Webサイトのアクセスを分析するには?アクセス解析の基礎知識

「Webサイトからのお問い合わせを増やしたい」「Webサイトで集客したい」といったお悩みを抱える中小企業は多いのではないでしょうか。Webサイトはあるけど、お知らせを更新する程度という方もいらっしゃるかもしれません。

Webサイトを持っているだけでは、集客に結びつきません。

Webサイトがどれくらい見られているか? どのページが多く見られているか? どういう経路でアクセスされたか? といったWebサイトの分析をもとに、サイトの改善を重ねていくことで、お問い合わせを増やせたり、商品が売れたりといった成果につなげることができます。

ここでは、初心者の方へ向けて、Webサイトのアクセスを分析すること(アクセス解析)の基礎知識を解説していきます。

読み終えていただければ、アクセス解析の初歩的な知識や、初心者におすすめの無料アクセス解析ツール、アクセス解析によりどんなことがわかるようになるか?などが理解でき、自社Webサイトの運用に活かすことができます。

では、さっそく解説していきます!

目次

1. Webサイトのアクセス解析とは?

アクセス解析とは

・Webサイトへの訪問者はどれくらいか
・その訪問者はどういう経路でWebサイトに訪れたか
・訪問者はWebサイト内でどのページをどれくらい閲覧したか
・たくさん閲覧されているページはどれか
・ほとんど見られていないページはどれか

といった、訪問者(ユーザー)のWebサイト内での「行動」を分析することを指します。

分析する際には、「アクセス解析ツール」を使います。アクセス解析ツールを利用すると、訪問者の「行動」に加え、「属性※」も知ることができます。

※属性とは、年齢や性別などのことです

2. Webサイトのアクセス解析の重要性

冒頭でもお伝えした通り、Webサイトは「持っているだけ」「作っただけ」では成果を挙げることはできません。

Webサイトで「お問い合わせを増やす」「商品を売る」といった成果を挙げたいのであれば、Webサイトを「運用」していくことが不可欠で、その時に必要になるのがWebサイトのアクセス解析です。

Webサイトへのアクセス状況を分析し、現状を正しく把握することで、初めてWebサイトの課題を洗い出すことができます。

Webサイトの課題を把握できれば、具体的な施策をたてて実行していくことで、「お問い合わせ数アップ」や「商品の売上アップ」といったWebサイトの改善につなげられるのです。

3. Webサイトのアクセス解析の目的

Webサイトのアクセス解析を行う目的の最終地点は、Webサイトをより良いサイトに保ち、Webサイトの目的を達成することです。

その目的は、企業によって異なりますが、たとえば「集客」「ブランディング」「ファン獲得」などが挙げられます。Webサイトの目的達成という最終地点を目指すために、Webサイトのアクセス解析を行って、現状を把握したり施策の効果測定を実施したりします。

そのようにして、アクセス解析を行うようになると、Webサイトの集客をさらに強化したいと感じるようになります。

中小企業のWebサイトの集客については、下記の記事が参考になります。

4. Webサイトのアクセス解析でわかること

Webサイトのアクセス解析ツールを利用すると、非常に多くのことがわかります。ここでは、代表的なものをいくつか紹介します。

【アクセス解析でわかること】

・Webサイトへの訪問者数
・ページの閲覧数
・どのような経路でサイトにアクセスしたか
・どの検索エンジンからアクセスしたか
・どのSNSからアクセスしたか
・どのようなキーワードでサイトにアクセスしたか
・どのようなデバイス(PC・スマホ・タブレット)で閲覧されたか
・Webサイト内でどのような行動をとったか
・訪問者(ユーザー)の年齢や性別、アクセスした地域
など

上記以外にも、たとえば、Webサイトでのユーザー登録フォームやお問い合わせの申し込みフォームで、申し込みが途中で中断された場合、どの箇所で中断されたのか?といったことも知ることができます。

