「Webサイトとランディングページ(LP)って何が違うの?」
「WebサイトとLPはどう使い分けたらいい?」
「自社にはWebサイトとLPのどちらが必要?」
このようなお悩みを持つ、初心者のWeb担当の方に向けて、「Webサイトとランディングページの違い」を図解でわかりやすく、徹底解説いたします。
この記事でわかること
- WebサイトとLPの違い(目的・役割・特徴・集客方法など)
- Webサイトとランディングページの使い分け
- 自社にランディングページは必要かどうか
読み終えていただければ、Webサイトとランディングページの違いがわかるようになり、自社のWeb集客に活かしていただけます。
1. 【図解】Webサイトとランディングページ(LP)の違いとは?
Webサイトとランディングページ(LP)の違う点は数多くありますが、最も大きな違いは「ページ数」と「構造」です。
Webサイトは、ページ数が複数で構成されており、TOPページを起点としてページからページへと複数の下層ページに遷移(せんい)できる構造です。
対して、ランディングページは、1ページ完結型のWebページのため、他のページへ遷移できる構造にはなっていません。
LPに訪れた時に最初に表示されるファーストビュー(ページの上部)から、下方向へスクロールして見てもらう仕組みです。
その他のWebサイトとLPの違いも、一覧にまとめました。
Webサイト | LP | |
---|---|---|
ページ数・構造 | ・複数ページ ・下層ページに遷移できる構造 | ・1ページ完結 ・下層ページはない |
目的 | サイトによって異なる | CV達成 |
役割 | 情報を網羅的に伝える | 短期的な売上UP |
特徴 | さまざまな種類がある | セールストークにそって展開 |
集客方法 | 検索エンジン | インターネット広告 |
デザイン | シンプル | インパクトがある |
公開期間 | 無期限 | 限定的 |
SEO対策 | 必須 | 対策しても効果を得られにくい |
作り方 | 管理しやすいシステムを活用 | 自力で作るか、外注かによって異なる |
次の章では、上記の違いについて、よりくわしく解説していきます。
2. Webサイトとランディングページ(LP)の違いを徹底解説!
①目的
Webサイトの目的は、サイトを作成する時に設定し、サイトごとに異なります。
一般的には、「企業案内」「商品・サービスの紹介」「商品の販売」「認知拡大」「企業ブランディング」「採用」などを目的としてサイトを作成・運営するケースが多いです。
対して、ランディングページの目的は、コンバージョン達成(CV達成)※です。
※コンバージョン(CV)とは、Webマーケティング用語で「成果」を意味します。
何をCVに設定するかはランディングページによって異なりますが、一般的には「購入」「申し込み」「資料請求」「お問い合せ」「予約」などをCVに設定します。
つまり、ランディングページは、訪問者に「購入」や「申し込み」といった売上に直結するアクションをしてもらうためのページなんですね。
②役割
Webサイトの役割は、サイトの目的を達成するために、サイト訪問者に対し、企業のさまざまな情報を「網羅的に提供」することです。
たとえば、あなたの会社のWebサイトの目的が「企業紹介」だとしたら、あなたの会社についての情報を、どこよりもくわしく、わかりやすく、お客さまに伝えるのがWebサイトの役割になります。
お客さまが必要とする情報を網羅したり、最新情報をまめに更新したりすることで、お客さまとの信頼性を築いていくのもWebサイトの役割のひとつといえます。
対して、ランディングページの役割は、商品やサービスのメリット(買うべき理由、必要性など)を効果的に伝え、コンバージョン率※を引き上げて短期的な売上UPを図ることです。
※コンバージョン率(CVR)とは、お問い合わせや購入といった「最終成果」に達した件数の割合のことです。
たとえば、あなたの会社が海産物を販売しているとしたら、旬の海鮮がとれる時期や、お中元やお歳暮のシーズンをねらってLPを公開し、集中的に売上アップをねらいます。
③特徴
Webサイトには、目的に応じてさまざまな種類があり、それぞれ特徴があります。
Webサイトの種類と特徴は次の通りです。
Webサイトの種類 | 特徴 |
---|---|
コーポレートサイト | 会社のWebサイトといえばこれ。 「会社案内」に該当し、企業が名刺代わりになるサイト |
サービスサイト | 自社の商品やサービスの紹介および認知拡大が目的のサイト |
ブランディングサイト | 自社のテイストやアイデンティティを明確に伝えるためのサイト(商材の販売はしない) |
ECサイト (通販サイト) | Web上の店舗の役割を持ち、商材を販売して、決済まで完了できるサイト |
オウンドメディア | 企業ブログのように自社独自のメディアを発信するためのサイト |
採用サイト | 採用に特化した専門サイト |
また、Webサイトは、どの種類であっても、新しい情報を追加したり、ページを増やしたりして、情報を増やしアップデートしていきます。
対して、ランディングページの特徴は、
- インターネット広告と組み合わせて活用する
