リスティング広告を運用するうえで、必ず使う指標のひとつ、クリック率。「クリック率がなかなか上がらない……」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか?リスティング広告のクリック率は、やみくもに高くすればいいというわけではありません。
この記事では、クリック率の基本やリスティング広告におけるクリック率の考え方、改善方法などを解説していきます!
1. クリック率の基本情報
まずは、クリック率の基本から解説!クリック率の計算方法や目安、品質スコアとの関係性について説明します。
リスティング広告におけるクリック率とは
そもそもクリック率とは、広告がクリックされた頻度やキーワードがクリックされた頻度を示すものです。リスティング広告だけでなく、SEOでも使用されます。
クリック率の計算式は以下の通りです。
クリック率(%)=クリック数÷広告の表示回数(インプレッション数)×100
このように算出されたクリック率は、ユーザーが広告に興味を示したかどうかの指標のひとつとして用いられます。
リスティング広告については、下記記事でくわしく解説しています。
クリック率の目安と平均
一般的にクリック率の平均値は1%程度と言われています。しかし、自然検索のクリック率なのか、広告運用のクリック率なのか、といった点でも異なります。
ここからは、自然検索の場合、広告運用の場合にわけてクリック率の目安と平均を解説していきます。
自然検索の場合
自然検索におけるクリック率の平均や目安は、掲載順位や検索キーワード、デバイス、ページのタイトルや説明文など、さまざまな要素が影響して決まります。そのなかでも、特にクリック率に影響を与えやすいのが掲載順位です。一般的に、掲載順位がより上位に掲載されているほうはクリック率が高くなる傾向にあります。
検索順位 | デスクトップ(PC) | モバイル |
---|---|---|
1位 | 34.05% | 32.71% |
2位 | 16.56% | 17.65% |
3位 | 10.06% | 11.82% |
4位 | 6.77% | 8.49% |
5位 | 4.82% | 8.66% |
6位 | 3.57% | 5.11% |
7位 | 2.75% | 3.53% |
8位 | 2.19% | 2.52% |
9位 | 1.77% | 1.90% |
10位 | 1.48% | 1.47% |
広告運用の場合
広告運用におけるクリック率は、検索キーワードや媒体、デバイス、地域、掲載場所、広告文などによって異なります。自然検索の場合と同様に、掲載順位が大きく影響するのは広告も同じですが、業種やサービスのジャンルによってもクリック率は大きく変動します。
業種 | リスティング広告 | ディスプレイ広告 |
---|---|---|
旅行関連 | 4.68% | 0.47% |
自動車 | 4.00% | 0.60% |
教育 | 3.78% | 0.53% |
不動産 | 3.71% | 1.08% |
医療・健康 | 3.27% | 0.59% |
法律サービス | 2.93% | 0.59% |
金融・保険 | 2.91% | 0.52% |
ネット通販 | 2.69% | 0.51% |
産業サービス | 2.61% | 0.50% |
家庭用品 | 2.44% | 0.49% |
B2B(BtoB) | 2.41% | 0.46% |
テクノロジー | 2.09% | 0.39% |
広告の種類が、リスティング広告なのかディスプレイ広告なのかといった点でもクリック率は影響されるので、それぞれのクリック率の目安をしっかりと把握しておきましょう!
クリック率と品質スコアの関係性
品質スコアとは広告の品質を評価したスコアのことで、リスティング広告を運用していくうえで大切な指標となります。品質スコアは1~10の10段階で評価され、品質スコア10がもっとも高いスコアとなります。
品質スコアが高いと、クリック単価が安くなる、広告が上位に表示される、クリック率が上がるなどのメリットがあります。なかでも推定クリック率は、品質スコアのもっとも重要な要素のひとつです。推定クリック率とは、広告がどれだけクリックされるかの推定値です。リスティング広告の過去のクリック数や表示回数などから算出されます。
2. リスティング広告におけるクリック率の考え方
リスティング広告において、クリック率が変動する要因はどこにあるのでしょうか?ここからは、クリック率が高いことによるメリットを解説していきます!
クリック率が変動する要因とは
クリック率が高くなる場合、どのような要因が考えられるでしょうか?クリック率が高いということは、リスティング広告の表示回数に対してクリックしてくれたユーザーが多いということです。つまり、ユーザーを引きつける広告文やクリエイティブであるということがわかります。
また、競合広告が少なさがクリック率の高さにつながることも。ユーザーは競合を含むいくつかの広告を見比べて、どの広告をクリックするか選んでいます。競合となる広告が少ないということは、ユーザーの選択肢も少ないためクリック率は高くなります。
一方で、競合となる広告が多いときや競合に訴求内容で負けてしまっているとき、訴求しているポイントがずれてしまっているときなどは、クリック率が低くなります。また、リスティング広告のキーワードの検索ボリュームが少ないというという可能性も考えられます。
クリック率は高いほうがいい?
ではリスティング広告のクリック率は、高いほうがいいのでしょうか?答えは、必ずしも高ければいいというわけではありません。
過剰な表現の広告や誤解を与えやすい広告を配信していると、サイトに来てほしいユーザー以外がクリックしている可能性があります。この場合、リスティング広告のクリック率が高くてもコンバージョンにはつながりづらく、本来の効果を発揮できていません。
もちろん、リスティング広告の品質がよくクリック率も高く維持できている場合は、安いクリック単価で配信できるメリットがあります。一方で、クリック率は低くても費用対効果の高い広告もあるため、一概にクリック率だけですべてを判断できません。ユーザーの質やコンバージョン率などのさまざまなデータを総合的に判断することが重要です!
