地方の中小企業こそ採用サイトが必要な理由

人材不足が深刻化するなか、地方の中小企業にとって求人への応募者を集めることは非常に難しくなっています。採用を強化する有効な取り組みとして採用サイトの開設がありますが、実は、大企業だけではなく中小企業でも採用サイトを持つ企業が増加している傾向にあります。

なぜなら、特に地方の中小企業では、求職者数よりも求人数が多い「売り手市場」の傾向にあり、採用に対する取り組みはあらゆる企業にとって必要性を増しているからです。

ここでは、「なぜ地方の中小企業にこそ採用サイトが必要なのか?」を解説するとともに、中小企業が採用サイトを持つメリットや、応募者は採用サイトのどこを見ているか?などにフォーカスしていきます。

読み終えていただければ、採用サイトの必要性と注意点がわかり、失敗をすることなく具体的な行動に移すことができます。

それでは、さっそく解説していきます!

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目次

1. 採用サイトとは?

採用サイトとは、企業のWebサイト(コーポレートサイト)とは別の独立したWebサイトのことで、求人募集を目的とした求職者専用のWebサイトです。

企業のWebサイト(コーポレートサイト)は、事業内容や商品・サービスの紹介といった「顧客」に向けた情報が網羅されています。
対して、採用サイトは、「求職者」が必要とする情報が網羅され採用に特化した、求職者向けのWebサイトです。

採用ページとの違い

採用ページとは、企業のWebサイト内に作成するページのことで、採用ページには求職者向けの情報のみを掲載します。こういった形で採用情報を掲載している中小企業はまだ多いですが、採用に関する課題を解決するために採用サイトを開設する企業が年々増えています。

採用サイトは、求職者が必要とする情報を網羅することができるため、採用ページに比較して、SEOに強いという特長があります。採用ページの特長は、採用サイトに比較して、スピーディーに作成できる、初期費用が抑えられるという点が挙げられます。

2. 地方の中小企業こそ採用サイトが必要とされる理由

まずは、いかに中小企業が人材不足に苦戦しているか、資料を見ながら確認していきます。

本項で使用する資料は、中小企業庁による「中小企業白書」〜第2部 深刻化する人手不足と中小企業の生産性革命〜 から引用します。
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H30/PDF/chusho/04Hakusyo_part2_chap1_web.pdf

下記は同資料内に掲載されている人手不足の現状についてのグラフです。

【業種別従業員数過不足 DI ※の推移】
※ 従業員数過不足数DI……従業員の今期の状況について、「過剰」と答えた企業の割合(%)から、「不足」と答えた企業の割合(%)を引いたもの

業種別従業員数過不足 DIの推移データを示す図
出典:中小企業庁・(独)中小企業基盤整備機構「中小企業景況調査」

人手はすべての業種において2009年をピークとし、そこからはマイナスに転じていることがわかります。続いて、下記は従業員の規模別で見た人材についての調査資料です。

【従業員規模別に見た、人材の未充足率※】
※未充足率=(未充足者数/常用労働者数)×1002.
この場合の未充足率は、各事業所の未充足率を求めた上で、それらを合計した後、事業所数で除することで算出している

従業員規模別に見た、人材の未充足率データを示す図
出典:厚生労働省「平成28年上半期雇用動向調査」より(中小企業編)

グラフから、従業員数が少なければ少ないほど人材の未充足率が高い、つまり、従業員数が少ない中小企業は人材獲得に苦戦しているということがわかります。

最後に、経営の観点から見た人材不足という課題をみていきます。
下記は、(株)日本政策金融公庫「全国中小企業動向調査」による中小企業の経営上の問題点を示したグラフです。

【経営上の問題点】

経営上の問題点データを示す図
出典:(株)日本政策金融公庫「全国中小企業※動向調査」(中小企業編)
※ここでいう中小企業とは、(株)日本政策金融公庫取引先のうち、原則として従業員20人以上の企業

上記の調査結果から、「求人難」を課題とする企業の割合が、ここ数年で増加の一途をたどっており、80年代後半から90年代初頭の景気拡大期に迫る水準となっていることがわかります。中小企業における人手不足が、経営上の課題としても強く認識されていることがはっきりと確認できるでしょう。

