Google広告とYahoo!広告は、どちらも検索エンジンが提供する広告媒体です。配信できる広告の形式は概ね同じですが、以下の6点において異なります。
- 利用者層
- 入稿規定
- 審査にかかる時間
- 掲載される場所
- ターゲティング
- 広告表示オプション
この記事では、Google広告とYahoo!広告の違いについて詳しく解説していきます。それぞれの広告の強みや、「Google広告とYahoo!広告、どちらに広告を出稿するべきか?」と悩んだ際に選ぶためのポイントも紹介。
Web広告の配信を始めようとしている方は、ぜひ参考にしてください。
それでは、さっそく解説します!
1. Google広告とは
Google広告とは、検索エンジンで有名なGoogleが提供している広告サービスです。出稿できる広告は概ねキャンペーンタイプで分けられており、以下の7タイプがあります。
広告の種類
- 検索(テキスト広告)
Googleの検索結果やGoogleが提携しているサイト(パートナーサイト)に表示されるテキスト型の広告です。
- ディスプレイ(ディスプレイ広告)
Googleのパートナーサイト・アプリに表示される広告です。画像や動画のみ、またはテキストを組み合わせた形で表示されます。
- ショッピング
商品画像・値段・商品名などを掲載できる形式の広告です。検索結果やパートナーサイトに表示されます。
- 動画
動画を使用した広告を配信できます。YouTube・Google動画パートナーのサイトなどに表示されます。
- アプリ
アプリを宣伝するための広告を配信できます。検索結果やGoogle Play、YouTubなど、さまざまな場所に表示されます。
- ローカル
実店舗への来店を促すための広告です。Googleマップや検索結果などに表示されます。
- ファインド
ディスプレイ広告と似ていますが、複数の画像を使用できる「カルーセル広告」が出稿できます。また、配信面やターゲティングもディスプレイ広告とは異なります。
Google広告の強み
Google広告の強みとして、以下のような点が挙げられます。
- Googleの検索結果に出稿できる
Googleは、国内外ともにシェア1位の検索エンジンです。多くのインターネットユーザーが使用しているGoogleに広告を出稿できるのは「Google広告」だけ。大きな強みと言えるでしょう。
- 低予算から出稿できる
多額の資金が必要に思われるインターネット広告ですが、Google広告は広告主が出稿金額(限度額)を設定できるため、低コストでの出稿も可能です。
- 広告主をアシストする機能がある
「自動入札機能」「スマートキャンペーン」など、広告の配信・運用を簡単にする機能が搭載されており、初めてWeb広告を配信する人でも効率的な配信が可能になっています。
2. Yahoo!広告とは
Yahoo!広告とは、Webメディアやオンラインサービスを運用するヤフー株式会社が提供している広告サービスです。
広告の種類
出稿できる広告は以下の2種類です。
- 検索広告
Yahoo! JAPANの検索結果に表示されるテキスト広告です。
- ディスプレイ広告
画像や動画のみ、またはテキストを組み合わせた形で表示される広告です。「予約型」と「運用型」に分かれています。
Yahoo!広告の強み
Yahoo!広告の強みとしては、以下のような点が挙げられます。
- Yahoo!JAPANの検索結果に出稿できる
スマートフォンの検索エンジンシェア25%※を占めるYahoo!JAPANの検索結果に広告を出稿できることが強みのひとつです。
※出典:Mobile Search Engine Market Share Japan | StatCounter Global Stats
- Yahoo!の関連サービスに出稿できる
「Yahoo!ニュース」や「Yahoo!知恵袋」「ヤフオク!」など、検索結果だけではなくさまざまな関連サービスにも広告を出稿できます。
- 広告の透明性や品質が高い
日本企業であるヤフー株式会社が、広告品質を保つためのガイドラインの制定や、厳格な体制での審査を行っています。高品質で信頼できる配信元だと言えるでしょう。
3. Google広告とYahoo!広告の6つの違い
ここからは、Google広告とYahoo!広告の違いをひとつずつ見ていきましょう。
① 利用者層
Google広告とYahoo!広告はどちらも検索エンジンサービスを提供していますが、それらの利用者層(ユーザー層)は少し異なっています。
