インターネット広告の1つに、ディスプレイ広告があります。ディスプレイ広告を利用するとスマートフォンアプリやWebサイト上に広告を表示させることができ、広告に関心を抱いたユーザーを集客することが可能です。検索行動を行っていないユーザーに情報発信ができるため、潜在的な顧客を獲得するのにディスプレイ広告は効果的です。
そのディスプレイ広告を十分に活用するためには、ディスプレイ広告の課金方式や費用の相場を理解しておくことが大切になります。 併せて、ディスプレイ広告の費用対効果の改善のために取るべき手段を把握しておくことも重要です。
リスティング広告と同様に、集客を行いたいユーザーごとに適した配信設定を行うことで、ディスプレイ広告の費用対効果は高まっていきます。
本記事では、ディスプレイ広告の課金方式や費用の相場を解説することに加え、費用対効果を高めるために必要な対策を説明します。 読み終えていただければ、ディスプレイ広告の費用感や運用時の注意点を理解できるはずです。
それでは、さっそく解説を進めていきます!
1. ディスプレイ広告とは
ディスプレイ広告とは、Webサイト・アプリなどに一定の枠を取って表示される、画像・動画・テキスト形式の広告のことを指します。バナー広告と呼ばれることもあります。さまざまなWebサイトやアプリ上に広告配信ができて、検索行動を行っていないユーザーに訴求が可能なため、潜在的な顧客の獲得に適しています。
ディスプレイ広告に関しては、下記の記事でくわしく解説していますので参考にしてみてください。
2. ディスプレイ広告の課金方式・費用発生のタイミング
ディスプレイ広告を運用する際、費用が発生するタイミングや課金方式を理解しておくことは大切です。基本的にはクリック課金型とインプレッション課金型に分類されますが、YouTube広告ではさらに細かく分類することができます。
ディスプレイ広告の課金方式について簡単にまとめると、下記のようになります。
広告種別 | 課金方式 |
---|---|
Googleディスプレイネットワーク(GDN) | ・クリック課金型 ・インプレッション課金型 ・コンバージョン課金型 |
Yahoo!ディスプレイ広告 運用型(YDA) | ・クリック課金型 ・インプレッション課金型 ・動画視聴課金型 |
YouTube広告 | ・クリック課金型 ・インプレッション課金型 ・動画視聴課金型 |
ディスプレイ広告ごとに、課金方式や費用発生のタイミングは異なります。
それでは、各ディスプレイ広告の課金方式についてくわしく解説します。
Googleディスプレイネットワーク(GDN)
ディスプレイ広告の1つに、Googleディスプレイネットワーク(GDN)があります。GDNでは、さまざまなWebサイトやアプリに広告表示を行うことができます。
GDNの課金方式は、大きく下記の3種類に分類できます。
①クリック課金型
クリック課金型では、GDNの広告がクリックされた際に費用が発生します。広告の表示回数と費用は関係がなく、あくまで広告のクリック数(ランディングページに流入した回数)に基づいて費用が決定されます。
最終的な費用は、クリック総数とクリック単価(クリック1回で生じる平均費用)によって決まります。
②インプレッション課金型
インプレッション課金型では、GDNの広告が表示された際に費用が発生します。クリック数ではなく表示回数に重点をおいた課金方式であるため、広告自体の周知を拡大したい場合にインプレッション課金型が用いられます。
最終的な費用は、表示回数の総数とインプレッション単価(広告を1,000回表示させるために必要な平均費用)によって決まります。
③コンバージョン課金型
コンバージョン課金型では、GDNの広告によってコンバージョンが発生した件数に基づいて費用が発生します。コンバージョンが無ければ費用が発生しない、成果報酬型の課金方式になります。
最終的な費用は、コンバージョン総数とコンバージョン単価(コンバージョン1件の獲得に必要な平均費用)によって決まります。
Yahoo!ディスプレイ広告 運用型(YDA)
Yahoo!が提供するディスプレイ広告が、Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)です。YDAを利用すると、さまざまなWebサイトやアプリに広告表示を行うことができます。
