Web広告の運用を検討されている中小企業の方の中には、
「Web広告を出したいが種類が多すぎる。どれを選べばいい?」
「自社が優先すべきWeb広告がわからない」
「Web広告を効果的に運用したい」
……といったお悩みを抱えているWeb担当の方が多くいらっしゃいます。
Web広告運用を効果的に行うためには、Web広告の種類とそれぞれの特徴を把握しておくことが欠かせません。
本記事では、Webマーケティングに欠かせない施策である「Web広告」について徹底解説してまいります。
読み終えていただければ、自社に合ったWeb広告や優先すべき広告がわかるようになり、Web集客に活かしていただけます。
では、さっそく解説していきます!
1. Web広告とは?
Web広告とは、Web上のメディア(媒体)やSNS、メールなどに掲載する広告のことで、インターネット広告、デジタル広告、オンライン広告と呼ばれることもあります。
インターネットを通じた広告はすべてWeb広告に分類され、種類は13種類と豊富です。
Web広告は、GoogleやYahoo!といった検索エンジンの広告枠や、各メディア(Webサイト・SNS・動画・メール・音声など)の広告枠に、自社商材の広告を掲載・配信できるシステムとなっており、「認知拡大」「興味喚起」「購買意欲の向上」「リピート獲得」のような、目的に応じた出稿が可能です。
2. Web広告の特徴と必要とされる理由
マス広告の弱点を克服した「Web広告」
Web広告の特徴は、「効果測定」「コストダウン」「行動促進」「ターゲティング性」などに優れている点です。
従来型のマス広告の弱点である、「効果測定がむずかしい」「コストが高い」「行動促進しにくい」「ターゲティング精度が低い」といったことを、ほぼすべて克服できたのがWeb広告といえるでしょう。
Web広告が必要とされる理由は「従来型広告」からのシフト
近年、インターネット広告は他の広告と比べ年々市場規模を拡大しています。デジタル化による「従来型広告」からのシフトが、市場規模拡大の要因といえます。
電通が2022年に発表した「2021年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」によると、総広告費6兆7,998億円(前年比110.4%)のうち、インターネット広告費は2兆7,052億円(前年比121.4%)に達し、継続して高い成長率を保つ結果となっています。
1.ビデオ(動画)広告は5,128億円と初めて5,000億円を突破
2.ソーシャル広告は7,640億円で、インターネット広告媒体費全体の三分の一に
3.運用型広告は、1兆8,382億円、前年比126.3%と高い成長率を維持。予約型広告も伸長
4.2022年インターネット広告媒体費は、全体で2兆4,811億円(前年比115.0%)まで成長する見込み
電通「2021年日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」のポイントより引用
コロナ禍であっても、インターネット広告は前年度よりプラス成長となっており、私たちの購買行動が、いかにPCやスマートフォンによるインターネット上で行われているかが結果に表れています。
3. Web広告のメリット
Web広告全般の代表的なメリットは、
- 細かなターゲティング設定が可能
- 少ない広告費で始められる
- 短期間で効果を得られる
- 効果測定により改善しやすい
- 広告出稿中でも変更が可能
の5つです。
本章ではWeb広告全般のメリット5つを解説していきます。
Web広告は享受できるメリットが多いマーケティング施策で、Web広告の種類ごとにそれぞれのメリットが存在しますので、各Web広告のメリットについては、後ほどの章「5. Web広告の種類とそれぞれの特徴」をご参考ください。
細かなターゲティング設定が可能
Web広告は「どんな人に」「何を見ている時に」「どんな広告を?」といった細かなターゲティングができる広告です。よって、広告を見てほしいターゲットに自社の広告を確実に届けることができます。
特に、SNS広告は、より精度の高いターゲティングが可能です。
少ない広告費で始められる
Web広告は、広告費の合計額や単価などの上限設定が可能です。予算に合わせた広告出稿が可能なので、必ずしも数百万円規模の初期投資は必要ありません。マス広告と比較すると、コストをおさえた広告出稿ができます。
また、課金方式も、広告がクリックされた時だけ課金される形態や、ユーザーがなんらかのアクションを起こした時だけ課金される形態が主流となっているため、トータルの広告費が抑えられるというメリットもあります。
短期間で効果を得られる
マス広告と比較すると、Web広告はかなり即効性があります。出稿したいと思ったらすぐに広告を出せるため、出稿から効果を得るまでの期間が短いのです。
特に、リスティング広告やアフィリエイト広告は、みずから積極的に検索する人(=悩みや欲しいものが明確になっている顕在層)をターゲットにするため、より短期間で効果を得られます。
効果測定により改善しやすい
従来型の広告と異なり、Web広告は数字で効果測定を正確にできるため、施策の改善がしやすい仕組みになっています。改善のサイクルを早く回せるため、成果を得られやすいです。
広告出稿中でも変更が可能
