「リスティング広告とは何か?」
「リスティング広告の仕組みやメリットを知りたい」
「リスティング広告を導入すべき企業はどんな企業?」
本記事ではこのような初心者の方に向けて、「リスティング広告の基礎知識」を幅広く解説していきます。
実は、企業が収益を上げたい場合、真っ先に検討すべきはリスティング広告です。
なぜなら、リスティング広告は「購入直前の顧客」に向けた施策なので、購入や申し込みといったコンバージョンにつながりやすいためです。
では、さっそくリスティング広告を解説していきます!
1. リスティング広告とは
リスティング広告とは、ユーザーが検索エンジンで検索したキーワードに連動して表示される、テキスト形式の広告のことです。
検索結果に連動して掲載されるため、「検索連動型広告」とも呼ばれます。
リスティング広告の特徴は、ニーズが顕在化した検索行動を自ら行うユーザーに表示される点です。
こういったニーズが顕在化しているユーザーは、欲しい商品やサービスを自覚している「購入直前の顧客」にあたるため、リスティング広告は購入やお問い合わせ(CV)につながりやすい施策といえます。
リスティング広告が掲載される場所

GoogleやYahoo!といった検索エンジンでキーワード検索をかけた際、検索結果のページ上部に表示されるのがリスティング広告です。
リスティング広告は1〜4枠掲載され、さらに、検索キーワードによっては下部にも1〜3枠掲載されます。
リスティング広告の見分け方としては、左上部に『広告』と書いてあるものがリスティング広告に該当します。
リスティング広告の主媒体はGoogleとYahoo!
リスティング広告を掲載する主な媒体に、「Google広告」と「Yahoo!広告」があります。

国内では、リスティング広告はこのGoogle広告とYahoo!広告の2つが高いシェア率を占めています。
よって、リスティング広告を出稿する場合には、Google広告かYahoo!広告のいずれかを利用するケースが多いです。
Google広告とYahoo!広告は、強みや出稿規定、機能などがそれぞれ異なりますのでくわしくは下記記事をご参考ください。
リスティング広告の掲載フォーマット
リスティング広告が掲載されるフォーマットには複数のパターンが存在します。
見え方はさまざまで、入稿した見出しや説明文の一部分のみが表示される場合、広告表示オプションまで加わって表示される場合などがあります。

上の掲載フォーマットの場合は、上から順に、
「①リンク先のURL」
「②広告見出し(タイトル)」
「③説明文」※
※本記事内の画像にある③の位置には、説明文のみならず広告表示オプションも含まれています
の3つで構成されています。
「②広告見出し(タイトル)」と「③説明文」では、使用できる文字数が決まっていることに加え、使用できない記号や文字、訴求表現(たとえば、「日本一」など)もあります。
実際に広告見出しや説明文を作成する段階になったら、Google広告・Yahoo!広告の公式ページにて、ポリシーおよび掲載基準を確認しましょう。
参考:Google広告のポリシー
Yahoo!広告|広告掲載基準
2. リスティング広告の仕組み
①広告が表示されるまでの仕組み

リスティング広告が表示されるまでの仕組みを簡単に表すと、
- 広告主が広告を出稿
- ユーザーが検索エンジンで検索
- オークションが発生
- 検索結果に広告が表示される
という流れになっています。
◎オークションとは何?
リスティング広告におけるオークションとは、GoogleやYahoo!が特定の検索キーワードに対し、掲載する広告とどういった順番で掲載するかを決定することを指します。
こういったリスティング広告のオークションは、ユーザーが検索するたびに行われます。また、リスティング広告を出稿したからといって検索されるたびに必ず上位に掲載されるとは限りません。
掲載順位(上位表示)が決まる仕組みについては次の項で解説します。
②掲載順位が決まる仕組み
リスティング広告が掲載される順位は『広告ランク(広告の品質)』で決まります。
つまり、検索結果「上位1〜4枠」に掲載されているリスティング広告は、広告ランク(広告の品質)が高い順で表示されているのです。
広告の品質を見極める上で重要視されるのが、『入札価格』と『品質スコア』というもの。これら2つの基準をもとに広告ランクが決まります。
◎「広告ランク」を算出する計算式とは?
