「コンテンツマーケティング=オウンドメディアなの?」と混同されがちですが、これらは同じものではありません。コンテンツマーケティングとオウンドメディアは、意味も目的も異なります。
実は、WebマーケティングやWeb集客を始める際に、コンテンツマーケティングとオウンドメディアの違いを把握しておくことは重要です。なぜなら、それぞれの役割と全体像を理解することで、自社は何から始めるべきか?が明確になるからです。
ここでは、コンテンツマーケティングとオウンドメディアの違いを解説していきます。読み終えていただければ、コンテンツマーケティングとオウンドメディアの違いが明確になり、自社のWebマーケティングやWeb集客に活かすことができます。
では、さっそく解説していきます!
1. コンテンツマーケティングとオウンドメディアの違い
簡単に言うと、コンテンツマーケティングは「施策(手法)」、オウンドメディアは「媒体(メディア)」のことです。コンテンツマーケティングという施策(手法)の中に、オウンドメディアというメディアが存在するといった位置づけになっています。
コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングとは、見込み顧客に価値のある情報(お悩みや疑問に答えるコンテンツ)を共有して関心を集め、ニーズを育成し、購買意欲を高めるとともに最終的にファン化を目指すマーケティングの方法のことです。
コンテンツマーケティングには、企業ブログ、ホワイトペーパー、eBook、メールマガジン、YouTubeなどの動画、セミナーなど、オンラインからオフラインまで多くの種類があります。
さまざまな顧客(潜在顧客・顕在顧客・既存顧客)に合わせ、適切なコンテンツを段階的に提供し、ニーズを育てていきます。
コンテンツマーケティングの基礎知識と実践方法について、くわしくは下記の記事で解説しています。
オウンドメディアとは
オウンド(owned)は、「所有する」「自分の、自らの」といった意味があり、オウンドメディアとは、自社が所有するメディア、自社のメディアという意味です。
オウンドメディアは、自社で運営・管理する企業ブログや、コンテンツサイトといったWeb上のメディアを指すことが多く、場合によって、自社のパンフレットや小冊子といったアナログのメディアを含めることもあります。
2. オウンドメディアとトリプルメディアの関係性
「トリプルメディア」という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。
この「トリプルメディア(3つのメディア)」を構成する1つが、オウンドメディアです。
トリプルメディアとは
トリプルメディアとは、「ペイドメディア」「アーンドメディア」「オウンドメディア」の3つのメディアのことです。
これらトリプルメディアは、それぞれ目的(得意とすること)が異なります。よって、活用する際には、どれか1つに偏るのではなく、それぞれを上手に活用することが理想とされています。
ペイドメディアとは
ペイドメディアとは 、料金を支払うことで利用できるメディアのことで、テレビCMや新聞広告、ラジオCM、Web広告などが挙げられます。
ペイドメディアは、「認知」「集客」を目的として使用されるメディアで、特にWeb広告(主にリスティング広告)は、即効性のある集客を目的とし利用されています。
リスティング広告での集客については、下記の記事でくわしく解説しています。
アーンドメディアとは
アーンドメディアとは 、ユーザーや消費者が情報発信の起点となるSNSのような外部メディアのことです。代表的なものとして、TwitterやFacebook、Instagramなどを含むソーシャルメディア、ブログ、口コミなどがあります。
アーン(earn)は「獲得する」といった意味があり、ここでは、ユーザーの声によって信用・評判・共感を獲得するという意味で使われています。アーンドメディアの特徴は、ユーザーの評価や意見、共感などがダイレクトに伝わり、広がっていくことです。
また、最近ではアーンドメディアを利用して、既存顧客(ファン)との双方向のコミュニケーションにより信頼を獲得する企業も増えています。企業側は、直接商品やサービスを売り込む情報を発信するのではなく、ユーザーの興味・関心をひくコンテンツや写真により、ファン化を促し、信頼・評判の獲得を目指します。
自社で運営・管理するオウンドメディアに対し、これらアーンドメディアは他社が運営するメディアで、自らコントロールすることはできないため、炎上やアカウント削除といったことが起こるケースもあります。
3. コンテンツマーケティングとオウンドメディアの役割(目的)
コンテンツマーケティングの目的は、「顧客のニーズを育てていくこと」です。ニーズを育てるというのは、ユーザーの気持ちを高めていく行為を指します。