- 他のページへのリンクが極端に少ない
- セールストークによりストーリー性をもって展開する
といった点が挙げられます。
LPにリンクが極端に少ない理由は、読者の離脱を防ぐためです。
他のページ(たとえばWebサイトのページやブログページなど)へのリンクを極力減らすことにより、「CV達成の最大化」を目指します。
④集客方法
Webサイトの集客は、GoogleやYahoo!といった検索エンジンからがメインです。
各Webページや企業ブログを、検索エンジンで上位表示※させることにより、多くの「見込み客」を獲得していきます。
※上位表示とは、一般的に検索結果の1ページ目に表示されることを指します。
Webサイトを検索エンジンで上位表示させるには、Webサイトの全コンテンツ(各Webページや企業ブログ)にSEO対策を行います。
また、Webサイトの集客は、次のような方法でも可能です。
- メルマガ配信
- プレスリリース配信
- SNSへの投稿
- SNS広告やインターネット広告(主にECサイト)
Web集客については、下記記事が役立ちます。
対して、ランディングページの集客は、インターネット広告がメインです。
LPは検索エンジンでは上位表示されにくいため、インターネット上に露出させるには、インターネット広告を活用します。
特に、リスティング広告は、ニーズが顕在化した「今すぐ客」に向けた広告なので、CV達成を目的とするLPとは非常に相性が良いです。
⑤デザイン
Webサイトのデザインは、レイアウトや使用カラー、フォントといったテイストを統一し、ある程度決めておいたフォーマットにしたがって進めていきます。
Webサイトのデザインは、企業やブランドイメージによっても異なりますが、すっきりとシンプルにまとめ、全ページに統一感を持たせて、ユーザーが長時間滞在しても疲れないように工夫します。
また、Webサイトのデザインは、他ページへの遷移のしやすさも重要なポイントです。
ページからページへと遷移してもらうWebサイトのデザインにおいて、重要な考え方としてUIデザインというものがあります。
UI(ユーアイ)とは、ユーザーインターフェースの略称で、サービスとユーザーの接点のことを指します。
Webサイトをデザインする際には、このUIを考慮して、Webサイトの操作のしやすさや、他ページへの繊維のしやすさ、使い心地、といったことを意識しましょう。
対して、ランディングページのデザインは、縦長のレイアウトです。
そして、Webサイトと比較するとメリハリがあり、派手な印象です。色やフォントにもインパクトを持たせます。
なぜなら、LPはCV達成を目的としているため、ページの最後までスクロールしてもらえるような工夫が必要だからです。
途中で離脱させないために、LPは飽きないデザイン、メリハリのある構成を意識して作成しましょう。
⑥公開期間
Webサイトの公開期間には、特に期限はありません。サービスや商品を提供する会社が存続するかぎり、無期限で公開されるのがWebサイトです。
対して、ランディングページの公開期間は、LPによっては限定的です。
たとえば、「限定商品の購入」や「セミナー申し込み」のように、販売数に限りがあったり、イベントの日程が決まっている場合には、公開期限が限定的になり、一般的なLPと比較すると短期的な公開となります。
⑦SEO対策
Webサイトには、SEO対策が欠かせません。
理由は、SEO対策を行うことにより、ユーザーが見やすく使いやすいWebサイトの構築やコンテンツ作成につながり、結果的に、検索エンジンから評価されやすくなるためです。
検索エンジンに評価されるということは、つまり、検索結果の1ページ目に表示されやすくなるということです。
対して、ランディングページは、1ページ完結なのでSEO対策を十分に行える構造・情報量ではないため、検索エンジンの評価は得られにくく、上位表示はされにくい傾向があります。
上位表示されなくても、LPの「文章」はSEOを意識すべき理由
「LPはSEO対策をしても上位表示されにくい」という理由から、LPの作成時にSEO対策を無視するケースがありますが、実はそれは誤りです。
LPのセールストークとして掲載する「キャッチコピー」「ボディコピー」「見出し」「本文」といった文章は、SEOを意識して作成することにより、ユーザーニーズを的確にとらえた文言に仕上げることができます。
たとえ、LPが上位表示されにくいコンテンツであっても、ユーザー意図を意識し、「読んで良かった」「自分に必要な情報だった」と思ってもらえるコンテンツ作りが大切なんですね。
⑧作り方
Webサイトを作る時は、ページ数を増やしていくことを前提とし、ページを管理しやすいCMS※というシステムを利用して構築していくケースが多いです。
※CMS(シーエムエス)は、プログラミングの専門知識がない方でも、スムーズにWebサイトを構築できるシステムです。
対して、ランディングページは、自社で作成するか、制作会社に依頼するかで作り方が変わってきます。
自社で作る場合には、ランディングページ作成ツール(無料or有料)を活用するのがおすすめです。
おすすめの無料LP作成ツール
- ペライチ
- Wix(ウィックス)
- Jimdo(ジンドゥー)
