中小企業のWebマーケティングの活用において
- すでにWebサイトはあるが、集客や売上に結びつかない
- Web運用に取り組める人がいない
- 人材不足でWebに取り組む時間がない
- 何から始めたらいいのかわからない
といった悩みは多く、Webマーケティング会社に1度相談してみたいと考えている方もいらっしゃると思います。
実は、中小企業がWebマーケティング会社を選ぶ時には注意点があります。
なぜなら、人気や実績があるマーケティング会社が、必ずしも中小企業に向いているとは限らないからです。
ここでは、中小企業の方へ向けて、Webマーケティング会社の選び方のポイント、依頼する前にすべきことなどをまとめました。読み終えていただければ、失敗することなくWebマーケティング会社を選ぶことができるようになります。
では、さっそく説明していきます!
1. Webマーケティング会社が解決できる課題
Webマーケティング会社が解決できる課題は多岐にわたりますが、ここでは代表的なものをピックアップして紹介いたします。
集客・受注・売上につながるWebサイト(ホームページ)へ
Webマーケティング会社は、企業のWebサイトを分析し、必要な施策を行います。それにより、集客だけでなく、受注や売上につながるWebサイトに成長させることができます。
自社の商品やサービスを紹介するホームページがすでにあったとしても、Webサイトの運用の仕方が分からずに、そのままになってしまっているケースは非常に多いです。
- Webサイトのアクセスがあまりない(増えない)
- Webサイト経由のお問い合わせがあまりない
- お問い合わせがあっても受注につながりにくい
- ホームページ(ECサイト)で販売している商品が売れない
Webサイト(ホームページ)は作っただけでは売上を増やすことはできません。上記に示したような問題を解決し、Webで商品やサービスが売れる「仕組みづくり」をするのがWebマーケティング会社です。
Webサイト制作の流れや全体像については下記の記事でくわしく解説しています。
実施すべきWeb施策を策定
Webマーケティングには数多くの施策があり、「どの施策を、どの順序で行うか?」が非常に重要です。
企業のWebサイトの現状や、Webサイトの目的、そしてWebサイトで達成したい目標によって、施策の選択と順序は異なります。こういった選択を誤ると、どんなに時間と予算をさいても成果が出ません。
Webマーケティング会社は、アクセス解析やデータ分析の結果をもとに、多くの施策の中から、それぞれの企業に合った施策を選択し、実施すべき正しい順序を決定します。
短期施策・長期施策の策定
Webサイトを成長させる(お問い合わせ・受注・売上をアップさせたり、リピーターを増やす)には、短期施策と長期施策の策定が欠かせません。
Webマーケティングの短期施策は、たとえば、Web広告、キャンペーン、ランディングページ(LP)といったものがあります。長期施策は、企業ブログのようなオウンドメディア、メールマーケティング、Web接客(チャット)のようなカスタマーサポートなどです。
Webマーケティング会社は、Webサイトのアクセス解析など結果に加え、短期施策と長期施策を正しく策定し実施します。
2. Webマーケティング会社の主な施策
Webマーケティング会社が行う施策は幅広くありますが、下記のような施策が主となります。
【Webマーケティング会社が行う主な施策】 ※施策例の一部です
- Webサイト(ホームページ)の制作、開設
- Webサイト(ホームページ)のリニューアル
- Web広告(リスティング広告、ディスプレイ広告など)
- SEO対策
- SNS対策
- ECサイト(ネット販売サイト)の制作、開設
- LP(ランディングページ)の制作
- コンテンツサイト制作(企業ブログやオウンドメディアなど)
- Web接客ツールの導入や改善
こういった施策の中から、最適なものを選び、時には掛け合わせて実施することでWebサイトを成長させたり、売上アップにつながる仕組みを構築したりします。
Webマーケティングの施策や手法については、下記の記事でくわしく紹介しています。
3. 中小企業がWebマーケティング会社に依頼する前にすべきこと3つ
Webマーケティング会社に依頼する前に、社内で必ず決めておくことがあります。
ここでは、特に中小企業の方がWebマーケティング会社に依頼する場合、事前に最低限しておくべき3つのことをまとめました。
何をどうしたいか?を明確にする
これが最も重要です。Webマーケティング会社に依頼するのであれば、「何をどうしたいか?」という目的を明確にしましょう。
たとえば
「Webサイトからの引合いを2倍にしたい」
「WebサイトをリニューアルしてWebからの受注を増やしたい」
「SEO対策を強化してホームページを上位表示されるようにしたい」
