リスティング広告の運用で、最も重要なのは“キーワード”です。キーワードによってリスティング広告の成果が変わるといってもいいでしょう。
今回は、Webサイトやランディングページへの誘導で非常に効果的といわれている、リスティング広告について紹介していきます。
企業のWebまわりを担当している方や窓口となるような方 など、これからリスティング広告の基礎をきちんと理解しておきたい方のために、重要なキーワードの決め方を順を追って解説していきます。
1. リスティング広告についておさらい
まずは、“リスティング広告”とはどのようなものなのか?そして、“キーワードの重要性”についておさらいしていきましょう。
リスティング広告とは

リスティング広告とは、ユーザーが検索したキーワードに連動して掲載される広告のことです。“検索連動型広告”ともいわれています。
このリスティング広告がクリックされることで、費用が発生する仕組みとなっております。国内でよく見られる有名なリスティング広告は、Yahoo広告やGoogle広告。このリスティング広告が主に表示されるのはYahoo広告やGoogle広告の検索トップページの上段にある“広告”というマークのあるところです。そのため、何か調べ物をする際によく目にしている人も多いことでしょう。
リスティング広告は、どんな方でも簡単に管理アカウントを発行することができ、1クリックあたりの費用の上限や広告文も自分で自由に決められます。費用は、月1,000円ほどでも始められるので、試しに導入してみたいという中小企業にもおすすめです。
リスティング広告の基本や成功のポイントについては、下記記事でくわしく解説していますのでご参考ください。
なぜ、キーワードが重要なのか
リスティング広告を運用する際に、キーワードがなぜ重要なのでしょうか?
それは、リスティング広告は検索ユーザーが入力したキーワードに連動しているため、目的のユーザーに絞って広告を表示できるからです。適切なキーワード選定を行えば、検索ユーザーのニーズに合った広告を表示させることができます。そして、その広告を目にしたユーザーをうまくWebサイトへ誘導できるでしょう。
2. 事前にキーワードを4つに分類しておこう
キーワードの重要性について言及してきました。このキーワードはいくつか種類分けができ、大きく4つに分類することで、目的にあったキーワードを出しやすくなります。この分類作業の段階では、まず質よりも量を意識して進めていくことがおすすめです。
指名ワード
主に商品名やブランド名、サービス名などのことです。リスティング広告で必須のキーワードといえるでしょう。この指名ワードで検索するユーザーは、特に購買意欲が高い傾向にあるので、クリック率や売れる確率が高くなります。
「指名キーワードの検索ユーザーは、わざわざ広告出さなくても良いのではないか?」そう思う方もいるでしょう。
しかし、検索順位が高くても必ずクリックされるとは限りません。できる限り機会損失をなくし、ユーザーを呼び込むためにも、動線を増やしておくことをおすすめします。
購入を検討しているワード
検索ユーザーの中には、“購入”や“値段”、“予約”など、すでに購入を前向きに検討して検索する方も多くいます。このキーワードの検索ユーザーに広告を表示すると少し費用は高くなりますが、かなり高い確率で購入が見込めるでしょう。
情報収集をしているワード
購入を検討する前の段階である、“情報収集ワード”も取りこぼさないように意識しましょう。
たとえば、「〜の方法」や「〜のおすすめアイテム」など、“方法”や“おすすめ“で検索するユーザーです。このようなユーザーは、購入前にまずその商品の使用方法や、商品に関連するおすすめ商品など、情報を収集しているパターンが多いです。
ビッグワード
ビッグワードとは、検索エンジンで非常に多く検索されているキーワードのこと。
主に、商品のジャンルや商品全体を指しているキーワードが多く、このビッグキーワードのみで広告表示させると費用もそれなりに高くなります。そのため、ビッグワード単独ではなく、ほかのキーワードと組み合わせて考えることをおすすめします。
3. キーワードの洗い出し
大まかにキーワードを分類したら、さらにキーワードの洗い出しを行います。この段階でも、質よりも量を意識して進めていきましょう。
メインキーワード、メイン関連のキーワード
メインキーワードとは、主に単独で検索されることの多いキーワードのことです。たとえば以下に当てはまるものはメインキーワードとして分類されます。
- 固有名詞・・・会社名やブランド名、商品名など
- アイテム名・・・テレビ、テーブル、椅子など
このように、メインキーワードは少ない範囲に絞ったものではなく、範囲が広めのキーワードになっています。