広告ランク=入札単価(上限クリック単価)×品質スコア
といった計算式で算出されたものが、広告のランクの値です。
入札単価を高くすれば広告ランクと掲載順位が上がるとは限りません。
逆に、品質スコアを高めることで入札単価を低くおさえて運用できるとも言えます。
品質スコアは、検索したユーザーの意図と広告が合っているか、広告の遷移先となるランディングページが合っているかなど、さまざまな要素で評価される仕組みです。
【品質スコアを上げるための方法】
◎推定クリック率の改善
推定クリック率とは、あるキーワードが、どのくらいクリックされる可能性があるか、クリックされる広告につながるか。過去の掲載結果、現在の表示回数やクリックを参考に、これから(未来)のクリック率を予測しています。
クリックしたいと思わせるような広告にするために効果的な例としては、実績などの具体的な数字やメリットなどを含め強調するといったことが挙げられます。
◎ランディングページの利便性を改善
ここで言うランディングページとは、広告をクリックした際に遷移先となるページのことで、「LP」と訳されることも多いです。
ランディングページの利便性の改善策としては、スマホでも見れるように最適化を図るなどがありますが、広告から遷移することを考えると検索キーワードとの関連性を高めることも大事です。
◎広告との関連性を改善
ユーザーが検索した意図と広告との関連性が重要です。ユーザーが検索したキーワードがタイトルに含まれていると15%、タイトルと説明文の両方に検索ワードが含まれていると68%、それぞれクリック率がアップするとGoogleの開示しているデータでわかっています。
そうした、キーワードと広告文の関連性も考慮すると広告グループを作成するときの分け方も大切になってきます。同じ広告文を使う場合は、同じ広告グループ内で管理するなど見直してみましょう。
③単価が決まる仕組み
リスティング広告のクリック単価は、「自社広告直下の広告ランク」の影響を受けて決まる仕組みになっています。

少しややこしいのですが、実際のクリック単価は「上限クリック単価を基軸」として、自社広告直下の広告ランクの影響を受け決まります。
この仕組みはやや難しく、実際にリスティング広告を運用してみないとピンとこないと思いますので、「広告の品質を上げると、クリック単価を下げられる可能性が高くなる」と覚えておけば大丈夫です。
3. リスティング広告の費用は?
中小企業の費用相場は月10〜20万円
リスティング広告の費用相場は、中小企業の場合、まずは月10〜20万円の予算を確保できればよいでしょう。
そして、成果が出てきた段階で月30〜50万円に予算を増やすケースが多いです。
クリック課金制
リスティング広告は、ユーザーが広告をクリックした時だけ料金が発生する「クリック課金制」です。
クリック課金制のメリットは、広告がクリックされなければ費用が発生しない(検索結果に掲載されただけでは費用はかからない)点です。
1クリックあたりの広告費用は、自分で決められます。ただし、設定した料金が低すぎる場合には広告が表示されないため注意しましょう。
基本的には1クリックあたりの費用には相場があり、金額はジャンルや時期によっても異なります。
リスティング広告の予算は自分でコントロールできる
リスティング広告の予算は、自由に設定が可能です。
「月の予算」「1日あたりの予算」などの設定した金額を、あとから調整もできるので、運用状況を見ながら柔軟に進められます。
「リスティング広告を始める際の費用の決め方」や「リスティング広告費用を抑える方法」については、下記記事でくわしく解説していますのでご参考ください。
4. リスティング広告のメリット
リスティング広告の主なメリットは、
- 初心者でも低予算で出稿できる
- 中長期的な施策に比べ、即効性がある
- 「今すぐ客」をターゲットとするため成果が得られやすい
- 状況確認がいつでもできて効果測定がしやすい
- 配信の開始・変更・停止をすぐに実行できる
この5つです。
運用するにあたり、知っておきたいリスティング広告の強みを解説します。
①初心者でも低予算で出稿できる
リスティング広告は、低予算から手軽に試せる広告です。
予算は自由にコントロールできるため、予算が大幅にかかってしまったといった失敗が起こらない点も安心です。
リスティング広告の初心者の方も、お試しでやってみることで、この運用を無理なく続けていけるか、相性が良いのかどうかを知ることができます。
また、予算はどこまでなら出せそうなのかなどの目安を知ることもできるでしょう。はじめから高額の費用が必要でない分、どんな方でも挑戦しやすいのです。
②中長期的な施策に比べ、即効性がある
リスティング広告は検索結果の上位に掲載できるため、比較的早く成果が得られる施策です。