……などです。
特に、中小企業の場合は、Webマーケティング会社に依頼する前に、経営者や経営陣とともに事前に社内で打ち合わせを行い、方向性や意識を共有しておくことが大事になってきます。このステップを飛ばしてしまうと、後が大変です。
会社の方向性や意識を共有できていないと、後々、経営者の一言でWeb施策を途中で変更・中断しなければならなくなったり、余計な経費がかかってしまったり……といったことにもなりかねません。
会社の方向性、今後のビジョン、具体的な目標(短期・中長期)、そして、会社のマーケティングにおける「Webマーケティング」の役割を明確にしましょう。
その上で、Webサイトをどうしたいか? Webサイトで何を達成したいか? などを決め依頼するとスムーズです。
現状を把握し説明できるようにしておく
集客・売上などを、現状より良い状態にしたいのであれば、まずは、現状を把握しなければ、今より良い状態にはできません。すでにWebサイトがあれば、月々のアクセス数や流入キーワードといったデータを可能な限り準備してから依頼するようにしましょう。
また、同業他社(競合)の情報も差別化を図るうえで重要です。Webマーケティング会社に分かる範囲で共有できるようにしておくと、より的確な施策を実施できるようになります。
予算を決めておく
大まかで良いので事前に予算を決めておきましょう。
たとえば、リスティング広告といったWeb広告を運用したい場合、成果は比較的早く得られますが月々で費用がかかってきます。Webマーケティングの施策によって、成果が出るまでに必要となる費用が異なるため、予算はある程度決めておいたほうがよいでしょう。
4. 【中小企業向け】Webマーケティング会社の選び方のポイント5つ
Webマーケティング会社の選び方のポイントを5つ紹介します。ここでは、特に中小企業の方に向けたポイント(選ぶ際の注意点)をまとめました。
オウンドメディアを所有しているか
Webマーケティング会社を選ぶときは、その会社がオウンドメディア(企業ブログなど)を所有しているかを確認しましょう。
実際にオウンドメディアをどのように運営しているのか、結果は出ているのかが重要な見極めポイントになります。 オウンドメディアが上位検索に表示されなかったり、ページの閲覧数が少なかったり、といった場合は運用がうまくいっていないケースがあるため注意が必要です。
Webマーケティング全般を行えるか
前にも解説したように、Webマーケティングといっても様々な手法があります。 多岐にわたる手法を、横断的に行える会社がおすすめです。
理由としては、様々な施策を状況に応じて横断的に行うことができるからです。 「タッチポイントの多様化」や「カスタマージャーニーに合わせた横断的な施策」など、 Webマーケティングのメリットを最大限に活かすことができます。
オンラインだけでなくオフラインの施策も検討できるか
顧客の購買行動はオンライン上だけで完結するとは限りません。 「店舗の来場数」や「イベントの集客数」など、オンライン上の施策がオフラインの場でどのような効果をもたらしているのかを考え、場合によってはオフラインの施策も、併せて検討する必要があります。
オンラインだけではなく、連続性のある施策をオフラインでも検討できるような会社を選ぶと良いでしょう。
中小企業のWebマーケティングの実績があるか
中小企業の方がWebマーケティング会社を選ぶ時には、そのマーケティング会社に「中小企業のお客様がいるか?」「中小企業の売上に貢献した実績があるか?」といった点を重要視しましょう。大手企業と中小企業とでは、さける予算、施策で得られる成果、ユーザーの反応なども大きく異なります。
よって、中小企業の方がWebマーケティング会社を選ぶ際には、中小企業をお客様にして成果を出した実績があるか否かを見ることが大事になってきます。
一般的には、「人気があるから」「大手の会社だから」「大手企業の実績があるから」といったことは安心材料になりますが、中小企業にとっては、必ずしもそうとは限らないのです。
コミュニケーションがとりやすいか
Webマーケティング会社の担当者が、話しやすくコミュニケーションをとることが苦でないかどうかは、実はとても重要なポイントです。Web施策は短期で1度で終わり、ということはなく、調整や修正をしたり、Web運用をするなら長期で実施することになり、担当者との電話やメール、打ち合わせが必要になってきます。
また、中小企業の場合、Web担当者は専任ではなく、他の業務と並行して行う兼任であるケースも少なくありません。中小企業をお客様に持っているWebマーケティング会社は、中小企業の社内状況に理解があり経験もあります。
そういったWebマーケティング会社は、中小企業のWeb担当者に、Webの知識やノウハウがなくても、適宜対応してくれたり分かりやすい説明をしてくれるところが多いです。