株式会社ヴァリューズのアンケート結果によると、それぞれのユーザー層は以下のような属性を持っています。
Yahoo! | ||
---|---|---|
性別 | 男性:約63% 女性:約36% | 男性:約55% 女性:約44% |
年代 | 最も多いのは 40代男性20~40代が70%以上を占める | 最も多いのは 60代男性40~60代が80%以上を占める |
職業 | 「会社勤務」 「会社経営者」が約半数を占める | Googleと比較して 「専業主婦(主夫)」 「無職・定年退職・家事手伝い」が多い |
ユーザーのインターネット利用時間 | PC:1日平均136.9分 スマートフォン:1日平均98.0分 | PC:1日平均126.3分 スマートフォン:1日平均66.9分 |
結果をまとめると、以下のようなユーザー層の違いがあると言えるでしょう。
Googleユーザー:会社勤務の若年層、スマートフォンをよく使うユーザーが多い
Yahoo!ユーザー:高年齢層かつPCユーザーが多い
② 入稿規定
Google広告とYahoo!広告では、入稿規定も異なります。
それぞれの記号、文字数などを比較表としてまとめました。
記号 | Yahoo! | |
---|---|---|
、。(句読点) | ◯(全角のみ) | ◯(全角のみ) |
, .(カンマ、ピリオド) | ◯(半角のみ) | ◯ |
!(感嘆符) | ◯ | ◯ |
?(疑問符) | ◯ | ◯ |
“” ” (ダブルコーテーション、シングルコーテーション) | ◯ | ◯ |
%(パーセント) | ◯ | ◯ |
&(アンド、アンパサンド) | ◯ | ◯ |
#(シャープ、番号記号) | ◯ | ◯ |
/ (スラッシュ) | ◯ | ◯ |
:(コロン) | ◯ | ◯ |
- (ハイフン) | ◯ | ◯ |
()(括弧) | ◯ | ◯ |
<>[]【】「」『』«»《》(括弧) | ◯(全角のみ) | ◯(一部を除き全角のみ) |
$(ドル) | ◯(半角のみ) | ◯(半角のみ) |
¥(円) | ◯(全角のみ) | ◯(全角のみ) |
・(中黒、中点) | ◯(全角のみ) | ◯(全角のみ) |
…(省略記号、三点リーダー) | ◯ | ◯ |
~(から) | ◯(全角のみ) | ◯ |
~ ~ (チルダ) | ◯ | ◯(全角のみ) |
入稿規定(PC・スマートフォン・タブレット)(検索広告) – ヘルプ – Yahoo!広告
検索広告の文字数
項目 | Yahoo! | |
---|---|---|
広告見出し1(Google) タイトル1(Yahoo) | 半角30文字まで | 半角30文字まで |
広告見出し2(Google) タイトル2(Yahoo) | 半角30文字まで | 半角30文字まで |
広告見出し3(Google) タイトル3(Yahoo) | 半角30文字まで | 半角30文字まで |
説明文1 | 半角90文字まで | 半角90文字まで |
説明文2 | 半角90文字まで | 半角90文字まで |
※2020年8月19日にYahoo!広告で変更があり、「タイトル3」「説明文2」の挿入が可能になると同時に、文字数も変更され上記の通りとなりました。
ディスプレイ広告の画像サイズにつきましては、下記の記事でくわしくお伝えしておりますので参考にしてみてください。

③ 審査にかかる時間
Google広告とYahoo!広告では、審査にかかる時間も異なります。
Google広告:通常1営業日以内
Yahoo!広告:3営業日前後
Google広告では、2営業日を過ぎても広告の審査が終わらない場合、問い合わせによる状況確認を推奨しています。
Yahoo!広告では、審査状況や掲載不可・停止の場合の理由と対応方法を広告管理ツールで確認することが可能です。
※参考:広告の審査プロセスについて – Google 広告 ヘルプ
審査とは – ヘルプ – Yahoo!広告
④ 掲載される場所
それぞれの広告の強みでも触れましたが、広告の掲載先は大きく異なっています。
掲載場所 | Google広告 | Yahoo!広告 |
---|---|---|
・Googleの検索結果 ・Googleマップ ・Google Play ・YouTube ・Gmail ・Googleが提携しているサイト(パートナーサイト) ・Googleが提携しているアプリ(パートナーアプリ) | ・Yahoo!JAPANの検索結果 ・ヤフー株式会社の提供サービス・アプリ(Yahoo!ニュース、Yahoo!知恵袋、ヤフオク!など) ・ヤフー株式会社が提携しているサイト(ネットワークパートナー) |
