです。なぜなら、目標を数値化すると目指すべきゴールと指標がより明確になり、達成率が上がるからです。

戦略立案に使える基本的なフレームワークは下記の記事で解説していますのでご参考ください。

目的を意識し、戦術を決める

戦略が決まったら、最後に「戦術」を決めます。

戦術は具体的な手段・手法でしたね。戦術を決める時も目的を念頭におき、戦略を実現するための手法を考えていきます。戦術は複数になることが多いです。

POINT
◎有効な戦術を見つける良い方法のひとつに、既存顧客を分析し優良顧客の特性を見つけるというものがあります。つまり、自社のお客様の思考・行動を深く理解していれば、必要な手法が分かるというわけです。

◎Webマーケティング領域の課題を抽出し、本質的な課題を見つけます。課題を把握すると、具体的な施策が見えてきます。

5. 【中小企業】Webマーケティングにおける戦略の重要性

Webマーケティングの成果がでないのは戦略がないから

Web担当者なら誰でも「Webマーケティング施策が成果につながらない」という経験があるかと思います。厳しいようですが、正直に申し上げると、Webマーケティングの成果がでないのは戦略がないからです。あるいは、戦略が不十分だから成果につながらないのです。

◎戦略は一気通貫できていますか?

「ちょっと待って!緻密な戦略を立てているけど成果が出ていないんです」
「Webマーケティングの戦略立案にはかなり力を入れているんだけど……」という方もいらっしゃるかもしれません。

その場合には、戦略が一気通貫されていない可能性があります。Webマーケティングを会社全体のマーケティングと切り離してとらえてしまっていませんか? 経営戦略の視点から一貫性のある戦略になっていますか?

組織全体として戦略に一貫性がないと、日々の作業の中で選択肢が絞られなかったり判断のスピードが遅くなったりと、効率が悪くなり、効果が思うように得られません。

逆を言うと、戦略が全社的に一貫性のあるもので、かつ、戦略が目的に沿ったしっかりしたものであれば、Webマーケティングの成果に確実につなげらます。

インターネット上は超競争社会

Webマーケティングに戦略が重要である理由には、「インターネットの特性」が大きく関わっています。

インターネットの登場によって競争のルールは大きく変わりました。実店舗が主流だった頃は、たとえば、駅前にお店があることや便の良い立地であることがお客様に選ばれる理由のひとつでした。

しかし、検索エンジンで情報収集をするようになった現代では、検索結果に競合がズラリと肩をならべるのが当たり前になったわけです。

こうなると、企業はもちろんですがお客様の方も選ぶのが大変です。お客様は、自分にピッタリのサービスや商品を、できるだけ早く効率的に見つけたいと誰しもが思っています。

このような状況の中で、お客様に確実に見つけてもらったり、自社を選んでもらったりするためにも「戦略」が重要なのです。

荒野を目的地まで走り抜くには戦略が不可欠

インターネットという荒野の中を、目的地(ゴール)に極力まっすぐに、できるだけ早くたどり着くためには、様々なことに配慮しつつ「最初にゴールまでの道筋を見通しておく」必要がありますよね。

前にも述べたように、その道筋を大まかに描いた地図が「戦略」です。

Webマーケティングでの成功は、戦略があってこそ実現できるのです。

6. 【中小企業】Webマーケティング戦略を決める際の注意点

本章では、中小企業向けに、Webマーケティングの戦略を決める際の注意点を3つ解説いたします。リソースが限られる中小企業は、必ず知っておくべき重要な内容です。要点だけでも良いので、目を通しておくことをおすすめいたします。

絞り込めているか?

中小企業がWebマーケティング戦略を立てる時に最も注意すべきは、「思い切って、捨てること」です。戦略を考えていると、「あれもやったほうがいいのでは」「これもやっておくべきだな」としたいことがどんどん増えていきます。

しかし、資源は限られています。できるだけ捨てて、あきらめて、1番重要な施策に「時間・資金・人手」をあてるのです。

この「絞り込みができているかどうか?」は中小企業にとってはとても大事なことです。

調査分析はできているか?

戦略立案を考える工程では、「これはやっても意味がないのではないか?」「本当に実現可能だろうか?」と、不安に思ったり現実味がなく感じられる場合があるかと思います。

こういった場合には、現実味を持たせるために「調査分析」を行ってください。調査分析とは、お客様の状況、および競合の状況を把握することです。

リアルな今の状況を把握することが、「これからどうなるのか?」「自分たちは何をすべきなのか?」を見通す指標になります。

よくあるのは、数年前のデータ(お客様・競合の状況)を参考にしてしまうケースです。ここで重要なのは、「今の状況、本当の状況の把握」です。

長期の視点はあるか?

中小企業が戦略を考えるうえでは「長期の視点」を持つことが重要です。中小企業の中には、短期利益を優先してしまいがちという企業もあるかと思います。

実は、毎日その日の売上を最大化しようとする取り組みは、長期の視点でみると効率が悪いのです。なぜなら、長期的に収益に貢献してくれる仕組み(長期利益の仕組み)への投資を繰り返すことが、長期の利益を最大化するからです。長期利益の最大化は、企業が成長・発展していくためには必要なことです。

戦略とは長期の成果のために短期の成果を犠牲にすることでもあります。

中小企業の方は特に長期の視点をもち、短期利益を捨てるという判断も必要であることを覚えておいてください。

7. まとめ

最後に、本記事で解説してきた「戦略と戦術の違い」についてまとめます。

「戦略と戦術の違い」と「具体例」は次の通りです。

意味Webマーケティングでの具体例
【戦略とは?】
◎企業の目的達成のための計画や方向性
◎資源の準備・分配・運用を計画すること

新規顧客を30社増やす!
【戦術とは?】
◎戦略を実現するための具体的手法・施策

◎SNS広告施策
◎コンテンツマーケティング施策(企業ブログ)

Webマーケティングの戦略と戦術を立てる時は、手順とポイントがあります。

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 【ステップ①】目的を定める
POINT
◎目的がわからない場合、現状のWebマーケティングを把握し現状分析する
 
 【ステップ②】戦略を決める
POINT
◎事業理解を深める
◎自社の強み(選ばれる理由)を意識
◎戦略が決まった段階でKGIとKPIを設定できると良い

 【ステップ③】戦術を決める
POINT
◎既存顧客を分析し優良顧客の特性を見つける
◎Webマーケティング領域の課題を抽出し本質的な課題を見つける

中小企業が、Webマーケティング戦略を決める際の注意点は3つあります。

① 絞り込めているか?
 ◎「思い切って、捨てること」が大事
 ◎できるだけ捨て、あきらめてリソースを1番重要な施策にあてる
 
② 調査分析はできているか?
 ◎調査分析とは、お客様の状況および競合の状況を把握すること
 ◎リアルな今の状況を把握すると「これからどうなるのか?」「自分たちは何をすべきなのか?」を見通す指標になる

③ 長期の視点はあるか?
 ◎長期利益の仕組みに投資を繰り返すことで長期の利益を最大化できる
 ◎長期利益と短期利益は対立する ◎時には、短期利益を捨てるという判断も必要

企業にとって、1番の希少資源は時間です。特に中小企業は、時間をより効率的に使う必要があるため、Webマーケティングの戦略立案まで手がまわらないケースもあるでしょう。そういった場合には、Webマーケティングの専門家に1度相談してみるのもよい方法です。

「しっかりとしたWebマーケティング戦略を立てたい」「Webマーケティングの成果を出したい」といったお悩みを抱えている方は、ぜひ弊社までご相談ください。

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