マス広告であるテレビCMや新聞広告などは、1度作成・公開した広告を途中で変更することはほぼ不可能です。対して、Web広告は、広告出稿中でも「キーワード」「広告文」「デザイン」などを変更できます。
たとえば、出稿したキーワードで効果がなければ、効果が得られる他のキーワードに柔軟に変えることができるのです。
4. Web広告のデメリットとその解決策
Web広告のデメリットは、
- 運用するには知識が必要
- 成果を上げるには多角的な分析が必須
- 競合が多いキーワードは単価が高額
です。
Web広告のデメリットも、厳密にいうと広告の種類によって異なるため、広告ごとのデメリットは後ほどの「5. Web広告の種類とそれぞれの特徴」にてくわしく解説しています。
本章では、Web広告全般に共通するデメリットを3つ解説し、各デメリットの解決策もあわせてご提案していますのでご活用ください。
運用するには知識が必要
Web広告は、Webマーケティングと広告運用の知識を基に運用するものです。よって、Webマーケティング初心者の方が成果を出すには、知識を習得しつつ実践で覚えていく必要があるため、一定期間の時間を要します。
【解決策】
- 広告運用の独学には、オンラインセミナーや書籍、YouTube動画などがおすすめ
- ただし、早く集客したい場合には、外注して運用しながら必要知識やノウハウを覚え、徐々に社内で運用するという方法も
成果を上げるには多角的な分析が必須
Web広告およびWebマーケティングに必要とされるのは、多角的な分析力です。つまり、多角的な視点でとらえ考える力が必要です。また、解析ツールを使い、計測したデータ(数字)を見ながら課題を見つけ、施策を選定するスキルも求められます。
【解決策】
- まずは、解析ツールと専門用語をマスターし必要なデータを得られるようになること
- 分析のベースとなる「仮説思考」を実践し続け、実際に運用しながら分析力を鍛えていく
競合が多いキーワードは単価が高額
競合が多い業界のキーワードは、クリック単価(1回のクリックで発生する費用)が高額になることがあり、その場合は広告費がかさむというデメリットがあります。競合が多い業界の方がリスティング広告やディスプレイ広告を出稿する際には、戦略的に実践する必要があります。
【解決策】
- クリック単価を下げるノウハウを習得する
- ノウハウとは、具体的には、「品質スコアを上げる」「入札単価を下げる」「クリックされる広告コンテンツを作成する」などがあります
5. Web広告の種類とそれぞれの特徴
Web広告の種類は、下記の13種類です。
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- アドネットワーク広告・DSP
- リターゲティング広告
- 純広告
- アフィリエイト広告
- ネイティブ広告
- 記事広告・タイアップ広告
- SNS広告
- 動画広告・YouTube広告
- リワード広告
- デジタル音声広告
- メール広告
Web広告の種類を把握する際のポイントは、「誰に届けるための広告なのか?」「広告のターゲットとなるのはどの層か?」という視点を持つことです。
Web広告は「誰に届けたいか」が重要です。 マーケティングにおいて、ユーザーは以下の層に区分できるとされています。
無関心層:ほとんど知らない、興味がない
潜在層:ニーズを抱えており、自社の商品やサービスで解決することができる
顕在層:商品やサービスをすでに知っている・見たことがある・自分で検索したことがある
顧客層:商品やサービスを利用したことがある・既存顧客・リピーター
このように、自社の商品やサービスはどの層に向けてアピールしてWebサイトへ訪問を促す必要があるのかを検討していきます。
リスティング広告
【リスティング広告の特徴】
ターゲット層 | 顕在層(今すぐ客) |
課金方法 | クリック課金 |
メリット | ◎出稿から効果を得られるまでの期間が短い ◎少額からスタートできる |
デメリット | ◎業界によってはキーワード単価が高額で戦略が必要 ◎潜在層・無関心層にはリーチできない |
こんな企業におすすめ | ◎短期間で集客する必要がある ◎検索施策を強化したい |
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!といった検索エンジンの、検索結果の画面に表示されるテキストの広告を指します。
出稿は検索キーワードを指定して行い、その指定したキーワードをユーザーが検索した時に、検索結果の広告スペースに広告文が表示される仕組みです。広告費は、広告をクリックされた時に発生し、表示されただけでは料金はかかりません。
Webサイトが自然検索で上位表示されるには、SEO対策を徹底する必要があるため時間を要しますが、その点、リスティング広告は出稿後すぐに上位表示されるため即効性があります。
また、リスティング広告は、購入に近いところにいる顧客(今すぐ客)に向けた施策で、こういった購入に近いユーザーをターゲットにする点も短期間で集客率を上げやすい理由です。
リスティング広告の弱みは、商品を認知していない「潜在層」や、商品に関心がない「無関心層」にはアプローチできない点です。
リスティング広告は比較的クリック率が高く人気があり、競合が多い検索キーワードを指定するとクリック単価が高くなり表示回数が減るため、キーワードの選定など戦略的に進めていく必要があります。