Yahooは以下のページにて広告掲載メディアを公開しています。
▶ 広告掲載メディア – Yahoo!マーケティングソリューション
Google広告に関しては、具体的な掲載先は公開していません。しかし、提携しているWebサイトは200万を超えています。
特にディスプレイ広告はそれら200万以上のWebサイトに配信され、インターネットユーザーの90%以上を広告のリーチ先として含めることができます。
参考:ディスプレイ ネットワーク キャンペーンのターゲティングについて – Google 広告 ヘルプ
⑤ 検索パートナー、ターゲティング方法
◎ 検索広告
Google広告、Yahoo!広告ともに、検索広告は検索エンジンの検索結果に表示されます。しかし、提携しているサイト(パートナーサイト)にも検索広告が表示される場合があります。
GoogleとYahoo!が提携している主なサイトをまとめました。
Yahoo! | |
---|---|
・livedoor(ライブドア) ・BIGLOBE(ビッグローブ) ・goo(グー) ・OCN(オーシーエヌ) ・AOL.JP@nifty価格.comなど | ・朝日新聞DIGITAL ・Bing ・excite ・My Cloud ・MY J:COM ・Sleipnir ・So-net ・Vectorなど |
◎ ディスプレイ広告
ディスプレイ広告ではターゲティングで設定できる項目も異なります。
- 名称が異なっているがほぼ同様のターゲティング方法
- それぞれの媒体でしか設定できないターゲティング方法
上記のような違いがあるため、以下にまとめました。
ターゲティング概要 | Google広告 | Yahoo!広告 |
---|---|---|
ユーザーの年齢、性別、今いる地域などでターゲティング | ユーザー属性 | 性別、年齢、地域 |
ユーザーの興味関心・習慣などを選択してターゲティング | アフィニティカテゴリ | オーディエンスカテゴリー |
ユーザーが積極的に調べている・計画を立てているカテゴリを選択してターゲティング | 購買意向の強いユーザー層 | - |
キーワード、URL、アプリを指定してそれらに関連しそうなユーザーをターゲティング | カスタムインテントオーディエンス | - |
Webサイトを訪問したユーザーやアプリのユーザーをターゲティング | リマーケティング | サイトリターゲティング |
リマーケティングリストのユーザーに類似したユーザーをターゲティング | 類似ユーザー | ターゲットリスト(類似) |
特定のトピックに関心を持つユーザーをターゲティング | トピック | サイトカテゴリー |
広告を表示させるWebサイトやアプリなどを指定してターゲティング | プレースメント | プレイスメント |
指定したキーワードで検索を行ったユーザーをターゲティング | コンテンツキーワード | サーチキーワード |
ユーザーが使用している端末を選択してターゲティング | モバイル端末のターゲット設定 | デバイス |
また、以下のターゲティングに関しては、設定できる範囲(単位)がそれぞれ異なります。
ターゲティング | Google広告 | Yahoo!広告 |
---|---|---|
年齢 | 18~24歳 25~34歳 35~44歳 45~54歳 55~64歳 65歳以上 不明 | 15歳~19歳 20歳~24歳 25歳~29歳 30歳~34歳 35歳~39歳 40歳~44歳 45歳~49歳 50歳~54歳 55歳~59歳 60歳~64歳 65歳~69歳 70歳以上 不明 |
地域 | 都道府県 一部の市町村郡範囲 (半径指定) | 都道府県 市区郡 |
⑥ 広告表示オプション
検索広告が表示された際に合わせて表示される広告表示オプションも、Google広告とYahoo!広告で違いがあります。
こちらもディスプレイ広告のターゲティング同様、
- 名称が異なっているがほぼ同様の広告表示オプション
- それぞれの媒体でしか設定できない広告表示オプション
といった種類があるため、以下にまとめました。
Google広告とYahoo!広告の広告表示オプションの違い
広告表示オプションの概要 | Google広告 | Yahoo!広告 |
---|---|---|
