URLパラメータとは、WebページのURL末尾に加えられる変数を指します。
この変数を加えたURLをパラメータ付きURLと呼び、Webページの閲覧に至ったユーザーの流入経路を明らかにしたいときに役立ちます。
パラメータ付きURLを活用すると、どの流入経路がWebページ閲覧を促進しているかを把握できるため、広告の費用対効果を判断する際に効果的です。その他に、Webサイトのユーザビリティを高めるため、パラメータ付きURLを活用して特定のWebページに遷移させることも可能です。
本記事では、パラメータ付きURLを作成する際のURLパラメータの種類や、作成時の注意点などを解説します。読み終えていただければ、パラメータ付きURLの特徴や活用方法を理解できるはずです。
それでは、さっそく解説を進めていきます!
1. URLパラメータとは
URLパラメータとは、WebページのURL末尾に加えられる変数を指します。
Webサイトを訪問したユーザーの流入元を明らかにしたり、特定の商品をまとめたページに誘導したりする際に、URLパラメータが利用されます。また、運用型広告を利用する際に、広告媒体やキャンペーンがWebサイトの流入にどのように寄与しているかを計測することが可能です。
URLパラメータが付与されたURLを「パラメータ付きURL」と呼び、もともとのURL末尾に必要なパラメータを付け加えることで、パラメータ付きURLが完成します。利用目的によって、使用するパラメータが異なってきます。
2. URLパラメータの使用目的と種類
一般的に使用されるURLパラメータには、アクティブパラメータとパッシブパラメータの2種類が存在します。
パラメータ付きURLを作成する際は、使用目的によって使い分ける必要があります。以下では、アクティブパラメータとパッシブパラメータの違いや特徴を解説します。
アクティブパラメータ
アクティブパラメータとは、付与することで遷移するWebページが変わるURLパラメータを指します。
わかりやすい例として、Webサイト内の検索結果のページや、絞り込み機能を使って表示されたページなどに、アクティブパラメータが付与されています。
例えば、電化製品を取り扱うWebサイト内で「ドライヤーのみを表示させる」と、下記のようなアクティブパラメータが付与されたページに遷移します。
オリジナルURL | https://www.xxxx.com |
パラメータ付きURL | https://www.xxxx.com/?word=dryer |
アクティブパラメータは、多様な商品やサービスを扱うECサイトなどで活用すると効果的です。
アクティブパラメータを活用することで、特定の分類ごとに商品をまとめたページに集客することが可能に。特定ページの閲覧を促進する目的で、アクティブパラメータが利用されています。
パッシブパラメータ
パッシブパラメータとは、付与しても遷移するWebページが変わらないURLパラメータを指します。
アクティブパラメータと異なり、パッシブパラメータの使用目的は情報収集やデータ解析になります。
パッシブパラメータとして参照元や広告媒体の種類などを指定することで、どのような流入経路のユーザーがWebページの閲覧増加やコンバージョン増加に貢献しているかを判断できます。
例として、パッシブパラメータを付与する前後のURLを紹介します。
オリジナルURL | https://www.xxxx.com |
パラメータ付きURL | https://www.xxxx.com/?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=big |
パッシブパラメータを付与すると、Google Analytics等のWeb解析ツールを使用して、流入元ごとの閲覧データを取得できます。Web広告・SNS・メールマガジン・QRコードなど、媒体ごとにパラメータ付きURLを作成しておくことで、実施した施策の効果測定を行うことが可能です。
3. URLパラメータのメリットや活用方法
URLパラメータを利用することで、Webページを閲覧したユーザーの流入元を解析することが可能です。
そのため、集客に効果的な媒体を判断したり、広告の効果測定を行ったりする際に、URLパラメータは重要な要素となります。以下では、URLパラメータを利用することのメリットを解説します。
参照元を計測できるので様々な施策で役立つ
URLパラメータを利用することで、Webページの閲覧に至ったユーザーの「参照元」を計測することが可能です。
例えば、Webページの閲覧に至る経路として、GoogleやYahoo!といった検索エンジンのほか、FacebookやTwitterといったSNSなどが挙げられます。メールマガジンやQRコードなどを使って集客を行っている場合、上記以外の流入経路も考えられます。
このような場合にURLパラメータを設定することで、参照元ごとの閲覧データを取得することが可能となります。そのため、集客のために行った施策の効果を判断する際に、URLパラメータを活用することができます。
自然検索と有料広告の区別をつけて計測できる
加えて、URLパラメータを利用すると、自然検索と有料広告の閲覧データをそれぞれ区別して計測できるようになります。
そのため、収集されたデータを参考にすることで、有料広告の費用対効果を判断することができます。URLパラメータを正しく設定することで、有料広告についても広告媒体ごとに閲覧データを細分化することが可能です。
複数の有料広告を利用している場合、URLパラメータを活用すると、各々の広告媒体ごとに効果測定を行うことができます。