5. Webサイトのアクセス解析をする前に知っておくべき用語

Webサイトのアクセス解析ツールを使い始めると、さまざまな用語が出てきます。

アクセス解析の初心者の方にとっては、これらの用語をむずかしく感じるかもしれませんが、心配ありません。最初からすべての用語を覚えておく必要はありませんし、実際にアクセス解析ツールを使い始めていけば自然と覚えられますので安心してください。

まずは、下記の代表的な用語だけ、ざっと頭に入れておくとよいでしょう。

PV(ページビュー)

PVは、Page View(ページビュー)のことで「ピー・ブイ」と呼ばれます。PVは、Webサイトのある特定のページが見られた(閲覧された)回数を指します。

たとえば、Webサイトのトップページが本日20回見られたとしたら、本日のトップページのPVは、20PV(ピーブイ)です。

セッション数(訪問数)

セッション数は、訪問者がWebサイトに訪問した回数を指し、訪問数やアクセス数などと呼ばれることもあります。

「1人の訪問者がWebサイトに訪れて、Webサイト内のいくつかのページを閲覧し、Webサイトを去る」

上記で、1セッションと計測されます。

UU(ユニークユーザー)

UUは、Unique User(ユニークユーザー)のことで、「ユー・ユー」と呼ばれます。UUは、Webサイトに訪れた訪問者(ユーザー)の数を指し、同じ訪問者が何度Webサイトに訪れても、1UUと計測されます。

たとえば、あなたはリサーチ目的で競合企業A社のWebサイトに、本日5回訪問したとします。5回訪問していても、あなたが1日で訪問した数は1UUと計測されることになります。

CV/CVR(コンバージョン/コンバージョンレート)

CVは、Conversion(コンバージョン)のことで「シー・ブイ」と呼ばれます。Conversion(コンバージョン)を直訳すると「変換」「転換」「転化」といった意味ですが、Webサイトのマーケティングにおいては、「Webサイトを訪問したユーザーが、設定した目標を達成すること」を指します。

コンバージョンには、お客様登録や資料請求、お問い合わせ、商品購入などがあり、何をコンバージョンに設定するかは企業によって異なります。

また、CVRは、Conversion Rate(コンバージョンレート)つまり、コンバージョン率のことで、一般的に「シー・ブイ・アール」と呼ばれます。

離脱率

Webサイトを訪れた訪問者(ユーザー)が他のサイトへ移ったり、Webサイトを表示するブラウザを閉じて離れることを、「離脱」といいます。ユーザーがどれくらい離脱しているか?のパーセンテージは「離脱率」として計測され、把握することができます。

離脱率が高い場合は、なぜ離脱が多いかを分析し、なんらかの施策を立て改善する必要があります。

直帰率

Webサイトを訪れた訪問者(ユーザー)が、最初に着地した1ページだけを見て、(他のページを閲覧することなく)サイトを離れることを「直帰」といいます。
ユーザーがどれくらい直帰しているか?は「直帰率」として計測されます。

直帰率と離脱率の違いについて、くわしくは下記の記事で解説しています。

回遊率

訪問者(ユーザー)が、Webサイト内のページをどれだけ(何ページ)閲覧したか?を示すレートが「回遊率」です。

回遊率が高いWebサイトは、ユーザー満足度が高いとされており、逆に回遊率が低い場合には、なんらかの施策を行い、回遊率を高める必要があります。

LP(ランディングページ)

LPは、Landing Page(ランディングページ)のことで、Webサイトのアクセス解析においては、Webサイトに訪れた訪問者(ユーザー)が最初に見るページを指します。

ただし、LP(ランディングページ)という言葉は、アクセス解析以外のシーンでは別の意味で使われています。商品やサービスの注文、またはお問い合わせを、ユーザーに積極的に促すための特設Webページも、LP(ランディングページ)と呼ばれています。これら2つは、混同しないようにしましょう。

6. 【初心者におすすめ】アクセス解析ができる無料ツール

Webサイトのアクセス解析ツールは、無料から有料までさまざまなツールが存在します。

初心者の方は、最初から多くのツールを使おうとせず、まずは最も代表的な、Googleの無料ツールでアクセス解析を覚えていくことをおすすめします。

Googleアナリティクス(Google Analytics)