リスティング広告の基本やメリットの詳細を知りたい方には、下記の記事がおすすめです。
ディスプレイ広告
【ディスプレイ広告の特徴】
ターゲット層 | 潜在層(まだまだ客)〜顕在層(今すぐ客) |
課金方法 | クリック課金・インプレッション課金 |
メリット | ◎写真・動画といった視覚的なアプローチが可能 |
デメリット | ◎検索意欲が高い人が対象ではないため離脱しやすい |
こんな企業におすすめ | ◎認知度アップ・興味関心を持ってもらいたい ◎視覚的なアピールが向く商材 |
ディスプレイ広告とは、画像や動画、テキストを使用した広告で、Webサイトやアプリなどの広告枠に表示される広告です。前述のリスティング広告をディスプレイ広告に含めてとらえるケースもあります。
ディスプレイ広告は、パッと目を引くようなクオリティの高いビジュアル広告で、かつ、訴求内容が的確であればクリックにつながりやすいです。
細かなターゲティング(地域・年齢・性別など)が可能な施策で、認知度を上げたり興味・関心を持ってもらったりといった、潜在層〜顕在層へのアプローチに適しています。
具体的なユーザー層は、自社の商材をまだ知らないユーザーや、興味や関心はあるけれどまだ検索には至っていないユーザーです。
ディスプレイ広告について、くわしく知りたい方には以下の記事がおすすめです。
アドネットワーク広告・DSP
【アドネットワーク広告の特徴】
ターゲット層 | 潜在層(まだまだ客)〜顕在層(今すぐ客) |
課金方法 | クリック課金・インプレッション課金 |
メリット | ◎一括できるため業務効率を上げられる ◎効果測定データをまとめて確認できる |
デメリット | ◎広告を掲載するサイトを選べない |
こんな企業におすすめ | ◎認知度を上げたい・興味関心を持ってもらいたい ◎視覚的なアピールが向く商材 |
【DSPの特徴】
ターゲット層 | 潜在層(まだまだ客)〜顕在層(今すぐ客) |
課金方法 | インプレッション課金 |
メリット | ◎複数のアドネットワーク広告をまとめて管理できる ◎配信ジャンルを絞ることができる |
デメリット | ◎配信先を事前に確認できない ◎広告費とは別でDSP利用料がかかる |
こんな企業におすすめ | ◎認知度を上げたい・興味関心を持ってもらいたい ◎アドネットワークから更にターゲットを絞りたい |
前項で紹介したディスプレイ広告には、アドネットワーク広告やDSPといった手段があります。
アドネットワーク広告とDSPは同じものと混同されがちですが、厳密にいうと異なります。簡単にいうと、アドネットワーク広告は「プラットフォーム」、DSPは「ツール」です。それぞれ解説していきます。
◎アドネットワーク広告とは?
多くのサイトが集約された、規模のある「広告配信ネットワーク」のことで、このネットワークを通して、複数のWebサイトにまとめて広告を配信できる手法です。広告は配信面は、Webサイト、ブログ、ソーシャルメディアなどです。
代表的なものに、GDN(Googleディスプレイネットワーク)やYDA(Yahoo!広告 ディスプレイ広告/旧YDN)があります。
アドネットワーク広告には強みが多いですが、最大のメリットは広告配信の前後の業務を任せられるため、業務効率が上がる点です。デメリットは、メディア選定ができない点で、意図しないWebサイトに広告が配信されてしまうケースも。
◎DSPとは?
DSP(Demand-Side Platform)は、複数のアドネットワークに広告を配信できるツールのことです。
では、どういった時にDSPを利用するかというと、1社のアドネットワーク広告だけでは、自社のターゲット層への広告配信をカバーしきれない場合です。その場合、複数のアドネットワーク広告を利用する必要があり、DSPを使うことでひとつのプラットフォームで管理が可能となるわけです。
DSPは複数のアドネットワーク広告以外にも、アドエクスチェンジやSSPといった広告配信ネットワークもまとめて管理することができます。
リターゲティング広告
【リターゲティング広告の特徴】
ターゲット層 | 顕在層(今すぐ客) |
課金方法 | クリック課金・インプレッション課金 |
メリット | ◎興味関心のある人を追いかけてアプローチできる ◎コンバージョンしやすいユーザーを狙える |
デメリット | ◎行動を追跡するため監視されているような印象を与えるケースも |
こんな企業におすすめ | ◎興味関心がある人に再度サイト訪問してほしい ◎顕在層にターゲットを絞りたい |
リターゲティング広告とは、1度自社Webサイトを訪問したことのあるユーザーに広告を表示できる手法で、ディスプレイ広告や動画広告、テキストといった様々な形で行うことが可能です。
過去にWebサイトを訪れたということは、自社の商材にすでに興味関心があるといえます。こういったユーザーにターゲットを絞るため、よりコンバージョンしやすい手法です。
リターゲティング広告のメリットは、顕在層にアプローチできるため成果を得られやすい点で、デメリットはユーザーに繰り返し広告を表示させるため、しつこいと感じさせてしまうことがある点です。
また、リターゲティング広告はGoogleでは名称が変わり、「リマーケティング」と呼ばれています。Yahoo!での名称は変わらず「リターゲティング」です。
