リスティング広告を活用すると、インターネット上で検索行動をとっているユーザーに広告を表示できます。 特定のキーワードで検索をしているユーザーに合う訴求を行うことは、顧客の獲得に効果的です。
そのためにもリスティング広告では、継続的に効果測定を行いながら運用していくことが重要となります。
運用してみた結果、顧客の獲得単価が想定内に抑えられていて、広告費用対効果が目標数値を達成していれば、運用手法に問題がないという判断ができます。逆に目標を下回っていて効果が薄いと判断した場合には、各指標からリスティング広告運用の改善点を判断し、次に取るべき施策を考えていくことが必要です。
本記事では、リスティング広告の効果測定に役立つ指標を解説し、各指標をどのように改善施策に活かすのかを説明します。 読み終えていただければ、リスティング広告運用の効果測定の注目ポイントや進め方を理解できるはずです。
それでは、さっそく解説を進めていきます!
1. リスティング広告とは
リスティング広告では、特定の検索語句でインターネット検索を行っているユーザーに広告を表示できます。広告の表示内容はもちろん、表示のトリガー※となるキーワードや配信条件についても、調整を行うことが可能です。
※トリガーとは、引き金(を引く)、引き起こす、などの意味を持つ英単語。ここでのトリガーは、わかりやすく言うと「きっかけ」のような意味合いを持っています。
そのため、顧客となる見込みの高いユーザーに配信できるようなターゲティング条件で運用し、興味を持ってもらえるような表現を用いて広告を作成する必要があります。ターゲティング条件や広告の表示内容がマッチしているほど、リスティング広告の運用成果は高まっていきます。
リスティング広告の基本的な仕組みに関しては、以下でくわしく説明していますので参考にしてください。
2. リスティング広告運用で重要なコンバージョン(CV)
リスティング広告を運用するうえで、重要な指標となるのが「コンバージョン(CV)」です。
コンバージョンとは、リスティング広告経由で流入に至ったユーザーが、自社サービスの成約につながる行動をとることを意味します。所定の広告費以内で一定以上のコンバージョン数を獲得していくことが、リスティング広告運用の目標の1つとなります。
そのため、どのような条件でコンバージョンが発生するかを正しく設定しておく必要があります。一般的な例として、申し込みフォームの入力完了画面まで到達した場合や、所定の電話番号に発信を行うボタンをタップした場合をコンバージョンのトリガーとすることが多いです。
また、リスティング広告の機械学習を活かすためにも、コンバージョンを正しく定義しておくことが必要です。自社サイトにおけるコンバージョンを正しく認識し、コンバージョンの発生条件を定めておくようにしましょう。
3.リスティング広告の効果測定や改善に役立つ指標
コンバージョン以外にも、リスティング広告運用の効果測定に役立つ指標は存在します。ここでは、リスティング広告運用で用いられる指標とその定義を解説します。
クリック率(CTR)
クリック率(CTR)とは、表示されたリスティング広告が実際にクリックされる確率や頻度を示す数値です。
クリック率の計算式は、下記になります。
クリック率 = クリック数 ÷ 広告の表示回数 (インプレッション数) × 100
クリック率に関しては、下記の記事でくわしく解説していますので参考にしてみてください。
クリック単価(CPC)
クリック単価(CPC)とは、リスティング広告が1回クリックされた際に発生する費用の平均値になります。
クリック単価の計算式は、下記になります。
クリック単価 = 広告費 ÷ クリック数
リスティング広告はオークション形式で表示されるため、競合が多い場合にはクリック単価が上昇する傾向にあります。また、品質スコアや広告ランクが高まると、クリック単価を抑えることが可能になります。
クリック単価は最終的な運用コストに直結するため、コストパフォーマンスの良し悪しに関わってくる指標となります。
コンバージョン率(CVR)
コンバージョン率(CVR)とは、リスティング広告経由でサイトに流入したユーザーが、成約につながる行動を取る確率や頻度を示す数値です。
コンバージョン率の計算式は、下記になります。
コンバージョン率 = コンバージョン数 ÷ クリック数 × 100
コンバージョン率が高いほど、決められた広告費のなかで得られるコンバージョンが多くなります。基本的には、広告運用の配信設定やランディングページの構成を見直しながら、コンバージョン率を高められる広告運用を行う必要があります。
コンバージョン単価(CPA)
コンバージョン単価(CPA)とは、リスティング広告経由で流入したユーザーから成約1件を得るのに必要な費用のことです。
コンバージョン単価の計算式は、下記になります。
コンバージョン単価 = 広告費 ÷ コンバージョン数
コンバージョン単価は、広告運用の費用対効果を示す指標の1つです。コンバージョン単価が低いほど、成約1件を獲得するのに必要となる費用が安く済むことになり、広告運用が効果的に行えていることになります。
コンバージョン単価が妥当かどうかの判断は、広告運用を行う業界や商材によって変わってきます。基本的には、成約1件の獲得に投資できる費用の上限を定めておいて、その範囲内でコンバージョン単価が推移するように運用を行うことになります。
広告費用対効果(ROAS)・投資対効果(ROI)
広告費用対効果(ROAS)とは、投入した広告費に対してどのぐらいの売上を得られたのかを示す指標です。似たようなものとして、売上ではなく利益ベースでの効果を計測する指標は投資対効果(ROI)といいます。
それぞれの計算式は、下記になります。
広告費用対効果(ROAS) = 売上 ÷ 広告費 × 100
投資対効果(ROI) = 利益 ÷ 広告費 × 100