Googleが無料で提供しているアクセス解析ツールが「Googleアナリティクス」です。略してGAと表記されることもあります。

アクセス解析ツールの定番で、性能に優れていて多機能なため、Webサイトのアクセス解析の初心者には必須のツールといえるでしょう。

Googleアナリティクスでは、主にWebサイトを訪問したユーザーの「行動」と「属性」を解析できます。

【Googleアナリティクスでわかること】

◎ユーザーの「行動」

  • PV数
  • CVR(コンバージョン率)
  • 直帰率
  • 離脱率
  • 回遊率
  • 平均滞在時間
  • サイト訪問者数
  • どういった経路で流入したか

    など

◎ユーザーの「属性」

  • 性別
  • 年齢
  • 地域
  • 使用言語
  • 関心があること
  • 使用デバイス(PC・スマホ・タブレット)
  • 使用OS

    など

上記のような細かなデータを、Googleアナリティクスでは、下記の3つに大きく分類してデータを計測しています。

  • ユーザー
  • 集客
  • 行動
  • コンバージョン

初心者の方は、「GAでは大きくこの4つ※に分類されて計測されている」といった程度に覚えておけば大丈夫です。
(※ただし、GA4というバージョンでは分類が上記とは異なってきます)

上記4つの分類で、それぞれどういったことを把握できるかについては、次章「7. Googleアナリティクスのどこを見ればよいか? 」で解説していますのでご参考ください。

また、GA4については下記の記事をご参考ください。

Googleサーチコンソール(Google Search Console)

GAと同じく、「Googleサーチコンソール 」もGoogleが提供する無料のアクセス解析ツールです。略して、「サチコ」と呼ばれることもあります。

Googleアナリティクスは、Webサイトを訪問したユーザーを計測するツールなのに対し、Googleサーチコンソールは、検索(SEO)の観点からWebサイトのパフォーマンスを計測できるツールです。

たとえば、下記のようなことを計測できます。

【Googleサーチコンソールでわかること】

  • どんなキーワードで検索されてサイトに流入したか
  • Googleの検索結果画面での、表示回数やクリック回数など
  • Webサイトの各ページがGoogleに認識※されているか
  • Googleのロボット※がWebサイトを回遊してくれているか

    など

※Webサイトの特定のページがGoogleに認識されている状態を「インデックスされている」といいます。
※Googleのロボットは「クローラー」と呼ばれており、クローラーはWebサイトをクロール(回遊)してWebサイトの状態を確認しています。

「Googleアナリティクス」と「Googleサーチコンソール 」は、計測できることが異なるため、これら2つのツールはセットで使用します。

7. Googleアナリティクスのどこを見ればよいか?

Googleアナリティクスでは、さまざまなデータが計測されているため、初心者の方の場合は、どこを見たらよいか困惑するケースもあります。

Googleアナリティクスで見るべきところは

  • ユーザー
  • 集客
  • 行動
  • コンバージョン

上記の4つのデータです。

Googleアナリティクスの「Google アナリティクス 4 プロパティ(GA4)」というバージョンでは、「行動」というサマリーがありませんが、他サマリーで「行動」の解析をカバーしており、計測・確認できる仕様になっています。

本章では、上記4つのサマリーでそれぞれどういったことを把握できるかを説明していきます。

◎ 「ユーザー」

Webサイトに訪問した訪問者(ユーザー)数を知ることができます。

また、新規ユーザーの割合、リピーターの割合もわかります。ユニークユーザー(UU)の年齢や性別、アクセスしている地域、使用デバイスの種類なども、数値で見ることができます。

◎ 「集客」

Webサイトに訪問した訪問者(ユーザー)が、どういった経路で流入したかを知ることができます。

たとえば、GoogleやYahoo!といった検索エンジンの自然検索(オーガニック検索)から流入したのか、あるいは、TwitterやFacebookといったSNSから流入したのか、Web広告から流入したのか、などを数値で把握できます。もし、Web広告を出稿しているのであれば、この「集客」サマリーで流入を確認できるため、今後の広告運用の施策に役立てることができます。