続いて決めていくのが、メイン関連のキーワード。先ほどのメインキーワードに関連するキーワードを洗い出していきます。たとえば、“テレビ”であれば“テレビ番組”、“テーブル”であれば“机”など。
もし、なかなか思いつかない場合は、競合サイトの調査をしてみたり、実際に検索をしてみてサジェストワードや類義語を確認してみるのも良いでしょう。また、キーワードの洗い出しに便利なツールを活用するのもおすすめです。おすすめのツールは後ほどご紹介します。
掛け合わせるキーワード
メインキーワードやメイン関連キーワードの選出をしたら、次に掛け合わせるキーワードを洗い出しましょう。
掛け合わせるキーワードは、ビッグキーワードに比べると検索数が少ないですが、うまく組み合わせることによって、リスティング広告の成果に大きくつながるでしょう。こちらも洗い出しの際に迷ったら、メインキーワードやメイン関連のキーワードのときと同様に、検索や調査をしたり便利ツールを活用しましょう。
掛け合わせるキーワードは多くても3つまでがおすすめです。あまり多すぎると逆に検索ユーザーの範囲を狭めてしまい、検索数が少なくなるので注意しましょう。
4. マッチタイプと除外キーワードの活用
キーワードには4つのマッチタイプがあり、オプションとして設定が可能です。
このマッチタイプは、決定したキーワードに対して、検索ユーザーのキーワードとどのようにマッチングを行うかを指定できます。除外キーワードをきちんと指定しておくことも重要です。それぞれのマッチタイプと除外キーワードの解説と併せて、知っておきたい「類似パターン」についてもご紹介していきます。
例)キーワードが「東京 観光地」の場合

なお、2021年6~7月頃より、Google広告・Yahoo!広告ともに、「絞り込み部分一致」の動きが「フレーズ一致」の動きに統一されます。ゆくゆくは、従来の絞り込み部分一致で新規のキーワード追加も利用できなくなり、廃止の方向となっています。
類似パターン
まず、4つのマッチタイプの前にあらかじめ知っておきたいのが「類似パターン」です。それぞれのマッチタイプに登録したキーワードと、関連性が高く、検索意図が同じであると判断された類似パターンに対しても、広告が表示されるようになっています。
よって、個別にあらゆるパターンを登録する必要はありません。
- 表記ゆれ 例)くま、クマ、熊
- 類義語や言い換え 例)「バッグ」「鞄」
- 意味が同じで語順が異なる 例)「仕事用 鞄」「鞄 仕事用」
- 省略された表現 例)「スマートフォン」「スマホ」
- 検索意図が同じ 例)「無料素材 画像」「フリー素材 画像」
- 検索意図に影響しない助詞や接続詞 例)「仕事用の鞄」「仕事用 鞄」
くわしくは、以下を参考にしてみてください。
キーワードの類似パターン – Google 広告 ヘルプ
部分一致
指定したキーワードの一部が一致していた場合に、検索ユーザーに向けて広告を表示させる設定です。
これは、基本デフォルトで使用できるようになっています。表示回数の幅が広く、他のタイプと比べて一番多いマッチタイプといえるでしょう。たとえば一問一句一致しておらず、キーワードが関連語であった場合でも表示してくれるのが特徴です。
絞り込み部分一致
絞り込み部分一致とは、主に指定したキーワードが検索ユーザーのキーワードに含まれていた際に、広告を表示する設定です。
こちらは、キーワードの順番が逆の場合でも表示対象となり、さらに検索ユーザー側で打ち間違いなどの誤字があっても表示してくれます。部分一致の次に表示回数の範囲が広いです。
少し前にも述べましたが、2021年6~7月頃より、Google広告・Yahoo!広告ともに、「絞り込み部分一致」の動きが「フレーズ一致」の動きに統一されます。従来の絞り込み部分一致で新規のキーワード追加も利用できなくなり、廃止の方向となっています。
よって、これまで絞り込み部分一致で登録しているものにおいては、新しい「フレーズ一致」として動くように切り替わっていきます。そのため、新たにフレーズ一致として登録し直す必要はありません。
フレーズ一致
フレーズ一致は、複数のキーワードのセットでマッチング設定を行います。
たとえば、「東京 観光地」を指定した際に「東京 浅草 観光地」など、間に違う単語が入った場合は、広告表示の対象にはなりません。
あくまでも、ひとつのフレーズ(キーワードのセット)を重視してマッチングするということです。セットでマッチングするゆえ、基本キーワードの順番が逆であった場合は、広告が表示されません。(ただし例外もあり)
次の項で説明する完全一致の次に、表示回数の範囲が狭いといっていいでしょう。