制作会社に依頼する場合には、その会社が採用するシステムを使って作ることになります。
また、LPの「作る手順」については、下記ページの「8. ランディングページ(LP)の作り方の手順【3ステップ】」が参考になります。
3. Webサイトとランディングページはどう使い分ける?
Webサイトは「中・長期的な集客」が得意
Webサイトは、「中長期スパンでの集客」に強いです。
集客できるようになるまでは、6カ月〜1年といった時間がかかりますが、地道に運営することにより、コンスタントに集客が見込めるようになり、Web集客の主軸に育てられます。
集客まで時間がかかる理由として、Webサイトがコンテンツマーケティング※に分類されることが挙げられます。
※コンテンツマーケティングとは、Webサイトを構成する各Webページやブログ記事といった「コンテンツ」の品質を高め、ユーザーに価値がある情報を提供することで、集客につなげる手法です。
コンテンツマーケティングは、認知を広めたり、見込み客を増やしたりといったことを得意とする手法です。
つまり、中・長期にわたり「未来のお客さま」を広く集めることが可能です。
ランディングページは「短期的な集客」に強い
ランディングページは、Webサイトとは異なり「短期的な集客」が得意です。
その理由は、LPはニーズが顕在化した「今すぐ客」向けの施策だからです。インターネット広告とLPを組み合わせて集中的な集客を実現できます。
4. Webサイトはあるけど、ランディングページも作るべき?
結論を先にいうと、LPはどの企業も1度は検討すべきです。
理由は、LPは「購入」「申し込み」といったCV達成に特化したコンテンツなので、会社の売り上げに直結するためです。
WebサイトとLPではターゲットとなる顧客層が異なるため、理想は、WebサイトとLPを常時併用して集客を行う手法です。
とはいえ、LPには広告運用が必要になるため、現実的に考えると「予算が取れない……」という企業も多いかと思います。
そんな企業には、必要に応じてLPを活用する手法をおすすめします。
Webサイト運用を基本とし、必要に応じてLPで集客する「ハイブリッド型」がおすすめ
まずは、Webサイトの運用を基本とし、中長期的に「見込み客」を集めていきます。
そして、集中的な集客を必要とする時には、LPを活用して「今すぐ客」を短期的に集め、収益アップを図ります。
また、Webサイトで中長期的に集めた見込み客を、タイミングをみて、広告によってLPに流入させる手法もあります。
5. ちなみに、ECサイトとランディングページはどう使い分けるの?
ECサイトとランディングページの違い
ECサイトは、企業が販売する商品が豊富に取りそろえてある、Web上の店舗です。
お客さまがECサイトに訪問すれば、その企業の商品がほぼコンプリートできる、商品カタログのようなイメージです。
対して、ランディングページは販売する商品を1ページ1つに絞ります。厳選した1つの商品を集中して売るための特化型のお店がLPです。
それぞれメリットが異なるため、組み合わせて利用するケースが多い
ECサイトとLPは、組み合わせて活用するケースが多いです。
色々な活用の仕方がありますが、「ECサイトは既存顧客向け」「LPは新規顧客向け」として、使い分ける手法があります。
あなたの会社の商品を、すでに購入したことがある、または、すでにファンになっている顧客層には、「他の商品も見てみたい」「違うものも試してみたい」といったニーズが生まれます。
こういった既存顧客やリピーターは、ECサイトから購入する方が多く、サイトをお気に入りにブックマークする確率も高くなります。
ECサイトは品ぞろえが豊富で、たとえるなら「百貨店」のような存在で、ファン化した顧客にマッチしているのです。
対して、LPは新規顧客の体験の入り口として活用するのが向いています。
自社の目玉商品や人気商品をLP経由で購入・利用してもらい、質のよい「顧客体験」をしてもらうのです。
質のよい顧客体験ができる商品とは、たとえば、ユニクロなら「ヒートテック」、野菜宅配のらでぃっしゅぼーやなら初回限定の「旬の野菜お試しセット」が該当します。
最初に良い顧客体験ができれば、2回目も買ってもらえる確率は上がります。
このように、ECサイトとLPは、それぞれ戦略的に顧客体験を設計して活用するのがおすすめです。
6. まとめ
最後に「Webサイトとランディングページの違い」をまとめます。
Webサイト | LP | |
---|---|---|
ページ数・構造 | ・複数ページ ・下層ページに遷移できる構造 | ・1ページ完結 ・単一ページ構成なので、下層ページは存在しない |
目的 | サイトによって異なる | CV達成 |
役割 | ・情報を網羅的に伝える ・信頼を構築する | ・商材のメリットを効果的に伝える ・短期的な売上UP |
特徴 | ・さまざまな種類がある ・新規情報やページを増やす | ・広告と組み合わせて運用 ・他ページへのリンクが少ない ・セールストークにそって展開 |
集客方法 | 検索エンジン | インターネット広告 |
デザイン | ・シンプル ・統一感を持たせる ・遷移しやすいUIデザイン | ・インパクトがある ・縦長のレイアウト ・飽きさせないデザイン |
公開期間 | 無期限 | 限定的 |
SEO対策 | 必須 | 対策しても効果を得られにくい |
作り方 | 管理しやすいシステムを活用 | 自力で作るか、外注かによって異なる |
LPは、CV達成に目的をしぼった施策なので、短期間の売上アップに有効です。
どの企業も、1度検討されることをおすすめします。
「LPを活用して短期的に収益を上げたい」「LPを導入したいが、具体的なやり方がわからない」といったお悩みを抱えている方は、ぜひ一度弊社までご相談ください。