SEOやコンテンツマーケティングのような中長期的な施策では、目立つ位置に上位表示されるまでにある程度時間がかかるのに対し、リスティング広告はWebサイトやLPがあれば、数日で配信できます。
それほど時間をかけず、上位表示が可能なので、短期間で成果を求めるのであればリスティング広告の活用をおすすめします。
③「今すぐ客」をターゲットとするため成果が得られやすい
リスティング広告は、購買意欲が高まっている「今すぐ客」をターゲットとする広告なので、購入やお問い合わせといった成果につながりやすいです。
また、リスティング広告は、ターゲット(検索ユーザー)を細かく絞り込むことで、よりニーズに合った広告を表示することが可能です。
たとえば、予算に余裕があれば、より集客効果の高いキーワードを設定することで、成果につながりやすくなるでしょう。効果的にアプローチできるため、効率の良い運用が期待できます。
④状況確認がいつでもできて効果測定がしやすい
リスティング広告は、いつでもリアルタイムで運営状況が確認できます。
効果測定により過去の施策結果を可視化できるので、改善に向けた対策が可能です。
「かけた費用に対してどれだけの成果が出せるのか?」といったことを経過を確認しながら運用し、PDCAサイクルを回していけば確実に成果が得られます。この点はリスティング広告の大きな利点です。
リスティング広告は、いつでもリアルタイムで運営状況が確認できます。効果測定を行って過去の施策結果も可視化できることで、改善に向けた対策が可能です。
⑤配信の開始・変更・停止をすぐに実行できる
先にも述べたように、リスティング広告はすぐに配信をスタートでき、専用の管理画面から内容の変更や配信停止などを自由に行えます。
こういった変更や停止はリアルタイムで反映されるため、改善のスピードも早くなり運用効率も上がります。
5. リスティング広告のデメリット
前の章で多くのメリットを解説しましたが、もちろん少なからずデメリットもあります。
リスティング広告のデメリットで特筆すべき点は、次の5つです。
- 少なからず費用がかかる
- 自分で運用するには時間と知識が必要
- 検索しないユーザー(潜在層)にはアプローチできない
- 視覚的な訴求はできない
- 競合が多いとクリック単価が高くなる
メリットとデメリットの両方をきちんと踏まえた上で運用に活かしましょう。
①少なからず費用がかかる
費用面では、下限上限の縛りはありませんが、広告の掲載を継続するためには毎月費用がかかることは念頭に置いておきましょう。
また、予算が少なかった場合は改善が難しくなるケースもあるため、ある程度予算の確保は必要です。
②自分で運用するには時間と知識が必要
初心者の方がリスティング広告の運用を自分で行うには、『運用の知識をある程度身につけておくこと』が必要となります。
また、広告運用のスキルは実際に運用してみて、身についてくるものなので、成果がついてくるまでには一定の時間も必要になってきます。
さらに、Web広告業界の情報は常にアップデートされていくため、定期的な知識のアップデートも欠かせません。
常に新しい情報にアンテナを張りつつ、運用をし続けるのは初心者の方には大変なことですので、場合によっては専門家にお任せすることもひとつの選択肢として検討しましょう。
③検索しないユーザー(潜在層)にはアプローチできない
リスティング広告はユーザーがキーワード検索を行った際に効果を発揮する施策です。
つまり、検索行動をしない「潜在層」へのアプローチはできません。
「そのうち客」や「まだまだ客」といった潜在層にアプローチして見込み顧客を増やしたい場合には、ディスプレイ広告やSNS広告といった潜在層向けのWeb広告を検討しましょう。
④視覚的な訴求はできない
リスティング広告は、「テキストのみ」で構成される広告です。
ビジュアルとテキストで訴求できるバナー広告やSNS広告のような、視覚的なアプローチはできません。
視覚的な訴求に向く商品(たとえば、アパレル・グルメ・新車など)は、写真や動画といったビジュアルを活用する広告を選択したほうがよいでしょう。
⑤競合が多いとクリック単価が高くなる
リスティング広告では、人気がある競合の多いキーワードは、オークションにより1クリックあたりの単価が高くなるため、キーワードやジャンルによっては全体の費用が高くなるケースが多いです。
もしあなたの企業が、競合が多いキーワード単価の高いジャンルの商材を扱っている場合は、Web集客をリスティング広告だけに絞らず、SEO対策やメールマーケティングといった他の施策も組みあわせて運用することをおすすめします。
6. リスティング広告と自然検索(SEO)との違い
検索結果のページで上位表示させる方法として、リスティング広告の他にSEOと呼ばれるものがあります。
この2つは、検索結果ページからの集客をするものとしては同じですが、その本質には違いがあります。
ここではどのような違いがあるのかをご説明していきます。
◎そもそもSEOとは?
