企業でリスティング広告を活用しているところが増えてきていますが、「リスティング広告というワードは聞いたことがあるけれど、どのような仕組みになっているのかわからない…」という方は、少ならからずいるのではないでしょうか?
リスティング広告とは、Googleなどの検索エンジンの検索結果に連動して掲載される広告のことです。検索連動型広告とも呼ばれ、広告がクリックされると費用が発生するという仕組みになっています。
今回は、リスティング広告について初めて知る人や、もっとくわしく知りたい方のために「初心者だと、なかなか専門家の人に聞けない…」といった悩みを解消するべく、リスティング広告のアカウントや費用に関する仕組みなどについて解説したいと思います。
では、さっそく解説していきます!
1. リスティング広告の出稿に必要な要素と手順
リスティング広告のアカウント構造は、「アカウント」「キャンペーン」「広告グループ」「キーワード」「広告文」の5つから成り立っています。
ここでは、作成する流れに沿って、アカウントの仕組みとなる5つの要素を解説していきます。

① アカウント
まず、リスティング広告を出稿する際にはGoogle広告やYahoo広告でアカウントを作成します。
アカウントを使って、広告の出稿や予算の管理などを行います。
アカウントの下層には、「キャンペーン」「広告グループ」「キーワード」「広告文」という4つの要素があります。
② キャンペーン
アカウントの次に、キャンペーンを作成します。
キャンペーンには多数の設定項目がありますが、イメージしやすいものでいうとコンテンツの配信スケジュールや配信地域などを設定することができます。また、配信可能なデバイスの設定もキャンペーンで行います。
③ 広告グループ
各キャンペーンの下層に、広告グループを作成します。
広告グループは、同じテーマやカテゴリをもつ、キーワード・広告文をまとめたものになります。ひとつのキャンペーンの中に、複数の広告グループを作成することができるので、ターゲティングを複数に分けて運用する際にも便利です。
入札単価の調整、上限クリック単価の設定も行います。
④ キーワード
各広告グループ内で、キーワードを設定します。
ここで設定したキーワードをもとに、ユーザーの検索している語句に対して広告を配信するかが決まります。広告配信後にも、配信状況をみたうえでキーワードの追加や除外、削除ができます。
キーワードの設定は非常に大切な部分で、ユーザーがどのようなキーワードで検索を行い、商品やサービスの購入や申し込みにどう繋がっていくのか?を考えて設計する必要があります。
キーワードの決め方については、下記の記事でくわしくご紹介していますので参考にしてみてください。
⑤ 広告文
キーワードと同様に、各広告グループ内で広告文を設定します。
広告文とは、実際にユーザーが検索したときに検索結果に表示されるものであり、ひとつの広告グループ内に複数の広告文を用意することができます。タイトルや説明文に加え、広告をクリックしたときの遷移先となるURLの設定を行えます。
ユーザーに広告をクリックしてもらえるよう、重要なキーワードを含めたり、他社の広告文を調査したりなど、工夫をする必要があります。
そんな広告文の作り方については、下記の記事でくわしくご紹介しています。
2. リスティング広告の費用に関する仕組み
掲載される広告は入札によるオークション形式で決まる
ページ上に掲載される広告は、オークション形式で決定されます。
入札単価(上限クリック単価)と呼ばれる、「1回のクリックにつき、どれぐらいまで支払うのか」を決めて設定します。この価格設定によりオークションが行われ、実際に掲載される広告や掲載順位が決まっていきます。ただし、オークションはユーザーが検索をするたびに行われているので、掲載される広告や掲載順位は常に変動していることを覚えておきましょう。
一般的には、入札単価が高いほど広告の掲載順位が高くなると言われていますが、厳密に言えば広告の品質も影響してきます。
この、「質」を高めるためのポイントのひとつに「広告表示オプション」というものがあります。これは、広告文の下にテキストなどを追加表示できるもので、広告文だけでは説明しきれない情報を補足するようなイメージです。電話番号や特定のページへリンクさせることもできるので、使用することをおすすめしたい機能です。
費用はクリック課金方式で発生する
リスティング広告は、クリックするごとに費用がかかる「クリック課金制」となっています。
クリックあたりの金額の相場は広告にしたい商品やジャンル、市場規模などによっても変わるため、市場の相場が高いほどより多くの予算を見積もっておく必要があります。そのため、同じクリック数でも、1クリックあたりの単価によって必要な広告予算も変わってきます。
クリック単価がどの程度になるのかは「Googleキーワードプランナー」で調べることができるので、事前に一度試してみるというのもいいでしょう。
▶ Googleキーワードプランナー
3. 広告掲載順位とクリック単価の決まり方
掲載順位が決まる広告ランクとは?