①クリック課金型
クリック課金型では、YDAの広告がクリックされた際に費用が発生します。広告の表示回数と費用は関係がなく、あくまで広告のクリック数(ランディングページに流入した回数)に基づいて費用が決定されます。
最終的な費用は、クリック総数とクリック単価(クリック1回で生じる平均費用)によって決まります。
②インプレッション課金型
インプレッション課金型では、YDAの広告が表示された際に費用が発生します。クリック数ではなく表示回数に重点をおいた課金方式であるため、広告自体の周知を拡大したい場合にインプレッション課金型が用いられます。
最終的な費用は、表示回数の総数とインプレッション単価(広告を表示させるために必要な平均費用)によって決まります。
③動画視聴課金型
動画視聴課金型では、YDAの広告が表示されて動画を閲覧された際に費用が発生します。YDAでは、ユーザーが動画広告を10秒以上視聴すると、費用が発生します。
最終的な費用は、広告視聴総数と広告視聴単価(広告視聴1回で生じる平均費用)によって決まります。
YouTube広告
YouTubeの動画を広告として活用するのが、YouTube広告になります。配信広告に動画を利用することで、訴求力を高めている点がポイントです。
YouTube広告にはいくつか種類があります。その種類ごとの課金方式は、下記の通りです。
①インストリーム広告
YouTubeの動画再生の開始時や、再生途中に表示される広告がインストリーム広告です。インストリーム広告では動画視聴課金型を採用していて、ユーザーが動画広告を30秒以上視聴すると、費用が発生します。
最終的な費用は、広告視聴総数と広告視聴単価(広告視聴1回で生じる平均費用)によって決まります。
②ディスカバリー広告
YouTubeのトップページや検索結果画面などに表示される広告が、ディスカバリー広告になります。ディスカバリー広告ではクリック課金型を採用しています。
最終的な費用は、クリック総数とクリック単価(クリック1回で生じる平均費用)によって決まります。
③バンパー広告
インストリーム広告と同様に、YouTubeの動画再生の開始時に流れる広告がバンパー広告です。動画広告を流せる時間が最大6秒と短いですが、ユーザーが広告再生をスキップできない点が特徴です。
バンパー広告ではインプレッション課金型を採用しており、最終的な費用は表示回数の総数とインプレッション単価(広告を1,000回表示させるために必要な平均費用)によって決まります。
④アウトストリーム広告
YouTube広告の中で、スマートフォンに特化した動画広告がアウトストリーム広告になります。アウトストリーム広告を利用すると、各種WebサイトやアプリといったYouTube以外のネットワークに動画広告を配信できます。
アウトストリーム広告では、広告面積の50%以上を2秒間以上にわたって表示させることで費用が発生します。また、アウトストリーム広告はインプレッション課金型を採用しており、最終的な費用は表示回数の総数とインプレッション単価(広告を1,000回表示させるために必要な平均費用)によって決まります。
⑤マストヘッド広告
YouTubeのトップページ上部に表示される広告が、マストヘッド広告になります。目立つ位置に広告表示を行えるため、認知度向上が期待できます。
マストヘッド広告の費用は、インプレッション単価もしくは日別単価で決まります。他の広告種別と比べて、費用は高めになる傾向があります。
3. ディスプレイ広告のクリック単価や費用の相場
ディスプレイ広告の運用をスタートする際、広告ごとのクリック単価や費用の相場を把握しておくことは大切です。ここでは、ディスプレイ広告の広告種別ごとのクリック単価や費用の目安を解説します。
ディスプレイ広告の費用感について簡単にまとめると、下記のようになります。
広告種別 | 課金方式 | 費用目安 |
---|---|---|
Googleディスプレイネットワーク(GDN) | ・クリック課金型 ・インプレッション課金型 ・コンバージョン課金型 | ・50~100円/クリック ・400~600円/1,000回表示 ・商材による |