このように、中小企業にとって人材不足は大きな課題であることは明らかで、人口が集まる都心でさえ、中小企業は人材獲得に苦戦している現状があります。

地方では若年層の人口が減少していることから、地方の中小企業には「求人を出してもそもそも応募してくる人がいない」、あるいは「応募者数が極端に少ない」といった現実に直面しており、人材獲得は非常に厳しい状況です。

よって、地方の中小企業こそ採用サイトを持つべき理由は明確です。

・地方の中小企業は人材獲得に最も厳しい状況にある
・その課題解決のために採用サイトを設ける

企業のWebサイト(コーポレートサイト)は、顧客に向けてきめ細かに作られています。商品やサービスを知ってもらい購入してもらうためです。それと、まったく一緒で、求職者に自社のことを知ってもらい、ここで働きたいと思ってもらうためには、求職者に向けたきめ細かなコンテンツの採用サイトを作るべきです。

地元に求職者がいない場合も多く、そういった際には遠方からわざわざ会社のある土地に来てもらう、あるいは、遠方に住む方にテレワークによる勤務をしていただくことになります。遠方に住んでいる方であれば、あなたの企業についてはWeb上で収集できる情報がすべてになります。

そういった場合、求職者に強くアピールできるのは、採用サイト以外にありません。

3. 中小企業の採用サイトの目的

地方の中小企業が採用サイトを開設する目的

・応募者数を増やす 
・マッチングミスを防ぐ 

主に、この2つです。ひとつずつ解説していきます。

応募者数を増やす 

まず、そもそも応募者がほとんどいないという企業は1人でも多くの人材に応募してもらう必要があります。

応募者数を増やすためには、下記の2つを重視します。

・求人サイトからの応募者数を増やす
・求人サイト以外からの応募者数を増やす

多くの企業は、Indeed(インディード)やマイナビ、エン転職、といった求人サイトを利用し採用情報を掲載して、応募者を集めているかと思います。

求職者も多くの方がこういった求人サイトを利用し仕事を探していますが、求職者は求人サイトに掲載されている仕事内容と企業情報を確認した後、必ずと言っていいほど、その企業のコーポレートサイトと採用サイトを訪問していることがわかっています。

求職者は、エントリーする前段階で、できるだけ詳しく企業情報と採用情報を収集したいと思っているのです。

つまり、こういった求職者の行動を把握し、企業Webサイトや採用サイトまで訪問することを考慮して、求人サイト(Indeed、マイナビなど)では伝えきれなかった情報を漏れなく伝える準備をしておく必要があります。

ここが、外部の求人サイトからの応募者数を増やせるか、増やせないか、の分かれ目です。

外部の求人サイトだけに依存していては、応募者数を増やすことはできません。自社でも、取り組めることはすべて取り組むという姿勢で臨む必要があります。

応募者数の割合は、外部の求人サイトを経由した場合であっても、自社採用サイトがある企業と、ない企業とを比較すると、前者の方が多いのは言うまでもありません。

その理由も、採用サイトはターゲットである求職者に向けて作るサイトなので、サイトの構成、コンテンツ、キャッチコピー、写真などすべてにおいて求職者に訴求する作り方になっているからです。

次に、Indeedやマイナビといった求人サイト以外からの応募者数を増やすことについてですが、それは自社の採用サイトを持っていることで応募者数は自然に増加します。

求人サイトは掲載期間が決まっているため、一定期間の集客しかできません。予算によっては掲載期間を延長することも難しいケースも多々あります。しかし、自社で採用サイトを持っていればサイトは常時公開しているため、求人サイトでの掲載期間が過ぎてからも、応募者を年中受け入れられる環境が作ることができます。

マッチングミスを防ぐ

どの企業でも、過去に1度は「入社した社員がすぐに辞めてしまった」という経験をしているのではないでしょうか?

こういった問題は、求人のマッチングミスにより引き起こされているケースがほとんどです。「思っていたのと違った」「社風が合わない」「仕事内容が異なる」という不満を抱え、退職する人が多い傾向にあります。

この「マッチングミスを防ぐ 」という課題に有効なのが、採用サイトです。

外部の求人サイトでは、掲載できる文言や写真が限られるため、求職者に伝えられる情報は限られてきます。採用サイトには、企業方針・理念の詳細や、社長からのメッセージ、仕事内容と1日の流れ、一緒に働く先輩の情報といった、求職者が必要とする情報すべてを写真も交えながら入れることができるため、結果的にマッチングミスを防ぐことにつながります。