Google広告を例にあげてみると、リスティング広告の掲載順位は「広告ランク」というものによって決まります。
広告ランク=入札単価(上限クリック単価)×品質スコア
といった計算式で算出されたものが、広告のランクの値です。
先にも述べましたが、入札単価を高くすれば広告ランクも上がり、掲載順位も上がる、とは限らないことがわかります。逆に、品質スコアを高めることで入札単価を低く抑えて運用することができるとも言えます。
広告ランクにとって重要な品質スコアは、検索したユーザーの意図と広告が合っているか、広告の遷移先となるランディングページが合っているかなど、ユーザーにとっての利便性を大切にしていることがわかる要素となっています。
クリック単価の決まり方
リスティング広告における「クリック単価」とは、広告の1クリックあたりの平均価格のことを指し、CPC(Cost Per Click)と呼ばれることもあります。クリック単価の計算式は広告費÷クリック数で表され、リスティング広告では費用対効果に関わる重要な部分です。
クリック単価の決まり方は、前の章でも書きましたがオークション形式で決まります。とは言っても、一般的なオークションから想像する入札金額だけを争うものではなく、「広告ランク」という指標で競うものです。
広告ランクの決定は、広告の品質(推定クリック率・広告の関連性・ランディングページの利便性など)、上限クリック単価、広告ランクの下限値などの効果の予測をもとにして広告ランクが決まります。そしてその「広告ランク」によって掲載順位が決まり、クリック単価は「掲載順位がひとつ下の競合他社の広告を上回るために最低限必要な金額」となります。
4. 広告ランクに影響する品質スコアの主な要素
リスティング広告の広告ランクを上げるためには、「品質スコア」というGoogle広告での広告の品質を表す基準のことで、1〜10段階の評価になっています。この品質スコアを上げることによって掲載順位を上げたり、安いクリック単価で集客をすることが可能となります。
品質スコアを上げるための方法
- 推定クリック率の改善
推定クリック率とは、あるキーワードが、どのくらいクリックされる可能性があるか、クリックされる広告につながるか。過去の掲載結果、現在の表示回数やクリックを参考に、これから(未来)のクリック率を予測しています。
クリックしたいと思わせるような広告にするために効果的な例としては、実績などの具体的な数字やメリットなどを含め強調するといったことが挙げられます。
- ランディングページの利便性を改善
ここで言うランディングページとは、広告をクリックした際に遷移先となるページのことで、「LP」と訳されることも多いです。
ランディングページの利便性の改善策としては、スマホでも見れるように最適化を図る、競合他社にはないオリジナルコンテンツをページに盛り込むなどありますが、広告から遷移することを考えると検索キーワードとの関連性を高めることも大事です。
- 広告との関連性を改善
ユーザーが検索した意図と広告との関連性が重要です。ユーザーが検索したキーワードがタイトルに含まれていると15%、タイトルと説明文の両方に検索ワードが含まれていると68%、それぞれクリック率がアップするとGoogleの開示しているデータでわかっています。
そうした、キーワードと広告文の関連性も考慮すると広告グループを作成するときの分け方も重要です。同じ広告文を使う場合は、同じ広告グループ内で管理するなど見直してみましょう。
5. リスティング広告とSEOの違いとは?
検索結果のページで上位表示させる方法として、リスティング広告の他にSEOと呼ばれるものがあります。この2つは、Webからの集客を目的とするものとしては同じですが、その方法には違いがあります。相互の特長を理解して、併用するのもいいでしょう。
どのような違いがあるのか、以下で簡単に説明しておきます。
- リスティング広告
リスティング広告は、アカウントの設定をきちんとしてお金を払えばすぐにでも広告の配信が可能です。そういった即効性という意味では、SEOと大きな違いがあります。ただ、検索結果のページで上位表示されるためには検索エンジンに優良だと評価される必要もありますので、広告の質は重要です。
また、コンテンツの量を考えたときにも、リスティング広告は量に限らず出稿することはできますので、時間をかけて大量に用意する労力は要りません。
- SEO
SEOは、検索エンジン最適化とも呼ばれています。検索しているユーザーにとって役立つコンテンツがある、と検索エンジンに評価されることで、ほかのサイトよりも上位に表示されます。
そのためには、検索によるユーザーのニーズを想定してコンテンツを用意する必要があり、検索結果のページの上位表示されるまでの労力・時間がかかります。また、アルゴリズムの変動により検索結果の状態も定期的に変化するため、随時アップデートし対応し続けることが必要です。
ですが、コンテンツは1度作成してしまえば蓄積され残り続けるものになりますので、長い目でみればコストパフォーマンスのよいものと言えます。
6.まとめ
今回、リスティング広告の仕組みについて解説していきましたが、いかがでしたか。リスティング広告がどのようなものか、少しでも理解が深まっていたらうれしいです。
リスティング広告は、アカウントの設定をしてお金を払えば、すぐにでも出稿し検索結果のページに表示させることができます。ですが、そのためには広告の「質」も欠かせないため、アカウントの設定をする段階でも仕組みを理解し、構築することが大事です。また、出稿して終わりではなく、その後も運用しながら効果検証を繰り返していきます。
わたしたちサンロフトでは、インターネット広告の運用代行や支援も行っています。広告出稿してみたいけど自分ではできるかわからない、自社の商品やサービスで広告出稿するのはどうなのか相談してみたい、などありましたらお気軽にご相談ください。