SEO(自然検索)は、検索エンジン最適化とも呼ばれています。
検索しているユーザーにとって役立つコンテンツがある、と検索エンジンに評価されることで、ほかのサイトよりも上位に表示されます。

自然検索で上位に表示されるためには、検索によるユーザーのニーズを想定してコンテンツを作成する必要があり、検索結果のページの上位表示されるまでの労力・時間がかかります。
また、アルゴリズムの変動により検索結果の状態も定期的に変化するため、随時アップデートし対応し続けることが必要です。
ですが、コンテンツは1度作成してしまえば蓄積され残り続けるものになりますので、中長期の視点で見るとコストパフォーマンスのよいものと言えます。
◎【比較表】リスティング広告とSEOの違い

リスティング広告を選ぶメリットは、「即効性がある」「確実に表示される」ことで、デメリットは、継続して上位表示させるには費用(運用コストを含む)がかかり続けることと、ブランディング効果は期待できない点です。
対して、SEOを選ぶメリットは、「中長期的に費用対効果が高まる」「資産性が高い(ブランディング効果がある)」ことで、デメリットは、上位表示までには数カ月の時間を要することや、柔軟性が低い(対策ワードの変更ができない)点が挙げられます。
◎クリックされる確率の違いは?
一般的に、SEO(自然検索)のクリックされる確率は、掲載されている順位によって大きく異なります。
つまり、上位にランクインされているほど、クリック率が高くなるといえるでしょう。
ちなみに、検索順位1位が20%強に対し2位は10%前後と、その確率の差は2倍!さらに下位になればなるほど、クリックされる確率も低くなっていきます。
リスティング広告においては、一概にどのジャンルのクリック率が高いとは言いきれませんが、自然検索と比べるとクリック率のコントロールがしやすいです。
クリック率を上げるために、キーワードや広告文を調整することはもちろんのこと、予算の消費具合から掲載順位を落とす(クリック率も下がる)といったような部分もコントロールできます。
このように、リスティング広告とSEOはそれぞれ異なるメリットや特性を持つため、これら2つの施策は並行して取り組むことが理想です。
7. リスティング広告と他のWeb広告との違い
Web広告にはリスティング広告以外にも、ディスプレイ広告やSNS広告、リターゲティング広告などさまざまな施策が存在し、それぞれ特性が異なります。
リスティング広告との違いが明確な代表的なWeb広告をピックアップして比較してみました。

上の表から分かるように、配信するターゲット層が違うため、「短期的な売上アップにはリスティング広告」「認知拡大にはSNS広告」のように目的によって広告施策は変わってきます。
Web広告は10種類以上存在するため、それぞれの特徴をおさえて目的にあった広告を選べるとよいでしょう。
Web広告の基本については下記記事で解説していますのでご参考ください。
8. リスティング広告を導入すべき企業とは?