オウンドメディアはコンテンツマーケティングの一部なので、大きな目的としては一緒なのですが、より詳細に見ていくと、オウンドメディアの役割は「見込み顧客へのアプローチ」と「ブランディング」に特化しています。
ひとつずつ解説していきます。
◎見込み顧客へのアプローチ
前述したように、コンテンツマーケティングは、潜在顧客・顕在顧客・既存顧客といったさまざまな顧客に対して段階的に行うものですが、コンテンツマーケティングの一部であるオウンドメディアは、主に最初の段階の「潜在顧客」に対して発信するメディアです。
見込み顧客が抱えるお悩みや疑問・不安にこたえる、お役立ちコンテンツ(価値のあるコンテンツ)を提供し、信頼感を獲得していきます。
◎ブランディング
オウンドメディアのもうひとつの役割として「ブランディング」があります。
見込み顧客にとって有益なコンテンツを提供し信頼感を獲得することで、企業の商品やサービス、そして企業そのものの価値を高めること(ブランド構築)につなげていきます。
4. コンテンツマーケティング、オウンドメディアを始める前に知っておくべきこと
◎コンテンツマーケティングを始める前に
コンテンツマーケティングを始める前に、最も重要なことは、「コンテンツが継続して作成できる体制か?」ということを把握し、もし継続が難しいようであれば、その体制を整えるところからスタートします。
コンテンツマーケティングは、企業ブログのようなオウンドメディアから、ホワイトペーパーやメールマガジンなど、さまざまですが、どのコンテンツを始めるにしても継続して作成し発信することが大前提です。オフラインのコンテンツであるセミナーも同様で、1回だけで終わらせるのではなく、継続して開催することが大切です。
しかし、コンテンツの作成(およびセミナー開催)は簡単ではないため、体制を整えてから始めないと、継続できずに結果を出せないまま終わってしまうケースがほとんどです。社内で継続してコンテンツを作成を作成することが難しい場合には、外部の制作会社にアウトソーシングするのが現実的です。
コンテンツ作成の体制の整え方については、下記の記事の最終章でくわしく解説しています。
◎オウンドメディアを始める前に
オウンドメディア(企業ブログなど)を始める前に、まず「目的」を明確にしておきましょう。
たとえば、企業ブログを始めるとしたら
- どのような目的で
- 誰に
- どんな情報を発信するのか
これらを明らかにし、作成チームと共有します。
目的が明確になったら、次に企業ブログのガイドラインを作成します。最初は大まかで構いませんので、主に下記のようなことを決めていきます。
【ガイドラインの例】 | |
---|---|
更新日程 | 月○本、毎週○曜日更新など |
業務担当者 | 執筆・校正・編集・分析など |
制作フロー | 企画〜入稿までの業務タスクを設ける |
コンテンツテーマ | 取り扱う記事の大まかなテーマを決める |
コンテンツの構成 | 見出し、段落、図表はどうするか、大まかな文字数など |
キーワード設定 | 上位表示をねらうキーワード一覧を作成 |
方向性を定め、チーム全員が把握しておくことで、事前にミスを防ぐことができますし、効率化を図れます。
5. まとめ
最後に、本記事で紹介してきた内容についてまとめます。
【コンテンツマーケティングとオウンドメディアの違い】
- コンテンツマーケティングは「施策(手法)」
- オウンドメディアは「媒体(メディア)」のこと
- コンテンツマーケティングという施策(手法)の中に、オウンドメディアというメディアが存在するといった位置づけ
【コンテンツマーケティングとは 】
見込み顧客に価値ある情報を共有して関心を集め、ニーズを育成し、最終的にファン化を目指すマーケティングの方法のこと
【オウンドメディアとは 】
- 自社が所有するメディアのこと
- 企業ブログや、コンテンツサイトといったWeb上のメディアを指すことが多い
【オウンドメディアとトリプルメディアの関係性 】
トリプルメディアとは、ペイドメディア・アーンドメディア・オウンドメディアの3つのメディアのこと
【コンテンツマーケティングとオウンドメディアの役割(目的)】
- コンテンツマーケティングの目的は、「ニーズを育成すること」
- オウンドメディアの役割は、「見込み顧客へのアピール」「ブランディング」
【コンテンツマーケティングを始める前に知っておくべきこと】
コンテンツを継続して作成できる体制を整えることが最重要!
【オウンドメディアを始める前に知っておくべきこと】
- 目的を明確にする
- ガイドラインを作成
コンテンツマーケティングとオウンドメディアについては理解したものの、企業によっては具体的にどのように着手すべきかわからないという方もいらっしゃるかもしれません。
「コンテンツマーケティングで課題を解決したい」「オウンドメディアを運用したいが人材が足りない」といったお悩みを抱えている場合には、ぜひ弊社までご相談ください。
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