リスティング広告にかける費用の相場は?決め方と計算方法

近年、インターネットの普及により「リスティング広告」を活用する企業が増えてきています。中には、これからリスティング広告の配信を始めようとしている企業もいるのではないでしょうか。

いざ、始めようと思ったとき、どれくらいの費用が必要なのか予算感がわからず迷う担当者も多いことでしょう。 リスティング広告の運用は、成果に繋がりやすいような予算設計や、配信設定が重要です。

ここでは、リスティング広告の費用の相場や費用の決め方、そして具体的な計算方法について解説していきます。

目次

1. リスティング広告の平均相場

リスティング広告の費用は、クリックされた時に費用が発生する「クリック課金制」です。掲載はオークション形式となり、一般的には1クリックあたりの入札単価が高い順に掲載されます。

リスティング広告の基本的な仕組みやメリットに関しては、下記の記事でくわしく説明していますので参考にしてみてください。

おおよその相場感としては、中小企業が販促を目的にリスティング広告を活用するような場合は、月額10万円から20万円が多いようです。

※参考サイト 「アイミツ」
リスティング代行の費用と料金相場

リスティング広告の費用相場は、業界や配信地域、出稿企業の規模や利用シーンなどで変動するため、明確な金額を知りたい場合は代理店などの専門家に相談することをオススメします。

2. リスティング広告を始める際の費用の決め方

リスティング広告の費用は、最初から大きな金額をかけたのに成果に繋がらなかった……といったことがないよう、あらかじめ予算を想定しておくことが非常に重要です。しっかり予算と成果の想定値を計算し、結果との乖離を確認することも運用するうえで大事になってきます。

予算の決め方は大きく分けて3種類あり、具体的な決定方法と予算の計算方法を解説します。

① 成果目標を確定し逆算して決定

まず1つめは、目標から逆算して予算を決める方法です。

  目標値を算出するために必要な3つの要素
  ・コンバージョン数(CV数)
  ・コンバージョン単価(CPA)
  ・広告費

コンバージョン数とは、広告で得た成果の件数で、比較的よくあるものは「お問い合わせ」や「資料請求」などです。

コンバージョン単価は、コンバージョン1件を獲得するのにかかった費用のことを言います。1件のコンバージョンを獲得するのに、費用がいくらであれば適性だと判断するのか、目標コンバージョン数と目標コンバージョン単価の両方を想定しておくとよいでしょう。

両方の目標が決まれば、 広告費用 = 目標コンバージョン単価×コンバージョン数 の計算式に当てはめる事で費用を算出することが可能です。目標となるコンバージョン数またはコンバージョン単価は、広告運用中に費用対効果を分析するための重要な要素にもなるため、最初に定めておくことをオススメします。

② ツールを利用して決定

2つめは、GoogleやYahooが提供しているツールを利用し、リスティング広告費用を算出する方法です。

「出稿予定のキーワード」と「上限クリック単価」をツール上で設定することで、簡単に見積もりを計算してくれます。 表示された金額を予算として定めても良いですし、1日あたりの予算をクリック単価から計算し、広告配信したい期間日数を掛け算して予算を出すこともできます。

予算は、1日あたりの予算は目標コンバージョン単価より高い金額を設定するようにしましょう。

③ 競合企業の出稿状況を見て決定

競合企業の出稿状況、業界のクリック単価の変動などは確認しておきましょう。実際にキーワードを用いて検索してみると、すでに出稿している企業の広告が表示されます。

仮に、同じキーワードで出稿している競合企業があった場合、いざ自分たちも運用を始めた際には競りが発生し、想定よりクリック単価が高騰する可能性もあります。

そういった点からも、運用を始める前から代理店などの専門家に相談し、アドバイスをもらって進めることで安心に繋がるでしょう。

広告代理店に依頼するメリットは、細かな予算設計が可能となるだけでなく、広告配信の運用を代行してくれる点です。広告のプロが運用するので、より成果を出しやすい可能性が高いです。

一方で、マージン費用として10%〜20%上乗せで支払う必要があったり、最低出稿金額の指定があったりする場合もあるため、そういった点はデメリットとも言えます。

3. 必要のないリスティング広告費用を抑える方法

予算を決めてリスティング広告を配信した後に、予算が大きく上振れてしまったらどうしよう?という不安を持っている方もいらっしゃるかもしれません。広告費用は、配信の設定で必要のない消費を抑えることが可能です。ここでは、どういった方法があるのかを解説していきます。

「除外キーワード」を設定する

広告を表示させたくないキーワードは「除外キーワード」として設定し、広告の無駄打ち防ぐようにしましょう。

たとえば、新規顧客への集客目的とした広告配信を行いたい場合、既存顧客や御社に興味のある求職者などが検索しそうなキーワードとは検索意図が異なりますよね。 ターゲットとなるユーザーへアプローチできるよう、「除外キーワード」の設定を行い、広告配信したいキーワードの選定をしっかり行うようにしましょう。

「マッチタイプ」を再検討する

リスティング広告では、ユーザーのニーズや検索語句を考えキーワードを決めますが、その際にキーワードの「マッチタイプ」を設定します。このマッチタイプとは、キーワードに対しての幅とも考えられるため、広告配信するユーザーの範囲を調整することで費用を抑えられます。