クリック率を改善するメリット
リスティング広告のクリック率を改善するメリットはどのようなところにあるのでしょうか?
- 多くのユーザーがサイトに訪問してくれる
クリック率が高いと、より多くの人がサイトに訪問してくれます。特に成果が見込めるキーワードのクリック率が高ければ、コンバージョン数の増加にもつながります。
- クリック単価が安くなる
リスティング広告のクリック単価は、入札単価とは別に品質スコアも影響します。品質スコアが高いと、より安いクリック単価で広告を配信できます。
3. クリック率の改善に向けた6つの施策
ここからは、リスティング広告のクリック率を改善するための施策について解説していきます!
ユーザーのニーズに合った広告文に見直す
ユーザーは検索結果に表示される情報から、広告をクリックするか判断しています。
検索キーワードをタイトルに含めたり、ユーザーのニーズにあった広告を作成することが鉄則です。リスティング広告の広告文と遷移先のページ内容にズレがある場合は、せっかくクリックされてもすぐに離脱されてしまうこともあるので、注意しましょう。クリック率を上げつつ、コンバージョンにもつながりやすい広告文を心がけることが大切です。
広告文の作り方については、下記の記事でくわしく説明しています。併せて、参考にしてみてください。
広告文は数字などを用いて具体的な表現を用いる
リスティング広告をクリックする前の段階で、商品やサービスの魅力が伝えられるように心がけましょう!数字などを用いて具体的な表現を用いることで、ユーザーからのアクションも増えやすくなります。
例えば、「実績」「値引き率」「金額」「時期」などの具体的な数字があると、信憑性も高まります。クリック率が高まるだけでなく、その後のコンバージョン率の増加にもつながりやすくなります。
広告表示オプションを設定する
広告表示オプションとは、リスティング広告の広告文とは別に追加情報を掲載できる機能のこと。具体的なアクションを促しやすくなるため、クリック率が上がりやすくなります。
広告表示オプションを追加することで、広告文だけでは訴求できなかった魅力や情報を加えられるだけでなく、広告が表示される範囲が広くなりユーザーの目にとまりやすくなるというメリットもあります。
入札単価を引き上げる
入札単価を上げて掲載順位を上げるという方法もあります。一般的に、掲載順位が高いほどクリック率も高くなります。しかし、入札単価を強化して上がったクリック率は、品質スコアの改善につながらない可能性が高いです。
ユーザーにとって目立つ場所に掲載されているためクリックされるようになったということをしっかりと理解しておきましょう!
検索語句や広告内容と遷移先の違和感をなくす
ユーザーの検索キーワードと広告文、遷移先のページ内容に一貫性を持つことが大切です。この3つに一貫性がないと、ユーザーは違和感をおぼえて離脱してしまいます。
「検索キーワードと広告文にズレがないか」「広告文と遷移先のページ内容に違和感がないか」といった点で、設定したリスティング広告を見直してみましょう!
便利な機能を活用する
キーワード挿入機能やアドカスタマイザーといった機能を利用する方法もあります。
キーワード挿入機能とは、ユーザーの検索語句と一致したキーワードを説明文に動的に挿入する機能です。 説明文の一部に専用のコードを挿入すると、その部分がユーザーの検索語句に置き換わります。ユーザーから見ると、求めているものに近い広告文であることから、クリック率が高くなりやすくなります。
アドカスタマイザーとは、ユーザーの検索キーワードや場所、日付、時間、曜日などに合わせて説明文を動的に変更できる機能です。また、取扱商品の種類がたくさんある場合など、個別に広告文を作成することが難しいケースにもアドカスタマイザーは利用できます。
4. クリック率を高くすることが目的ではない
リスティング広告においてのクリック率はやみくもに高ければいいというわけではありません。なぜなら、必ずしも「クリック率が高い=コンバージョンが増える」ということではないからです。大切なのは、ユーザーの質とコンバージョン単価。
クリック率が影響するのはクリック単価ですが、クリック率が低くてもコンバージョン率が高ければコンバージョン単価も良好です。クリック率とクリック単価だけで広告を判断するのではなく、ユーザーの質やコンバージョン単価も含めて判断することをおすすめします。
クリック率を高くする本来の目的をしっかりと理解して、運用していきましょう!
5. まとめ
いかがでしたか?この記事では、クリック率の基本やリスティング広告におけるクリック率の考え方、改善方法などを解説いたしました。
- クリック率は、ユーザーが広告に興味を示したかどうかの指標のひとつとして用いられる
- クリック率が高いということは、広告の表示回数に対してクリックしてくれたユーザーが多いということ
- クリック率を高くする本来の目的をしっかりと理解して、運用することが大切
リスティング広告のクリック率は、ただ高くすればいいというわけではありません。ユーザーの質やコンバージョン単価など、さまざまな観点から総合的に判断して適切に運用していきましょう!
サンロフトでは、リスティング広告をはじめとするインターネット広告の運用代行も行っています。ご興味のある方や、すでに運用を行っているなかで何か困ったことがある方など、お気軽にご相談ください。