ROASが高ければ高いほど、効率よく広告の運用ができているといえます。よって、費用対効果を把握することで、効率的に運用できている広告のところに予算を増やすといったことも検討できます。
ただ、あくまでも売上ベースでの費用対効果であり、利益が出ているのかどうかまではわかりません。その場合、ROIも併せて算出してみるのがいいですが、ROIはある時点での利益をみるため短期的な指標である旨を理解しておきましょう。
4. リスティング広告の効果測定の進め方
リスティング広告運用の効果測定を行う際、先ほど紹介した指標をチェックしていくことになります。特に「コンバージョン単価」や「広告費用対効果」に着目しながら、効果測定を行うことが大切です。
コンバージョン単価が目標費用以内に収まっていて、さらに広告費用対効果が目標数値を上回る運用状態となっていることが望ましいです。広告費用に見合った数の成約が得られ、そこから十分な売上につなげられている状態であるからです。
逆に、コンバージョン単価が高すぎたり、広告費用対効果が低すぎる場合、広告運用の改善が必要となります。
5.リスティング広告で効果がないと感じた時の対策方法
リスティング広告を運用する際に、定期的に運用結果を確認することが大切です。ここでは、リスティング広告運用の改善事例を解説したいと思います。
クリック率(CTR)が低い
クリック率が極端に低いということは、表示されている広告の内容と、広告を閲覧したユーザーがマッチしていないことを示しています。そのため「適切なユーザーに広告配信を行えていない」もしくは「広告文の訴求内容が適切ではない」という可能性が考えられます。
その場合、広告の配信設定を見直す必要があります。キーワードの追加や削除を行ったり、配信地域や年齢・性別などのターゲティング設定の変更を行ったりすることで、広告を見せるユーザー層の改善を行っていきます。
また、広告の訴求ポイントの再検討も必要です。広告表示を行うユーザーに適した広告見出し・説明文になっているかどうか、再検討を行いましょう。
顧客となる検索ユーザーに合わせた配信設定を行い、適切な訴求ポイントの広告を表示することで、クリック率の改善につなげることができます。
コンバージョン率(CVR)が低い
コンバージョン率が低いということは、リスティング広告から流入してきたユーザーが成約に至らずに離脱していることを示しています。そのため「広告とランディングページにミスマッチが生じている」という可能性が考えられます。
その場合、1つの方法としては広告の配信設定の見直しが挙げられます。ランディングページと異なる内容で訴求を行っていたり、ランディングページが対象としているユーザーと違うユーザーに広告配信を行っていたりする場合には、広告文の内容や配信設定を改善しましょう。
他には、ランディングページの変更の検討も必要となります。広告の配信設定に問題がなく、ターゲットとしているユーザーが流入している場合には、ファーストビューやCTAへの導線などランディングページの修正によってユーザーの離脱を防ぐ必要があります。
顧客となる可能性が高いユーザーに配信を行い、そのユーザーに適したランディングページに流入させることで、コンバージョン率の改善につなげることができます。
コンバージョン単価(CPA)が高い
コンバージョン単価が高いということは、成約を得るために過剰に広告費を消費していることを示しています。そのため「広告費のコストを削減する」もしくは「コンバージョンに至る確率や頻度を増加させる」ことが必要です。
広告費を削減するためには、広告のクリック単価を下げることが挙げられます。キーワードや広告文の見直しを行い、広告ランクを改善することでクリック単価を下げることが可能です。
同時に、コンバージョン率を増加させることができれば、コンバージョン単価の改善につながります。コンバージョン率の改善に関しては、先ほどの「コンバージョン率(CVR)が低い」を参考にしてください。
広告費の削減やコンバージョン率の改善を行うことで、コンバージョン単価の改善につなげることができます。
広告費用対効果(ROAS)が低い
広告費用対効果が低いということは、広告費が売上の向上につながっていないことを示しています。そのため「売上への貢献が少ないサービスが成約されている」もしくは「広告費に対する成約数が少ない」という可能性が考えられます。
その場合、まずは売上への貢献度が高いサービスの成約を促す必要があります。成約価格の高いサービスに広告運用を重点的に行い、逆に成約価格の低いサービスに広告配信を行わないようにすることで、成約に至った際の広告費用対効果が高まっていきます。
また、コンバージョン率の改善を行うことで成約数を増やしていくことも重要です。コンバージョン率の改善に関しては、先ほどの「コンバージョン率(CVR)が低い」を参考にしてください。
売上向上につながるサービスの成約数を増やしていくことで、広告費用対効果の改善につなげることができます。
6. まとめ
最後に、本記事で解説してきた「リスティング広告運用の効果や効果測定方法」についてまとめます。
【リスティング広告運用の効果測定について】
・リスティング広告運用の効果測定に重要な指標の1つがコンバージョン
・コンバージョンの定義を定めた広告運用を行うことが重要
・コンバージョン単価や広告費用対効果が目標を満たすように運用を行う
・改善を行う際、配信設定とランディングページの両方の検討が必要
自社サービスの成約(コンバージョン)の意味付けを確認し、その成約増加につなげていくことが広告運用の基本となります。成約につながるユーザーに広告配信を行えるように配信設定を見直し、適切なランディングページに誘導できるように改善を継続していきましょう。
以上が本記事のまとめです。
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