「うちの会社はリスティング広告をやった方がいいのか?」と導入の判断基準が分からない方は多いかと思います。ここではリスティング広告を導入すべき企業を解説していきます。
下記に該当する方は、リスティング広告を導入すべき企業といえます。
- リスティング広告と相性がよい商材をあつかう企業
- 競合他社がリスティング広告を出稿している企業
- 短期的な成果(購入/お問い合わせ)が欲しい企業
順番にご説明していきます。
リスティング広告と相性がよい商材をあつかう企業
実はリスティング広告には相性の良し悪しがあり、「リスティング広告に向く商材」と「リスティング広告に向かない商材」が存在します。
【リスティング広告に向く商材】 ・不動産関連のように、客単価が高い&粗利も高い商材 ・化粧品やサプリ(健康食品)のように、リピートして購入される商材 ・AGAや美容整形、カードローンのように、悩みの度合いが深い商材 ・お中元やお歳暮のように、急ぎのニーズが高い商材 |
【リスティング広告に向かない商材】 ・単価が安い商材 ・リピートされにくい商材 ・ほとんど認知されていないニッチな商材 ・類似する商品が多く、他社のものでも代わりがきく商材 |
上記の【リスティング広告に向く商材】に該当する企業は、リスティング広告を検討できるとよいでしょう。
リスティング広告に向かない商材であっても、戦略によっては成果が得られる商材や企業もあります。
リスティング広告に向かない商材を扱う企業が、リスティング広告を検討する際には、自社商材の特性や優位性を的確に把握し、競合のリサーチを行った上で戦略を立てることをおすすめします。
競合他社がリスティング広告を出稿している企業
競合他社がリピートしてリスティング広告を配信している場合、リスティング広告で成果を得ている可能性が非常に高いです。
まずは、複数のキーワードで検索を行い、競合他社のリスティング広告の出稿状況をリサーチしてみましょう。
特に、中長期間において競合がリスティング広告をリピートして配信している場合には、リスティング広告を導入した方がよいケースが多いです。
短期的な成果(購入/お問い合わせ)が欲しい企業
リスティング広告は、ニーズが表面化した「顕在層」に向けた広告なので、短期的に売上を伸ばしたい企業は真っ先に検討したほうが良い施策といえます。
顕在層のユーザーは、自身のニーズに気付いて自ら検索行動を起こしているため、こういった層をターゲットとするリスティング広告はコンバージョンしやすいのです。
9. 【図解】リスティング広告の始め方(運用方法)
ここでは、リスティング広告の始め方を5ステップで解説していきます。
最初に、リスティング広告の運用方法の全体像を頭に入れておきましょう。

①まずは、リスティング広告の「アカウント構造」を理解しよう
先に、リスティング広告の「アカウント構造」を知っておくと、理解がスムーズです。
下記のイラストのように、リスティング広告のアカウント構造は、「アカウント」「キャンペーン」「広告グループ」「キーワード」「広告文」の5つから成り立っています。

これら5つのそれぞれの要素を作成(または設定)して、リスティング広告を出稿できる状態にしていきます。
②アカウントを作成する
まず、Google広告やYahoo広告でアカウントを作成しましょう。
アカウントを作成すると、広告の出稿や予算の管理などができるようになります。
前項のイラストでご確認いただいたように、アカウントの下層は、「キャンペーン」「広告グループ」「キーワード」「広告文」という4つの要素で構成されます。
③配信条件を設定する
アカウント作成ができたら、「キャンペーン」と「広告グループ」を作成します。
◎キャンペーン
キャンペーンには多数の設定項目がありますが、イメージしやすいものでいうとコンテンツの配信スケジュールや配信地域などを設定することができます。また、配信可能なデバイスの設定もキャンペーンで行います。
◎広告グループ
広告グループは、同じテーマやカテゴリをもつ、キーワード・広告文をまとめたものです。
ひとつのキャンペーンの中に、複数の広告グループを作成することができるので、ターゲティングを複数に分けて運用する際にも便利です。
入札単価の調整、上限クリック単価の設定もこの広告グループで行います。
④キーワードを設定する
続いて、各広告グループ内で、キーワードを設定します。
ここで設定したキーワードをもとに、ユーザーの検索している語句に対して広告を配信するかが決まります。広告配信後に、配信状況をみたうえでキーワードの追加や除外、削除も可能です。