リターゲティングの活用について興味のある方は、以下の記事がおすすめです。
純広告
【純広告の特徴】
ターゲット層 | 無関心層(未来の顧客)〜顕在層(今すぐ客) |
課金方法 | 保証型課金(期間保証型・クリック保証型など) |
メリット | ◎幅広い層に広告を表示できる ◎必ず希望の位置(広告枠)に掲載できる |
デメリット | ◎広告費が高く、途中で変更できない ◎効果の有無に関わらず料金が発生する |
こんな企業におすすめ | ◎認知拡大をしたい ◎未来の顧客への施策をしたい |
純広告とは、一定期間が設けられ、その期間に応じて確実に表示される形式の広告を指します。 特定のWebメディア(媒体)の広告枠を買い取って、広告を掲載する仕組みで、バナー広告と呼ばれることもあります。
例えば、あなたの企業が化粧品メーカーであれば、自社のターゲット層が閲覧している「コスメの情報サイト」の最も目立つ広告枠に広告を表示させることで、ターゲットに広告を届けられます。
また、純広告のサービスを提供するプラットフォームに「Yahoo!ブランドパネル」があります。
純広告のメリットはWebメディアの目立つ場所に広告を表示でき、幅広い層に広告を見てもらえる点で、デメリットは他のWeb広告に比べ費用が高い点です。
純広告は幅広い顧客層に露出することから、潜在層から無関心層までが対象となり得ます。
アフィリエイト広告
【アフィリエイト広告の特徴】
ターゲット層 | 顕在層(今すぐ客)〜無関心層(未来の顧客) |
課金方法 | 成果報酬型 |
メリット | ◎売上に直結しやすい施策 ◎費用対効果が高い |
デメリット | ◎成果を得られるまで時間がかかるケースも |
こんな企業におすすめ | ◎認知拡大をしたい ◎売上に直結する施策を強化したい |
アフィリエイト広告とは、「広告主」「アフィリエイター」「ASP」の3者によって成り立っている広告手法です。
- 広告主
- アフィリエイター(Webサイト運営者)
- ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダー)
↓↓↓↓↓
この3者が協力することにより、ユーザーに広告が届く仕組み
↓↓↓↓↓
- ユーザー
まず、ASPが広告主とアフィリエイターを結びつけます。そして、アフィリエイターがWebサイトで広告主の商材を紹介し、その広告をクリックしたユーザーが購入や契約に至るという仕組みです。
アフィリエイト広告は、広告主が設定したコンバージョン(購入・資料請求・契約など)に至った場合に、広告費(報酬)を支払うシステムです。
費用が発生するタイミングは、コンバージョンに至った時なので、他のWeb広告と比べても費用対効果に優れています。
アフィリエイト広告は、商品を比較する段階の「顕在層」に強い施策ですが、キーワードによっては「潜在層」「無関心層」へのアプローチも可能で、認知拡大や興味関心を得ることもできます。
ネイティブ広告
【ネイティブ広告の特徴】
ターゲット層 | 無関心層(未来の顧客)〜潜在層(まだまだ客) |
課金方法 | クリック課金・インプレッション課金 |
メリット | ◎広告のプッシュ感がなく興味を持ってもらいやすい ◎ユーザーにストレスを与えにくい |
デメリット | ◎効果を得られるまである程度時間がかかる ◎記事や投稿に溶け込むようなデザインが必要となる |
こんな企業におすすめ | ◎認知拡大をしたい ◎未来の顧客への施策をしたい |
ネイティブ広告とは、一見、広告ではなくネットの記事や投稿であるかのような形で見せる広告のことです。ネイティブ広告はネイティブアドと呼ばれることもあります。
Webメディアの記事や投稿に溶け込むかたちで表示され、広告のようには見えないため、ユーザーに過度なストレスを感じさせない点が強みです。ネイティブ広告のわかりやすい例として、SNS広告が挙げられます。
広告特有のプッシュ感がないためユーザーにストレスを与えにくい反面、「記事なのか?広告なのか?」を判別しにくいこともあり、「記事だと思ってクリックしたら広告だった……」というマイナス要素もあります。
加えて、質の高い広告を作る必要がある点もデメリットです。コンテンツになじむようなデザインや、引きの強いキャッチコピーを作成する必要があるため労力を要します。
ネイティブ広告は無関心層や潜在層へのアピールに向く施策です。
記事広告・タイアップ広告
【記事広告/タイアップ広告の特徴】
ターゲット層 | 無関心層(未来の顧客)〜潜在層(まだまだ客) |
課金方法 | インプレッション課金 |
メリット | ◎媒体のブランド力を利用でき信頼感を得やすい ◎掲載する媒体と連携して作成できる |
デメリット | ◎掲載から効果を得られるまで時間がかかる ◎記事作成に時間と労力を要するケースも |
こんな企業におすすめ | ◎認知拡大をしたい ◎未来の顧客への施策をしたい |
記事広告とは、Webサイト内の記事で自社の商材をPRしてもらう手法で、タイアップ広告とも呼ばれます。広告主と媒体(メディア)が協力して作成する広告となります。
メディアの信頼性や知名度を利用して、自社の商品やサービスを紹介できるため、読者の信頼感を獲得しやすい点がメリットです。