4. 中小企業の採用サイトが解決する課題

中小企業の採用サイトが解決できる課題は、企業にとっても異なりますが、1番大きいところで「トータルコストを削減できる 」ことです。

前項でも触れた通り、採用サイトでマッチングミスを防ぐことにより、長期的に見ても採用に関するコストを削減できます。ここで言うコストには、「時間」「労力」も含まれます。

企業を理解し、かつ企業にマッチした人材を獲得することができれば、すぐに退職してしまうこともなく、その後しばらくは面接などに多くの時間や労力をかける必要もなくなります。

5. 中小企業が採用サイトを持つメリット

中小企業が採用サイトを持つと、意外なメリットもあります。それは、「売上への相乗効果が期待できる 」という点です。つまり、採用サイトを持つということは、顧客にとってプラスの印象に働くのです。

顧客は(見込み客、既存顧客ともに)、想定する以上にWeb上であなたの企業についてリサーチしています。企業のWebサイト以外に、「採用サイト」を設けていれば、顧客はあなたの会社に対して「良い人材を集めることに力を入れている」「人材を大事にしている」という印象を持ちます。

「人材」を「人財」と表現する企業もあるように、企業に最も重要なのは「人」であることは明らかです。
採用サイトは顧客にとってのアピールになるという事実を覚えておきましょう。

6. 求職者は中小企業の採用サイトのどこを見ているのか?

求職者が採用サイトのどこを見ているのかは「新卒・第二新卒」と「中途」によって異なります。ここでは、それぞれ解説していきます。

新卒採用・第二新卒採用

大学・専門学校・高校卒業後に就職を希望する方は18〜20代前半がほとんどです。一般的に、こういった若い年代は、仕事を選ぶ際に「仕事を通していかに社会に貢献できるか」「やりがいはあるか」「成長できる環境か(研修制度やスキルアップ制度の有無)」といった点を重要視します。

よって、新卒採用・第二新卒採用への応募者は、主に下記のコンテンツをよく見ているため、これらコンテンツは特に厚くきめ細かなものにする必要があります。

・企業理念(企業のビジョン)
・企業の特長(他社との差別化ポイント)
・社長メッセージ
・研修制度、教育システム(確実に成長できるシステムがあることを示す)
・スタッフインタビュー(仕事のやりがい、達成感をインタビューして掲載)
・環境に配慮した活動、地域に貢献した活動など

中途採用

新卒や第二新卒と異なり、中途採用に応募する方のほとんどは、他社からの「転職」です。他社から転職をする動機・理由として、「昇給のため」「スキルアップのため」「職種変更」といったことが挙げられます。

よって、中途採用の場合、特に下記のコンテンツを厚くする必要があります。

・仕事内容(できるだけ細かく明記。今後業務となる可能性がある仕事内容があれば、もれなく書いておく)
・給与、昇給システム、ボーナスや手当の有無
・将来的にどういったポジションを目指せるか(マネージャー、ディレクターなど)

特に仕事内容に関しては、「このような業務があるとは聞いていない」「書いていなかった」といったことが入社後に起こらないように、できるだけ漏れなく書いておく必要があります。

また、任せることになるであろう業務内容も想定できる範囲で記しておきます。入社後に新しい業務が追加される可能性がある際には、その旨も明記しておくべきです。小さなことに思われるかもしれませんが、こういった些細なところをカバーすることが「入社前と入社後のギャップ」を減らす作業になります。

このように、「新卒・第二新卒」と「中途」では、どこを重視して見ているかが違います。訴求ポイントが異なるため、本来であれば、キャッチコピーも変える必要があるのです。

大企業でも、「新卒採用」と「中途採用」ではそれぞれに特設サイトやパンフレットを作成したり、あるいは採用サイト内で「新卒採用」と「中途採用」のページをしっかり分けていたりするのは、そのためです。

ターゲットにささるキャッチコピー、コンテンツを作ることで、応募者数は確実にアップします。

7. 中小企業の採用サイトに必要なコンテンツとは?