キーワードの設定は非常に大切な工程で、ユーザーがどのようなキーワードで検索を行い、商品やサービスの購入や申し込みにどうつながっていくのか?を考えて設計する必要があります。
キーワードの決め方については、下記の記事でくわしくご紹介していますので参考にしてみてください。
⑤広告文を作成し入稿する
キーワードと同様に、各広告グループ内で広告文を設定します。
広告文とは、実際にユーザーが検索したときに検索結果に表示されるものであり、ひとつの広告グループ内に複数の広告文を用意することができます。
タイトルや説明文に加え、広告をクリックしたときの遷移先となるURLの設定を行えます。
ユーザーに広告をクリックしてもらえるよう、重要なキーワードを含めたり、他社の広告文を調査したりなど、工夫が必要とされる工程です。
そんな広告文の作り方については、下記の記事でくわしくご紹介しています。
10. 【中小企業】リスティング広告を成功させるポイント3つ
中小企業がリスティング広告を成功させるにはコツがあります。
リスティング広告を成功させる重要ポイントは、
- 目的に沿ったKGI・KPIの策定
- 自社の強みを広告文に落とし込む
- ロングテールキーワードにも注力する
の3つです。
ひとつずつ解説していきます。
①目的に沿ったKGI・KPIの策定
リスティング広告の運用を成功させるためには、最初に目的を明確にし、その目的に沿ったKGI・KPIを策定して施策を実施する、というステップが欠かせません。
広告配信をしていくなかで、知らず知らずのうちに本来の目的からそれてしまうケースも多いです。目的とゴール設定を明確にしておくことで、進むべき方向性を見誤ることがなくなり、効率的に進められます。
特に、中小企業はリソースの限られていますので、この工程を飛ばさずにきっちり行ってからリスティング広告を導入してください。
◎目的を明確にするには?
自社が抱える課題から目的を導き出せるので、まずは自社の現状を把握し、課題を抽出しましょう。
【課題と目的の例】
- 課題…お問い合わせ数はあるが、成約につながる件数が少ない
- リスティング広告の目的…成約率の高いユーザーから成約(CV)を獲得する
目的を明確にするのと同時に、広告を届けるターゲットの状況を整理して広告施策の土台を固めます。
【ターゲットの状況を整理しよう】
「誰に?(Who)」
「いつ?(When)」
「どこで?(Where)」
「何を?(What)」
「なぜ?(Why)」
「どんなふうに?(How)」
「いつ?(When)」
◎目的に沿ったゴール策定とは?
ゴール(KGI)は、目的から逆算して策定します。たとえば、上に挙げた例でいうと、目的が「成約率の高いユーザーからのCV獲得」なので、ゴールは「売上拡大」です。
広告のゴール設定は、数値で設定するのが理想なので「売上を15%拡大する」といった数字に落とし込みます。
数値でKGIを設定したら、そこから達成可能なKPI(中間指標)を複数導き出しましょう。
②自社の強みを広告文に落とし込む
競合他社もリスティング広告を配信しているケースが多いので、広告文には自社の強みを落とし込み、明確な差別化をしましょう。
自社の強み(優位性)を明確にするには、自社と競合を客観的な視点で分析します。
分析の際には、3C分析やPEST分析といった基本的なフレームワークを活用するのがおすすめです。これらフレームワークは下記記事で解説していますのでご活用ください。
③ロングテールキーワードにも注力する
ロングテールキーワードとは、3語以上のキーワードを組み合わせたキーワードのことです。
ロングテールキーワードは、検索ボリュームは小さいものの、ビッグキーワードやミドルキーワードに比べるとニーズがはっきりしているのが特徴です。
ニーズが具体的ではっきりしているため、リスティング広告の成果につながりやすいキーワードも多く、中小企業こそロングテールキーワードには注力すべきといえるでしょう。
◎独自のキーワードも見つけていこう
ロングテールキーワードを検討することに加えて、競合他社が出稿していない自社だけのキーワードを見つけるのもコツです。
なぜなら、リスティング広告は競合との競争がネックなので、競争をしない、あるいは、競争から抜け出すためにも、独自の自社だけのキーワードを見つけていくのが大切になってきます。
自社だけのキーワードを見つけるには、前項で触れた「自社の強み」や「自社の特性」を把握しておくことが基盤となります。
11. リスティング広告の効果を最大化するコツとは?