広告のリンク先とは異なるページに直接誘導するリンクを表示するオプション | サイトリンク表示オプション | クイックリンクオプション |
電話番号や通話ボタンを表示するオプション | 電話番号表示オプション | 電話番号オプション |
広告の補足情報を表示するオプション | コールアウト表示オプション | テキスト補足オプション |
商品・サービスごとにカテゴリを選択して商品名などを表示できるオプション | 構造化スニペットオプション | カテゴリ補足オプション |
また、Google広告独自の広告表示オプションも存在します。
Google広告にしか存在しない広告表示オプション
広告表示オプションの概要 | Google広告 |
---|---|
住所や通話ボタン、ビジネス情報ページへのリンクを表示できるオプション | 住所表示オプション |
広告主の商品を販売している最寄り店舗を表示するオプション | アフィリエイト住所表示オプション |
具体的な商品名・サービス名とその価格、補足情報を表示できるオプション | 価格表示オプション |
アプリストアへのリンクを追加で表示できるオプション | アプリリンク表示オプション |
広告から直接情報を送信できるフォームを表示するオプション | リードフォーム表示オプション |
テキストと一緒に関連性の高い画像を表示するオプション | 画像表示オプション |
ページ内の画像を検出・抽出が自動的に行われ、関連性の高い的確な画像を表示するオプション | 動的画像表示オプション |
広告表示オプションとは – ヘルプ – Yahoo!広告
4. GoogleとYahooの出稿先を選ぶポイント
Google広告とYahoo!広告の違いは把握できたでしょうか。ここからは、どちらの媒体に出稿するべきか選ぶポイントを解説します。
ユーザーの性質を把握する
「利用者層」の箇所でお伝えしたように、GoogleとYahoo!は利用しているユーザー層が違います。
検索広告の主な表示場所は、それぞれの検索エンジンの検索結果であるため、利用しているユーザーの性質を把握しておくことは非常に大切です。
- 広告で宣伝したい商品やサービスの主なターゲット層
- Googleユーザー、Yahoo!ユーザーそれぞれが持っている性質
Google広告とYahoo!広告どちらかの出稿を考えている場合は、上記2点を比較して、より性質が近い媒体に出稿するべきだと言えるでしょう。
どのデバイス向けか考える
広告で宣伝したい商品やサービスがどのデバイス(PC、スマートフォン、タブレットといった端末)に向いているかを考えることも重要なポイントです。
たとえば、「利用者層」の箇所でお伝えしたようにGoogleユーザーはYahoo!ユーザーと比較してスマートフォンを使用している時間が長いため、スマートフォン向けの商品やサービスの広告に向いていると言えるでしょう。
- スマートフォンアプリ→スマートフォンユーザー向け
- PCパーツ販売→PCユーザー向け
- 若者向けの商品→スマートフォンユーザー向け
このように、商品やサービスのターゲットによって向いているデバイスは異なります。自社の商品がどのデバイス向けなのかを考えた上で、出稿する媒体を選択しましょう。
出稿予算によって変える
広告に使用できる予算が決まっている場合でも、Google広告とYahoo!広告どちらに広告を出稿するかは変わってくるでしょう。
予算が少額(~30万円未満)の場合は、Google広告に注力するべきと考えられます。
理由は、Google広告の方が日本国内での利用率が高く、より多くのユーザーに広告を配信できる可能性が高いからです。
しかし、以下のような場合はYahoo!広告への出稿を検討することもよいでしょう。
- ターゲットユーザーの年齢層が高い
- メインのターゲットユーザーが主婦層、定年退職者
- PCユーザーをターゲットにしている
- Yahoo!のサービス利用者をターゲティングしたい
5. まとめ
Google広告とYahoo!広告には以下の6点において違いがあるとお伝えしました。
- 利用者層
- 入稿規定
- 審査にかかる時間
- 掲載される場所
- ターゲティング
- 広告表示オプション
また、どちらの広告媒体にもそれぞれ強みが存在します。
違いと強みを理解し、自社の宣伝したい商品やサービスに合った出稿先を選んで効率的な広告配信・運用を目指しましょう。
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