マッチタイプは大きく分けて、「部分一致」「絞り込み部分一致」「フレーズ一致」「完全一致」の4種類を用いていました。 この中の「完全一致」は、設定したキーワードと検索語句が、ほぼ一致している際に表示されるマッチタイプとなります。こちらを優先的に使用すると、まったく見当違いなユーザーに表示されることはないため、広告費を抑制することが可能となります。

ただし、「完全一致」のみの配信では制限され過ぎてしまい表示が出ないこともあるため、「部分一致」や「フレーズ一致」を活用するなど臨機応変な判断が必要です。

また、GoogleとYahooでは「絞り込み部分一致」を廃止する動きがあり、それに伴い「フレーズ一致」も仕様変更が行われ、マッチタイプが簡素化されることを発表しています。日本語への適用は2021年7月頃が予定されているため、あらかじめ心づもりをしておきましょう。

なお、各マッチタイプの詳細は、以下の記事内「4. マッチタイプと除外キーワードの活用」でくわしく説明しています。

「品質スコア」を上げる

「品質スコア」を高めることで、リスティング広告費用を抑えることができます。というのも、品質スコアを上げれば上げるほど、広告の掲載順位が高まり、より安価なCPCで表示できるからです。

広告の品質スコアは、クリック率やランディングページとの関連性など、さまざまな要素で決定されます。配信する広告はユーザーの興味を引くものか、ユーザーのニーズを満たすものであるか、といった部分が判断軸となるため、運用中は広告素材の改善も重視していきましょう。

品質スコアを上げる方法については、下記記事の「2-2.②掲載順位が決まる仕組み」の最後にまとめてあります。

「配信先」を限定する

リスティング広告の予算を抑えるには、「配信先」を限定することも大事です。配信先のほかにも、「ターゲット」「地域」「デバイス」「時間」「年齢」「性別」など、絞れる項目は多数あります。

仮に法人向け(BtoB)に広告を配信する場合、大多数の企業が休日である土日や深夜帯の時間よりも、平日の就業時間中である方が情報収集していることが多いです。デバイスも、PCを開いていることが多いでしょう。

また、年齢も同じくターゲットと異なる年齢層に表示することは必要のない配信であるため、目標とするコンバージョン単価の高騰化を招く可能性があります。

除外キーワードを設定することについても伝えましたが、それ以外にも配信先を限定する方法は豊富にあります。運用するなかで設定内容を見直していきましょう。

「ロングテールキーワード」を設定する

リスティング広告では、3〜4語の複数キーワードを掛け合わせたものを「ロングテールキーワード」と呼んでいます。

ロングテールキーワードは、検索ボリュームが少なくなる傾向はありますが、少額での設定が可能なため費用を抑えることができます。

キーワード例
「しみ 美白 化粧水」
「ランニングシューズ 軽い 選び方」
「賃貸 リノベーション 一人暮らし」

複数のキーワード登録時の重要なポイントは、ユーザーの検索意図を想像することです。

検索に至った背景を汲み取り、キーワードを設定しなければ広告自体が表示される機会もないため、無意味な設定になってしまいます。ユーザーがどういった意図で検索するのか、ターゲット層も加味し設定していきましょう。

4. リスティング広告の予算設計は柔軟さが重要

リスティング広告の費用は、柔軟性を持たせて決めていくことが大事です。前章で解説したように、リスティング広告は配信範囲、キーワードの制限や緩和など、運用しながら細かくPDCAを回すことで成果に繋げていくものです。

その運用状況に合わせて、臨機応変に予算を変動できるようにしておきましょう。 運用方法は、初月は小額で運用し、成果が出やすいキーワードを習得した後で、徐々に増額していく運用方法をオススメします。

予算設計を行ったうえで、初月から膨大な費用をかけて成果を追求していく場合もあります。しかし、実際に運用を始めてみた際に、想定とは異なる事態が起こると、予算が大きい分の反動があります。

運用は1ヶ月だけやるといった短期集中型よりも、中長期的な目線で考えていく方がいいでしょう。成功パターンを習得するまでに、2~3ヶ月かかることがあるため、あらかじめ予算も2~3ヶ月の運用を想定した設計が望ましいです。

また、リスティング広告の運用を止める撤退ラインを定めておくことも重要です。どのラインにきたら費用対効果が合わないのかを計算しておき、配信停止を行うタイミングを知っておくのもいいです。

5. まとめ

本記事では、リスティング広告の費用の相場と、予算の決め方や計算方法についてご紹介しました。

予算の決め方について3つの方法をご紹介しました。費用が確定しないことには運用に踏み込むことができませんので、ある程度の予算を決めて前進できると安心です。ただし、予算設計は柔軟性を持たせることを覚えでおきましょう。

わたしたちサンロフトは、部分的な施策実行だけでなく、マーケティングの戦略立案・組織体制づくりまで、一貫対応で支援しています。

「リスティング広告はどういう仕組み?」「どうやって始めるの?」など、お困りの際はご相談ください。そもそも必要なのか?リスティング広告が最適なのか?といったところからお聞きし、御社に合ったご提案をします。

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