リスティング広告を運用し始めると、「もっと効果を高めるには?」「費用対効果をあげるには?」といった悩みが出てきます。
リスティング広告の改善に際には効果を最大化するために、
- 効果の出やすいキーワードを優先する
- 出稿エリアを絞る
- 広告文を改善する
- クリック率を改善する
- ランディングページを改善する
の5つを意識しましょう。くわしく説明してまいります。
11-1. 効果の出やすいキーワードを優先する
リスティング広告は、効果の出やすいキーワード、つまり、コンバージョンしやすいキーワードから優先的に試していきましょう。
コンバージョンしやすいキーワードを優先することで、費用対効果を高められます。
【コンバージョンの見込みが高いキーワードとは?】

コンバージョンしやすいキーワードは、ユーザーを「認知顧客」「見込み顧客」「潜在顧客」に分けると導き出せます。
コンバージョンの可能性が高いキーワードは、一般的にニーズが限定的なキーワードとなり、自然と競合も減少する傾向があります。
11-2. 出稿エリアを絞る
リスティング広告では広告を配信するエリアを指定できるため、出稿エリアはむやみに増やさずできるだけ絞りましょう。
効果を最大化するには、限られた予算を成約率の高い地域に出稿することがカギになります。
11-3. 広告文を改善する
リスティング広告では広告文の改善が重要で、ダイレクトに成果に現れます。
広告文を改善する際には、
- 「キーワード」「広告文」「ランディングページ」につながりがあるか?
- 一連に一貫性は保たれているか?
という点に注意し、広告文の改善を行いましょう。
加えて、広告文の改善には「クリック率(CTR)」とクリックした遷移先での「コンバージョン率(CVR)」も指標となります。
クリック率の改善と、コンバージョン率の改善(ランディングページの改善)については、この後ご説明していきます。
11-4. クリック率を改善する
リスティング広告はユーザーに広告文を読んでもらうだけでなく、クリックしてもらう必要があるため、改善の際にはクリック率を高めることが大切になってきます。
クリック率を高めるには、広告文の工夫やキーワードを適切に選定するといった見直しをします。
くわしくは下記記事の「3. クリック率の改善に向けた6つの施策」にて解説していますのでご参考ください。
11-5. ランディングページを改善する
前項でふれた「クリック率」と同じくらい大切なのが、クリックしたリンクの飛び先となるランディングページを改善し、CVRを高めることです。
コンバージョンするかどうか?は、ランディングページの品質で決まります。ランディングページの品質を高める具体的な方法は、下記記事の「11-1.リスティング広告とLPを組み合わせる際のポイント」でくわしく解説していますので、ぜひご活用ください。
12. リスティング広告を運用する際の注意点
リスティング広告は配信して終わりではなく、効果測定と改善を繰り返していくことが欠かせません。
効果を定期的にチェックし、効果が得られない場合には、「原因はどこにあるのか?」を探り、PDCAサイクルをまわして運用していきましょう。
「リスティング広告の効果測定」や「効果がないと感じた時の対策方法」については下記記事をご参考ください。
13. まとめ
最後に、リスティング広告についてまとめます。
リスティング広告とは?
- ユーザーが検索したキーワードに連動して表示されるテキスト形式の広告のこと
- ニーズが顕在化した「今すぐ客」に向けた施策なので収益に直結する
リスティング広告で成果を得るには、「キーワード」→「広告文」→「ランディングページ」のつながりと一貫性が重要になってきます。
「自社にマッチするキーワードの選び方が分からない」「リスティング広告の成果を感じられない」という方は、リスティング広告運用の実績が多数あるわたしたちサンロフトまでお気軽にご相談ください。