デメリットは、記事作成にあたり取材や撮影が必要になることがあるため記事が完成するまでに時間がかかる点、そして、掲載から効果を得られるまでもある程度時間を要する点が挙げられます。
記事広告は、無関心層と潜在層にリーチできる施策です。
SNS広告
【SNS広告の特徴】
ターゲット層 | 無関心層(未来の顧客)〜顧客層(既存のお客様) |
課金方法 | クリック課金・配信数型課金・エンゲージメント課金 |
メリット | ◎ターゲティング精度が高い ◎シームレスな広告で違和感を与えない |
デメリット | ◎何もしなければ特定ユーザーに配信し続けることに ◎適切なSNSを選定しなければ効果は得られない |
こんな企業におすすめ | ◎事業拡大を目指している ◎未来の顧客から既存顧客まで広く施策をしたい |
SNS広告とは、Twitter、Facebook、InstagramといったSNS上に表示する広告を指します。現在様々なSNSが存在していますが、年代層やライフスタイルなどにより使用するSNSは異なるため、SNS広告を出稿する際には適切な選択が必要です。
SNS広告が人気の理由としては、最近はSNSを見て購入を検討するといった下調べの場として活用されている背景と、SNSが持っているユーザーの情報量です。今後ますますSNS広告は広がっていくのではないかと予想されています。
SNS広告の利点は多く、最大のメリットは、SNSの特性を活かして精度の高いターゲティングが可能な点です。
デメリットは、定期的にターゲティングやクリエイティブなどを変更する必要がある点です。なぜなら、SNS広告は変更をしない限り指定したユーザーに配信が継続されるためです。
SNS広告は無関心層から顧客層まで幅広い人々へのアプローチができます。
◎Facebook広告
Facebook広告の特徴は、信憑性の高いターゲティングができることです。
Facebookは実名制のSNSなので、ユーザーが任意で登録した年齢や地域、学歴、キャリア、趣味などをもとに精度の高いターゲティングを実現しています。
広告の配信面(フォーマット)の種類が豊富なので、ユーザーがFacebookを活用する様々なシーンで、最適な広告の見せ方ができるのも利点です。
Facebookはビジネス目的で登録しているケースが多いため、Facebook広告はビジネス関連の商材や、BtoB商材、単価の高い商品やサービスなどと相性が良いです。
◎Instagram広告
Instagram広告の特徴は、モバイルの全画面でインパクトのある広告を表示できることです。静止画、動画ともにインパクトが強いため、クリックされやすい広告です。
Instagramはビジュアルに特化したSNSなので、Instagram広告はアパレル関連やコスメに加え、商材のバリエーションが豊富なサービス(飲食、エステ、ネイルサロン、美容室など)に向いています。
Instagram広告で重要なのは、品質の高いクリエイティブを作成することです。写真や動画を作成する際には、訴求ポイントをおさえることに加え、品質にもこだわりましょう。
◎Twitter広告
Twitter広告の特徴は、ライフスタイルや趣味・嗜好にあわせた広告配信ができる点で、別の言い方をすると、ペルソナが明確な商材に向いている広告といえます。
タイムライン上になじむフォーマットで、他の投稿と同じように広告を表示できるため、「いいね」や「リツイート」による二次拡散も見込めます。拡散力が強いTwitterの特徴を活かした広告といえますね。
テキストだけでなく、画像や動画を組み合わせた広告はユーザーの目に止まりやすいです。
他にも、フォロワーを増やす施策としておすすめアカウントに表示させる広告(フォロワー獲得広告)や、検索画面の上部に表示させる広告など、様々な種類があります。
◎LINE広告
LINE広告の特徴は、LINEしか使用していないターゲット層に広告を届けられる点です。
「Facebookやインスタは使用していなくても、LINEだけは活用している」という方は案外多く、こういった方にリーチできるのがLINE広告の最大のメリットです。
LINE広告は、LINEアプリ内のトーク画面やLINEニュースの広告枠に表示させる広告の他に、LINEマンガやLINEが提携しているアプリなどにも掲載できます。
SNS広告のメリットや各SNS広告の特性についてさらにくわしく知りたい方には、下記記事が役立ちます。
動画広告・YouTube広告
【動画広告/YouTube広告の特徴】
ターゲット層 | 無関心層(未来の顧客)〜潜在層(まだまだ客) |
課金方法 | 広告視聴単価型 |
メリット | ◎短時間で多くの情報を届けられる ◎動画は目を引くため効果を得られやすい |
デメリット | ◎制作費がかかる ◎スキップし最後まで視聴されない場合も |
こんな企業におすすめ | ◎認知拡大をしたい ◎興味関心を持ってもらいたい |
動画広告とは、動画を活用して広告をする方法で、テキストや静止画などでは表現できない企業の姿勢やストーリーなどが表現できます。
上手に活用することで共感が広がりファンが増え、SNSなどでの2次的拡散も期待できます。最近では純広告やリターゲティング広告などでも出稿が可能ですが、YouTubeでの広告掲載ができることがポイントです。