大企業と異なり、地方の中小企業はWeb上で収集できるクチコミも少ないため、仕事内容や会社の中のことを、自ら発信していく必要があります。

中小企業の採用サイトに欠かせないコンテンツは、「企業理念」「社長メッセージ」「事業内容」「仕事内容」「給与」といった基本情報以外に、下記のようなものがあります。

・スタッフの1日(1日の仕事の流れを紹介)
・スタッフ紹介
・スタッフの声(先輩のインタビューを掲載)
・会社紹介(沢山の写真で会社の中を見せていく)
など

いずれも写真を多用し、求職者の視点に立って、「会社の中」と「共に働くことになるスタッフ」を見せていきます。

ここで、上記コンテンツの事例を紹介します。

茨城県潮来市に古くから続く、金物・建築資材・鋼材のBtoB企業、株式会社ワカマキ(従業員数30名前後)は、企業Webサイトリニューアル時に、採用特設ページも開設しました。

下記の採用用コンテンツでは写真を多く使用し、会社で働く従業員や会社の中の様子をしっかりと紹介しています。また、キャッチコピーも企業サイトのものとは異なり、しっかり求職者に訴求したキャッチコピーになっています。

◎スタッフの1日
http://wakamaki.co.jp/recruit/oneday/

◎スタッフ紹介
http://wakamaki.co.jp/recruit/staff/

◎写真で見るワカマキ
http://wakamaki.co.jp/feature/pictures/

◎数字で見るワカマキ
http://wakamaki.co.jp/feature/numbers/

◎採用情報・仕事内容・先輩の声・採用までの流れ
http://wakamaki.co.jp/recruit/

このように、写真を交えて、求職者が一緒に働くことになる仲間や仕事内容を紹介することで、「一緒に働くことになる人はどんな人達なのか?」「会社に馴染めるだろうか?」「どんな仕事をすることになるのか?」といった応募者の不安を一つひとつ取り除いていきます。

スタッフ紹介でも、求職者が知りたいことを網羅するべく、「やりがい」や「達成感」「社会にどう貢献しているか」を引き出すインタビューを行い、ターゲットに届く内容にまとめることが重要です。

きめ細かなコンテンツを丁寧に作成することで、会社の魅力・ここで働くメリットをアピールし、エントリーしたいと思ってもらえる仕組み作りをします。

8. 中小企業の採用サイトを作る際の注意点

採用サイトを作る際の注意点は、たった1つです。

それは「ウソがないこと」です。採用サイトでは、会社のありのままを見せることが非常に重要です。

応募者を多く募りたいばかりに、良いところだけ見せようとするのは逆効果で、入社後に「採用サイトで感じた雰囲気と違う…」「採用サイトに書いていたことと違う…」と感じることとなり、早期で退職する事態を招きます。

エントリーしてくれる人数は多くても、すぐに辞めてしまっては元も子もありません。会社に対して、不信感を抱かせないためにも、正直に、真摯に情報を発信すべきです。

また、いざ採用サイトを作ろうとした際には、事前に知っておくべきことがあります。くわしくは、下記の記事にまとめています。

9. 採用サイトの予算がない時は、Webサイトに「採用ページ」を設置しよう

採用サイトを特設する予算がとれないケースもあるかと思います。

そういった場合には、企業のWebサイトを作成する段階で「採用ページ」を設置するのがおすすめです。

Webサイト制作の全体像については、下記記事が参考になります。

すでにWebサイトがある場合には、リニューアルという形で「採用ページ」を追加することも可能です。

近年の求職者は、パソコンではなく主にスマートフォンを活用して就職活動を行う人が急増しています。

よって、企業が採用活動を行う際には、Webサイトのスマホ対応が必須です。

まだ企業サイトがスマホ対応になっていないのなら、これを機にレスポンシブ対応(スマホにも自動で対応するデザイン)へのリニューアルを検討するのもよいでしょう。

Webサイトのスマホ対応やレスポンシブデザインについては、下記記事をご参考ください。

10. まとめ

最後に、本記事で紹介してきた「地方の中小企業こそ採用サイトが必要な理由」についてまとめます。

【地方の中小企業に採用サイトが必要な理由】

  • 地方の中小企業は人材獲得に最も厳しい状況にある
  • その課題解決のために採用サイトを設ける

【中小企業の採用サイトの目的 】
「応募者数を増やす 」「マッチングミスを防ぐ 」

【中小企業の採用サイトが解決する課題】

  • トータルコストを削減できる

採用サイトの必要性は理解したものの、企業によっては具体的にどのように着手すべきかわからないという方も多いと思います。「人材不足という課題を解決したい」「求人サイトに広告を出稿してもなかなか人が集まらない」といったお悩みを抱えている場合には、ぜひ弊社までご相談ください。

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