上記で述べたのが従来のフレーズ一致となりますが、2021年6~7月頃より切り替わっていく新しい「フレーズ一致」の動きには、ここに絞り込み部分一致の要素も加わってきます。
登録したキーワードと語順が異なっている場合、登録したキーワードの間に別の単語が含まれている場合であっても、広告が表示されるようになります。ただし、同じ意味として解釈できる場合です。よって、語順が逆になったことで登録したキーワードと意味が異なる場合は表示対象とはなりません。
くわしくは以下を参考にしてみてください。
フレーズ一致と絞り込み部分一致の変更について – Google 広告 ヘルプ
完全一致
完全一致は、指定したキーワードと検索ユーザーの検索したキーワードが完全に一致した場合にのみ表示される設定です。
たとえば、「東京 観光地」というキーワードを設定したとして、検索ユーザー側で誤字があれば表示されません。ただし、「観光地 東京」というように、キーワードの順番が逆になっても表示されます。
また、引っ掛け・引掛けなどのように、同じ意味の言葉の表記ゆれがあった場合はきちんと広告が表示される仕組みです。部分一致と比べると広告の表示回数が少なくなる傾向にありますが、クリック率は一番高いといえるでしょう。
除外キーワード
不要なキーワードは除外する設定にしておくことで、目的に反したキーワードに対して広告を表示されないようにできます。
このように除外キーワードをあらかじめ設定しておけば、ユーザー獲得できないと分かりきっているクリックに対して費用が発生しなくなるため、無駄な広告費を防ぐことができます。
5. 効果的に行うための大事なポイント
ここまで、リスティング広告のキーワード選出について順に解説してきました。ここからは、これまでの流れのなかで意識するとよいポイントをご紹介します。
ユーザーのニーズを意識
キーワード選出をする上で必ず意識していただきたいのが、ユーザーのニーズに合っているかどうかです。せっかくメインキーワードで検索されても、表示された広告がニーズに合っていなければ購入につながりません。
「このキーワードで検索した人は、何を求めているのか」
このように、検索ユーザーの目線になって選定することが重要となります。
質と量の2つの観点
リスティング広告の運用で大きな課題となるのが質と量。
簡単に説明すると、“質は成果につながる確率”、“量は検索される回数”です。効率的にリスティング広告運用を行う上では、この質と量が重要といえます。
先述の通り、選定したキーワードがユーザーのニーズに合っておらず検索されなければ、せっかくのリスティング運用が無駄になってしまうでしょう。しかし、いくら検索回数が多くても、それが成果につながらないキーワードであれば意味がありません。つまり、ユーザーの検索回数が多く、かつ成果につながるような質の高いキーワードを選出することが必要となるのです。
このように質と量をうまく掛け合わせるためにも、運用を最適化することが求められます。そこで一役買っているのが、この後ご紹介するキーワード選出の便利なツールです。
便利なツールを上手に活用
キーワードを選出するのに強い味方となるのが、便利なキーワード選出専用ツールです。その中でも特におすすめをご紹介します。
キーワードプランナー
今回おすすめするGoogle広告のキーワードプランナーは、キーワードの月間平均ボリューム、競合性を調査できるツールです。また、想定したメインキーワードだけでなく、Webサイト内の有効なキーワードを洗い出すこともできます。
さらに、除外キーワードをふるい落とすこともできるため、リスティング広告の出稿を考えているのであれば、ぜひ使っていただきたいツールです。
goodkeyword
goodkeywordは、主にGoogleやYahoo!でのサジェストワード、関連キーワードを調査するのにおすすめのツールサイトです。メインキーワードと掛け合わせるキーワードの選出に非常に便利なので、こちらも合わせて活用すると良いでしょう。
他にも、関連キーワード取得ツールやWeblio類語辞典など、掛け合わせキーワードに使える無料ツールはありますので、ぜひ自社にとって使い勝手の良いツールを活用しましょう。
キーワードが決まったあとの広告文の作成については、以下でくわしく説明していますので参考にしてみてください。
6. まとめ
リスティング広告の運用では、検索ユーザーのニーズに合わせ、かつ購買意欲を抱かせるために適切な広告を掲載することが重要です。そのためのキーワード選出は質と量が大事なので、無駄な予算をかけずに効率よく運用していきましょう。
サンロフトでは、マーケティング支援を積極的に行っております。リスティング広告をはじめとしたマーケティングに関することも、いつでもお気軽にご相談ください。