動画広告のメリットは、目を引きやすく情報量が多いため効果を得られやすい点、そして、クリックしなくても動画が再生される点です。一方で、動画制作は他の広告と比べ制作費に費用が掛かることは念頭に置かなければなりません。
動画広告は短い時間で多くの情報を伝えることができることから、無関心層や潜在層へ向けての認知拡大に適しているといえます。
YouTube広告の配信種類については、以下の記事でくわしく説明していますので参考にしてみてください。
リワード広告
【リワード広告の特徴】
ターゲット層 | 無関心層(未来の顧客)〜潜在層(まだまだ客) |
課金方法 | インストール成果型・成果報酬型 |
メリット | ◎短期間で認知度を上げられる ◎ユーザーに報酬が発生する |
デメリット | ◎ユーザーの継続率は悪い ◎AppleStoreはリワード広告に否定的 |
こんな企業におすすめ | ◎認知拡大をしたい ◎興味関心を持ってもらいたい |
リワード広告とは、広告を見たユーザーにリワード(報酬)が支払われる広告を指します。具体的には、スマホのアプリ内で動画を視聴したり、アンケートに答えたりすることで、報酬としてポイントがもらえるといったものがあります。リワード広告は成果報酬型のため、アフィリエイト広告に分類されるケースもあるようです。
リワード広告の目的は、スマホアプリのインストール数を短期間でアップさせることや、認知拡大などです。
短期間で認知度を上げたい場合などに有効とされていますが、ユーザーの継続率は低いです。
デジタル音声広告
【デジタル音声広告の特徴】
ターゲット層 | 無関心層(未来の顧客)〜潜在層(まだまだ客) |
課金方法 | 広告を聞いたユーザー数によって変動 |
メリット | ◎スキップされにくいため広告を確実に届けられる ◎ユーザーにストレスが少ない |
デメリット | ◎まだ音声メデイア市場が熟成していない |
こんな企業におすすめ | ◎認知拡大をしたい ◎興味関心を持ってもらいたい |
デジタル音声広告とは、Spotifyやradiko、Voicyなどのインターネットラジオや、音楽配信サイトといった「デジタル音声メディア」で流れる広告のことです。オーディオアドと呼ばれることもあります。
デジタル音声広告は、現在は普及していませんが、今後拡大する広告のひとつと言われています。
たとえば、音声メディアのVoicyでも、フォロー数の多い人気パーソナリティのコンテンツにはすでに音声広告が採用されています。
デジタル音声広告のメリットは意外に多く、なかでも、リスナーに嫌がられる度合いが低いこと、そして、動画と異なり広告がスキップされにくいことは注目すべき点です。
デメリットは、音声メディア自体がまだ成長過程にあるため、ユーザー数が少なく広告を掲載しても届けられる人が限られる点です。
メール広告
【メール広告の特徴】
ターゲット層 | 顕在層(今すぐ客)〜顧客層(既存顧客) |
課金方法 | 配信数型課金 |
メリット | ◎顕在層向けのためターゲティングが上手ければ成果を得やすい ◎ユーザーのタイミングで広告を見れる |
デメリット | ◎開封されなければ見てもらえない ◎他のWeb広告に比べて効果が低い傾向 |
こんな企業におすすめ | ◎既存顧客にクロスセルしたい ◎既存顧客のリピートを強化したい |
メール広告(メルマガ広告)とは、メールに広告を掲載する手法で、下記の2種類があります。
- メールマガジンに広告を掲載⇒メルマガの一部に広告を載せる
- 広告メール⇒メールの内容がすべて広告になっている
メールはすでに接点がある顧客に配信するものなので、メール広告は自社の商材をすでに知っている人や、買ったことがある人に向けた施策になります。
メール広告のメリットは、ターゲティングが正確にできると費用対効果が高いこと、そして、メール内に掲載された広告のためメールを消去しなければいつでも見られることです。
デメリットは、メールを開封されなければ広告も見てもらうことができないことや、他のWeb広告と比較すると効果を得られにくくなっていることが挙げられます。
6. Web広告の課金方式【一覧】
Web広告の課金方式は、大まかに次の7つです。
◎クリック課金(CPC)
- 広告がクリックされた時に料金が発生する
- つまり、表示されただけでは料金はかからない
- Web広告で最も一般的な課金方法
- 主な広告→リスティング広告、ディスプレイ広告の一部、リターゲティング広告の一部、SNS広告の一部
◎インプレッション課金(CPM)
- 広告が1,000回表示されるごとに料金が発生する
- 1,000回の表示ごとに料金がかかるためクリック率を高めることが重要
- 主な広告→ディスプレイ広告の一部、リターゲティング広告の一部、SNS広告の一部、ネイティブ広告の一部
◎エンゲージメント課金(CPE)
- ユーザーが広告に対してエンゲージメント(例・SNS広告のいいね、シェアなどの反応)をした時点で料金が発生する
- 主な広告→ディスプレイ広告の一部、SNS広告の一部
◎視聴課金(CPV)
- 動画広告を一定時間視聴すると料金が発生する
- 1再生ごとに料金が発生するものと、最後まで再生された時に料金が発生するものの2つの課金形態がある
- なお、YouTube広告では様々な課金方法がある
- 主な広告→動画広告
◎成果報酬課金(PPA)
- 事前に設定したKPIを達成した時に料金が発生する
- 主な広告→アフィリエイト広告