また、Yahoo!の運用型広告を利用する際、パラメータ付きURLを利用しなければ自然検索と有料広告の流入をGoogle Analytics上で区別することができません。そのため、Yahoo!の運用型広告の利用を検討している場合は、パラメータ付きURLの設定が必須となります。
4. Google Analyticsで分析を行う際のパラメータ
以下では、Google Analyticsでのデータ解析に使用されることの多いURLパラメータを紹介します。
utm_source | 参照元の媒体をラベルするパラメータ |
utm_medium | 広告種別をラベルするパラメータ |
utm_campaign | キャンペーン名をラベルするパラメータ |
utm_term | キーワードをラベルするパラメータ |
utm_content | 画像やコンテンツをラベルするパラメータ |
例えば、参照元としてGoogleを指定する場合、URLパラメータは「utm_source=google」となります。
ここで使用した「utm_source」をパラメータ名と呼び、「google」をパラメータ値と呼びます。URLパラメータは、このパラメータ名とパラメータ値がセットになって構成されています。
実際にパラメータを作成してみよう
それでは、実際にパラメータ付きURLを作成してみます。
パラメータ付きURLを作成する場合、下記のようなWebツールを利用すると便利です。
【参考サイト】Campaign URL Builder
https://ga-dev-tools.web.app/campaign-url-builder/
例として、Google広告のキャンペーン (例 キャンペーン名:地域) から流入したユーザーの閲覧データを得るため、パラメータ付きURLを作成してみます。
この場合、URLパラメータとして
- utm_source=google(Google)
- utm_medium=cpc(広告)
- utm_campaign=area(地域)
を付与することになります。
実際に作成してみると、下記のようになります。
オリジナルURL | https://www.xxxx.com |
パラメータ付きURL | https://www.xxxx.com/?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=area |
URLの末尾に「?」を付けた後、必要なURLパラメータを「&」でつなぎながら付与していきます。計測したいデータに合わせて、適切なURLパラメータを使用するようにしましょう。
5. パラメータ付きURLを使用する際の注意点
便利なパラメータ付きURLですが、正しく設定しないとデータ解析を行うことができません。
以下では、パラメータ付きURLを作成する際の注意点を解説します。
パラメータになるべく日本語を使用しない
パラメータ付きURLを作成する際、URLパラメータに日本語を使用しないようにしましょう。
日本語を使用すると文字化けの原因となり、計測が正しく行われない可能性があります。英語表記やローマ字表記などを使用し、日本語での作成を避けることに注意が必要です。
リダイレクト時の設定を確認しておく
パラメータ付きURLで表示されるWebページにリダイレクト設定が行われている場合、その設定内容に注意が必要です。
リダイレクトで遷移する際にパラメータ情報が失われてしまうと、データ収集や計測を行うことができなくなります。リダイレクトを行う際は、リダイレクト先にパラメータ情報の引き継ぎが行われるように設定を行いましょう。
※リダイレクトとは、指定したWebページから自動的に他のWebページに転送されることをいいます。
重複コンテンツの発生に注意する
パラメータ付きURLを利用する場合、重複コンテンツの発生を考慮しておく必要があります。
例えば、ECサイト等で商品の絞り込みを行う場合、絞り込みの条件が異なっても、結果として表示されるWebページの内容が同じになってしまう可能性があります。
上記の場合、ページの内容は同じでもURLが異なっているため、クローラー側には別ページとして認識されます。その結果、Webサイト内に重複コンテンツが掲載されていると認識され、SEOの観点から不利になる可能性があります。
パラメータ付きURLの活用時には、重複コンテンツが発生しないように気をつけるか、canonicalタグを利用してURLの正規化を行うなどの対策が必要となります。
間違いのないよう正しく設定する
パラメータ付きURLを利用する場合は、URLパラメータに間違いがないように、正しく設定することが大切です。
正しいURLパラメータを設定しないと計測ができないことに加え、意図したWebページが表示されない可能性があります。特にパラメータ付きURLの設定に不慣れなうちは、Webツール等を活用してミスがないように気をつけましょう。
6. まとめ
最後に、本記事で解説してきた「パラメータ付きURLの特徴や利用時の注意点」についてまとめます。
◎パラメータ付きURLの特徴や利用時の注意点
- パラメータ付きURLにはアクティブパラメータとパッシブパラメータがある
- 付与したURLパラメータごとに閲覧データを計測できる
- パラメータ付きURLにより、集客の効果測定を行うことができる
- Webツールを利用してパラメータ付きURLを作成することができる
- 重複コンテンツの発生やタイプミスが無いように注意する
パラメータ付きURLを活用することで、Webサイトの集客に効果的な広告媒体を判断することが可能です。
集客力の向上を狙った施策の費用対効果を判断する場合や、Webサイトと相性の良い広告媒体をリサーチする場合などに、パラメータ付きURLが役立ちます。
以上が、本記事のまとめです。
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