また、「集客」と同じサマリー内に「エンゲージメント」という項目があり、ここでは、Webサイトのページがどれくらい見られているかがわかります。「表示回数」「PV数」「平均滞在時間」などを数値で把握できるため、各ページの課題が見つかり、施策、改善につなげることができます。

◎ 「行動」

Webサイトのページがどれくらい見られているかがわかります。

「PV数」「滞在時間」「直帰率」「離脱率」などを数値で把握できるため、各ページの課題が見つかり、施策、改善につなげることができます。

◎ 「コンバージョン」

Googleアナリティクスでは目標(CV)を設定できるため、「コンバージョン」では、設定した目標をどれだけ達成できたか(CV数)を把握することができます。「コンバージョン率(CVR)」「目標の完了数」「目標値」「目標ごとの完了数」などが計測されます。

たとえば、Webサイトの目標を達成するために、何らかの施策を行った場合、「コンバージョン」サマリーで、コンバージョンが施策実施後にどう変化したかを数値で見ることができます。

8. まとめ

最後に、本記事で解説してきた「Webサイトのアクセス解析の基礎知識」についてまとめます。

アクセス解析とは

ユーザーのWebサイト内での「行動」や、ユーザーの「属性」を分析すること

を指します。

Webサイトのアクセス解析がなぜ重要かというと

Webサイトの現状を正しく把握できる
現状把握により課題が明確になる
具体的な施策を立てることができる
施策を実施できる

上記一連を行い、Webサイトの「改善」につなげることができるためです。

Webサイトのアクセス解析の目的は、企業によって異なりますが、たとえば

  • 「集客」
  • 「ブランディング」
  • 「ファン獲得」

などが挙げられます。また、Webサイトのアクセス解析の目的の最終地点は、Webサイトの目的を達成することです。

Webサイトのアクセス解析では、次のような用語が使用されます。

・PV ⇒ ページビュー・ページが見られた数
・セッション数 ⇒ サイトを訪問した数
・UU ⇒ ユニークユーザー
・CV/CVR ⇒ コンバージョン/コンバージョンレート
・離脱率 ⇒ 他サイトに移った人のレート
・直帰率 ⇒ 1ページだけ見てサイトを離れた人のレート
・回遊率 ⇒ サイトを何ページ見たかを示すレート
・LP ⇒ ランディングページ・ユーザーが最初に見たページのこと

初心者の方におすすめの無料アクセス解析ツールは、「Googleアナリティクス」と「Googleサーチコンソール 」です。

それぞれのツールでは、下記のようなことでわかります。

【Googleアナリティクスでわかること】

◎ユーザーの「行動」

  • PV数・CVR(コンバージョン率)・直帰率・離脱率・回遊率
  • 平均滞在時間・サイト訪問者数・どういった経路で流入したか など

◎ユーザーの「属性」

  • 性別、年齢、地域、使用言語、関心があること、使用デバイス
  • 使用OS       など

【Googleサーチコンソールでわかること】

  • どんなキーワードで検索されてサイトに流入したか
  • Googleの検索結果画面での、表示回数やクリック回数など
  • WebサイトのページがGoogleに認識(インデックス)されているか
  • Googleのロボット(クローラー)がWebサイトを回遊しているか 
    など

初心者が、Googleアナリティクスで見るべきところ

  • 「ユーザー」
  • 「集客」
  • 「行動」
  • 「コンバージョン」

上記の4つです。なお、GA4というバージョンの場合は分類が上記とは異なってきます。

以上が、本記事のまとめです。

「アクセス解析の重要性は理解したが、ツールを使いこなせない……」「Webサイトからのお問い合わせが伸びない……」といったお悩みを抱えている場合には、ぜひ1度弊社までご相談ください。

わたしたちサンロフトは、中小企業のWebサイト制作を得意分野とするWeb制作会社です。豊富な実績と経験を活かし、部分的な施策実行だけでなくマーケティングの戦略立案・組織体制づくりまで含め、デジタルマーケティングの支援を行っています。

URLとタイトルをコピーする
目次
閉じる