◎掲載期間保証型課金(CPD)
- 期間保証型や保証型と呼ばれることもある
- 一定期間の広告枠を買い取り、その期間に応じて料金が発生する
- 主な広告→純広告
◎配信数型課金
- 配信先の数によって料金が変動する広告
- 主な広告→メール広告
7. 効果的なWeb広告運用の手順|基本4ステップ
本章では、Web広告を効果的に運用する「基本4ステップ」をご紹介します。
Web広告の効果的な運用方法の手順は、
- Web広告の「目的」を明確にする
- 「どんな人に」「何を見ている時に」「何を伝えるか」を決める
- 顧客目線で広告を設計する
- 目標値を設定する
この4ステップが広告運用の基礎となります。
この基本の手順をしっかり実施することにより、広告の効果を確実に高められますので、本章でくわしく解説していきます。
①Web広告を運用する目的を明確にする
Webマーケティングには様々な施策がありますが、自社がWeb広告施策を実施する「目的」をはっきりさせましょう。
理由は、「目的」に応じて、ターゲット層は異なり、選ぶべきWeb広告施策も変わるためです。
たとえば、「認知拡大」が目的の場合には、ターゲットは、自社の商品を知らない人&興味がない人(つまり、無関心層)となり、このユーザー層に見てもらえるWeb広告を選択すべきです。「SNS広告」「動画広告」「純広告」などが該当します。
「購入促進」が目的であれば、自社の商品をすでに知っている人や検索したことがある人(つまり、顕在層)がターゲットとなるため、「リスティング広告」「ディスプレイ広告」「リターゲティング広告」などを選択します。
また、広告出稿にかかる費用は決して少なくないため、中小企業にとっては大きな痛手になるケースもあります。広告施策よりも優先すべき施策がないかを見極め、検討してください。
「広告より他に優先すべき施策がないか?」を見極めるには、まずは自社の現状把握を行いましょう。
②「どんな人に」「何を見ている時に」「どんなことを伝えるか」を明らかにする
Web広告は細かなターゲティングができる施策です。「誰に何を伝えたいか?」を最初に明確にしておきましょう。
ターゲットの明確化は、一見重要そうに感じられないかもしれませんが、「どんな人に、何を伝えるか?」がはっきりしていないと、このあとの工程である「広告の設計」が的確にできません。
ターゲットの明確化については、後ほどの「8-3. 広告を届ける「顧客の具体的な姿」をイメージする」で深掘りして解説していますので、そちらもご参考ください。
③顧客目線で広告を設計する
広告は設計が非常に重要です。顧客の「思考」と「行動」に着目し、顧客の行動にあわせた広告を選定します。
ユーザーの行動の過程で、どんな広告を見せて、どんな体験を実現していくか?を考え抜くことがポイントです。
◎コツは「顧客の行動」を詳細にイメージすること
顧客目線で広告を設計するには、顧客の「思考と行動」を細部まで想像することが欠かせません。
顧客の行動観察やヒアリングは有効ですが、「自分自身の行動」や「身近な友人・知人の行動」を想定する方法は、すぐに着手でき、細部をイメージしやすいためおすすめです。
【顧客行動にそった広告設計の例】
顧客の行動
性能が良くて安いノートパソコンが欲しい |
↓・・・・・・・・検索広告(リスティング広告)
↓
「ノートパソコン 高性能 安い」で検索 |
↓・・・・・・・・アフィリエイト広告
↓
比較サイトでノートパソコンのページをチェック |
↓・・・・・・・・SNS広告
↓
SNSで口コミをチェック |
↓・・・・・・・・ディスプレイ広告
↓
商品の公式サイトを確認 |
たとえば、上記のように購入を検討している段階の人は、検索行動を行います。
一般的なビジネスパーソン向けの商品であれば、Googleのような検索エンジンを使用して検索すると想定され、アパレルやコスメ、若年層向けの商材であればSNSから検索するでしょう。
検索するユーザーの行動を詳細にイメージしたうえで、「どんな言葉で検索するのか?」「どういったコピーや画像に魅力を感じて広告をクリックするのか?」といったところまで想像していきます。
こういった、ユーザーの思考と行動を詳細にイメージし、広告のタッチポイント(接触)を設計していきます。
④目標値を設定する
広告運用で達成したいKGI(ゴール)と、その過程のKPI(指標)を数値で設定しましょう。
到達したい目標に対して、KPIを正しく設定するのがポイントとなります。
Web広告運用のKPIでよく用いられる指標は、「CPA」という指標です。
CPAとは簡単にいうと、「商品が1つ売れるのにかかった費用」や「コンバージョンを1件獲得するのにかかった費用」を指します。Web広告の目的に沿った、正しいCPA設定が求められます。
8. 【中小企業向け】Web広告の効果を高める運用方法
Web広告の効果を高める運用ポイントは、
- ニーズが顕在化した顧客をつかむ広告を優先する
- 事業を拡大する時には潜在層にアプローチできる広告を
- 広告を届ける「顧客の具体的な姿」をイメージする
の3つです。ひとつずつ解説していきます。
ニーズが顕在化した顧客をつかむ広告を優先する
Web広告で売上を上げたいなら、購入に近い施策から着手し運用するのが鉄則です。購入に近い施策とは、ニーズが顕在化した「購入直前の顧客」向けの施策を指します。具体的には、リスティング広告やアフィリエイト広告、リターゲティング広告などです。