5. 中小企業のWebマーケティング活用事例
ここでは、経済産業省のホームページで公開されている事業報告書※から、Webマーケティング活用の成功事例を2つ紹介いたします。
※参考資料
平成28年度 中小企業・小規模事業者の成長に向けた事業戦略等に関する調査に係る委託事業 事業報告書 (平成29年3月 株式会社 野村総合研究所)
① SEO対策 株式会社ナカムラ(愛知県名古屋市)
Webの活用により新規顧客の開拓を成功
菓子の卸売業を営む、株式会社ナカムラ(従業員 8 名、資本金 1,700 万円)は、2007年に Webサイト「まいあめ工房」を開設。さらにオンライン上で組み飴※のオーダーメイド受注を開始しました。
※組み飴とは飴細工の1つで、棒状の飴のどこを切っても、同じ絵柄が出てくる飴のこと
「まいあめ工房」は、営業活動を行っておらず、主に Webマーケティングの取り組みによりインバウンドでの受注を増やしています。
【主な施策】
《Webサイト開設》
- 2007年にWebサイト「まいあめ工房」を開設。
- 同社が組み飴の企画・販売を担い、以前から取引のある組み飴メーカー4社にて組み飴を生産する形をとった。
- また、同社の中村社長は中小菓子メーカーや問屋が生き残る手段として、在庫を抱えないオーダーメイドに着目。顧客のニーズに合わせて受注の都度、生産をするようにした。
《SEO対策》
- 検索エンジンの検索ログを分析し、ヒットしやすいキーワードを自社サイトの内容に反映するなど、自社コンテンツが検索結果の上位に表示されるよう対策
《SNS対策》
- 加えて、季節やニュースに合わせたデザイン飴を製作し、Webニュースや SNSで注目を集め、自社製品の知名度を向上させた
《ペルソナ分析・アクセスログの解析》
- 自社サイトへの訪問者からの受注を高めるため、ペルソナ分析を行っている。
- アクセスログの解析により、自社サイトに訪れる人は営業企画やCSR部門に所属する、28〜35歳の女性が多いことが分かった。
- こうしたサイト訪問者の人物像を想定し、サイトに様々なオーダーメイド事例や大手企業との取引実績を掲載。(訪問者が販促・PR のためのデザイン飴を用いた企画を社内で通しやすいようにした)信頼性を高めることで、企業からの受注につなげている。
② Web広告 株式会社田中金属製作所(岐阜県岐阜市)
アウトソーシングを活用したブランド戦略でニッチ市場を創出
シャワーヘッドの開発、製造及び販売を行う、株式会社田中金属製作所(従業員数 30 名 資本金 1,000 万円)の製品は、マイクロナノバブルを生成する装置が組み込まれ、美容作用や洗浄作用が期待できるとして人気があります。
同社は、自社製品の開発と、アウトソーシングによる販売戦略、ターゲット層への明確な訴求、ブランディングにより、自社製品のブランドや知名度を3年で確立。売上高は2倍程度まで増加しました。
【主な施策】
《自社製品の開発》
- 同社は元々シャワーヘッドに組み込まれる節水バルブを製造していたが、シャワーヘッドが高額で流通されていることを知り、自社でシャワーヘッドまで開発することを決意。
- 特殊な節水用アダプタに加え、付加価値も商品に付与することを考え、当時美容作用や高い洗浄作用を発揮するとして話題だったマイクロナノバブルに着目。シャワーヘッド「アリアミスト ボリーナ」 の開発を進め、商品化。
《商品PRをコンサルタントにアウトソーシング》
- 新商品を販売するにあたり、商品の認知度獲得が重要と考え、販売代理店での実演販売による商品PRを販売コンサルタントにアウトソーシングした。
- 「節水しながら美しくなる」といった製品のコンセプトを明確に訴求。
- 同社の田中社長自らも実演販売を行い、顧客からの認知度を高めた。
《Web広告》
- 美容や健康志向に感度の高い 30 歳代の女性をターゲットとし、「保湿」や「温浴作用」などのヒットしやすいキーワードでWeb広告を掲載し製品PRを図っている。
6. まとめ
中小企業の方に向け、Webマーケティング会社の選び方について解説してきました。最後に、本記事のまとめです!
【中小企業がWebマーケティング会社に依頼する前にすべきこと3つ】
- 何をどうしたいか?を明確にする
- 現状を把握し説明できるようにしておく(差別化を図るため、できれば競合他社についても調べておく)
- ある程度、予算を決めておく
【中小企業のWebマーケティング会社の選び方の注意点5つ】
- オウンドメディアを所有しているか
- Webマーケティング全般を行えるか
- オンラインだけでなくオフラインの施策も検討できるか
- 中小企業の実績があるか
- コミュニケーションがとりやすいか
WebサイトやWeb広告運用だけに限らず、Webに関わることでお悩みを抱えている場合には、ぜひ弊社までご相談ください。