ニーズが顕在化した「今すぐ客」のユーザー行動と施策の例をあげてみます。
【ニーズが顕在化した顧客の行動と施策の例】
ユーザー行動 | 代表的な広告施策 |
---|---|
・ニーズが顕在化しているため自ら検索をする(Google検索、SNS検索など) ・比較サイトをチェック | リスティング広告 SNS広告 アフィリエイト広告 |
・商品を実際に使用した人の口コミや記事を読む | アフィリエイト広告 SNS広告 |
・リスティング広告をクリックし、企業の公式サイトやECサイト、LPを閲覧 | リターゲティング広告 |
事業を拡大する時には潜在層にアプローチできる広告を
事業拡大の際には、前項でふれた「今すぐ客」への広告施策で短期の売上を確保するとともに、中長期の施策として「未来のお客さま(潜在層)」を増やす広告施策を並行して実施します。
未来の顧客(無関心層)や、まだまだ客(潜在層)への広告施策には、SNS広告、ディスプレイ広告、動画広告、純広告などがあります。
中小企業は短期の施策だけに集中せざるをえない時期も多いかと思いますが、余力がある時は、可能な範囲で中長期の施策も同時に走らせ、商品やサービスを知らないユーザー層の認知獲得に取り組みましょう。
広告を届ける「顧客の具体的な姿」をイメージする
広告を届ける相手、つまり、「顧客の具体的な姿」を描けることができれば、広告の効果はさらに高まります。
広告の特徴をふまえて「その広告で何かできるか?」を考え、「ターゲットとなる人はどんな行動をとるのか?」を具体的にイメージしていきます。
◎「顧客の具体的な姿」とは?
たとえば、あなたの会社がウォーターサーバーを提供する企業で、「顕在層(今すぐ客)の獲得」をしたいとします。
まず、ウォーターサーバー購入の必要性にせまられている人は、検索行動をすると考えられます。
ウォーターサーバーを検索する人は、「起業しオフィスにウォーターサーバーが必要な人」「ダイエット目的で自宅にウォーターサーバーを置きたい人」「赤ちゃんのミルクを作るためにウォーターサーバーが必要なママ」などさまざまで、それぞれ検索行動も検索ワードも異なりますよね。
上記のような異なるニーズをひとつの商材に着地させることができる広告に、リスティング広告があります。なぜなら、リスティング広告は検索ワードごとに異なる広告文を表示できるためです。
また、ディスプレイ広告やSNS広告では、属性ごとにさらに精度を高めてターゲティングできます。
このように、それぞれの広告でできることを把握しておくと広告の成果をあげられます。
◎顧客視点で考え抜く
前述したウォーターサーバーの例のように、ひとつのサービスでも、さまざまな顧客が存在します。
「顧客の具体的な姿」をイメージすることで、顧客ごとのライフスタイルや日常の行動、よく見るサイトやSNSなどが想定でき、「どの広告を、何を見ている時に、どんなクリエイティブで表示させれればよいか?」までイメージできます。
繰り返しになりますが、顧客のことを徹底して考え抜きましょう。
自社の商材を「どこで、どう知ってもらいたいか」を、顧客視点で深く考えることが大切ですが、ここをやりきっていない企業は多いです。
これができれば、広告運用の効果を得られますので、ぜひ顧客の具体的な姿を詳細にイメージし、広告運用をしてください。
9. Web広告を運用する際の注意点
広告は「最初の顧客体験」になることを心に留めておく
広告は顧客との最初の接点になることが多く、顧客体験の「入り口」といえます。
第1印象で好き嫌いが決まることを「初頭効果」とよび、広告ではこの初頭効果を有効に活かすことが望ましいです。
つまり、顧客の最初の接点となる広告で、良い体験をしてもらうことが大切で、広告でも自社の良さを体験できるよう設計する必要があります。
最初の顧客体験を考慮した設計ができていないと、最初に悪い印象を与えかねません。
最初に印象が悪かったものを、あとから好印象に変えることは非常に難しく、その後のコミュニケーションをどんなに工夫しても顧客獲得やリピートにはつながりにくくなる、ということを覚えておきましょう。
10. まとめ
最後に、本記事で解説してきた「Web広告」についてまとめます。
Web広告の種類は、下記の13種類です。
- リスティング広告
- アフィリエイト広告
- ディスプレイ広告
- アドネットワーク広告・DSP
- リターゲティング広告
- 純広告
- ネイティブ広告
- 記事広告・タイアップ広告
- SNS広告
- 動画広告・YouTube広告
- リワード広告
- デジタル音声広告
- メール広告
中小企業がWeb広告の効果を高めるためには、
- Web広告の「目的」を明確にする
- 「どんな人に」「何を見ている時に」「何を伝えるか」を明確にする
- 顧客目線で広告を設計する
- 目標値(KPI)を設定する
上記の「広告運用の基本4つ」をおさえ、ニーズが顕在化した顧客をつかむ広告(リスティング広告、リターゲティング広告、アフィリエイト広告など)を優先しましょう。
以上が本記事のまとめです。
「Web広告を運用したいが適任者がいない」「自社が優先すべきWeb広告を知りたい」「とにかく早くWeb広告の効果を出したい」といったお悩みを抱えている場合には、ぜひ弊社までご相談ください。