Yahoo!ディスプレイ広告 運用型(YDA) | ・クリック課金型 ・インプレッション課金型 ・動画視聴課金型 | ・50~100円/クリック ・商材や配信期間による ・8~10円/広告視聴1回 |
YouTube広告 | ・クリック課金型 ・インプレッション課金型 ・動画視聴課金型 | ・3~20円/クリック ・400~600円/1,000回表示 ・3~20円/広告視聴1回 |
それでは、各ディスプレイ広告の費用の目安を説明します。
Googleディスプレイネットワーク(GDN)
Googleディスプレイネットワーク(GDN)の費用の相場は、課金方式ごとに下記のようになります。実際の運用で生じる費用は、扱う商材やサービスによって異なります。
- クリック単価(クリック課金型):50~100円/クリック
- インプレッション単価(インプレッション課金型):400~600円/1,000回表示
広告の配信条件によっても、広告単価や費用が変わります。上記の費用感はあくまで目安ですが、運用時の参考にしてください。
Yahoo!ディスプレイ広告 運用型(YDA)
Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)の費用の相場は、下記のようになります。実際の運用で生じる費用は、扱う商材やサービスによって異なります。
- クリック単価(クリック課金型):50~100円/クリック
広告のターゲティング条件によっても、広告単価や費用が変わります。上記の費用感はあくまで目安ですが、運用時の参考にしてください。
YouTube広告
YouTube広告の費用の相場は、課金方式ごとに下記のようになります。実際の運用で生じる費用は、扱う商材やサービスによって異なります。
- クリック単価(クリック課金型):3~20円/クリック
- インプレッション単価(インプレッション課金型):400~600円/1,000回表示
- 広告視聴単価(動画視聴課金型):3~20円/広告視聴1回
広告の配信条件によっても、広告単価や費用が変わります。上記の費用感はあくまで目安ですが、運用時の参考にしてください。
4. ディスプレイ広告の費用対効果の改善に必要なこと
ディスプレイ広告では、配信条件次第でクリック単価や費用が異なります。そのため、広告運用の費用対効果を改善するためにはクリック単価を下げて運用することのほかに、適切な配信条件を設定する必要があります。
基本的には、適切なユーザーに向けた配信設定を行うことで不要なコストを削減し、効率的に広告運用を行うことが重要です。
ここでは、ディスプレイ広告の費用対効果改善につながる配信条件を解説します。
広告配信のターゲット設定の検討
ディスプレイ広告の配信を行う際、コンバージョンにつながりやすいユーザーに配信を行うことが重要です。併せて、コンバージョンにつながりにくいユーザーを配信除外することで、無駄なコストの削減につながります。
ディスプレイ広告では、配信するユーザーに関して下記のようなターゲット設定を行うことが可能です。
- 年齢
- 性別
- 世帯収入
- 子供の有無
扱う商材やサービスを考慮して、適切なターゲット設定で広告運用を行うことが重要になります。
広告配信を行う曜日・時間帯の検討
ディスプレイ広告の運用を行うにあたり、広告配信を行う曜日や時間帯の設定を行うことができます。
扱う商材やサービスによっては、特定の曜日や時間帯に配信を集中することで、コンバージョンにつながりやすいケースがあります。広告費のコスト削減&費用対効果の改善のために、広告配信を行う曜日や時間帯の検討も重要になります。
使用する画像やテキストの見直し
ディスプレイ広告の運用で重要な要素の1つに、広告に使用する画像やテキストが挙げられます。魅力的な画像や表現を使用するとクリック率が高まり、ランディングページと合致性の高い画像や表現を使うことでコンバージョン率が向上します。
広告運用の費用対効果を改善するためには、広告に使用している画像やテキストを吟味することが大切です。
広告のランディングページの検討
ディスプレイ広告の設定だけではなく、ランディングページの見直しも費用対効果の改善に必要です。ランディングページの読み込み時間が長かったり、申し込みボタンが探しづらかったりすると、ユーザーの離脱を招く危険性があります。
ディスプレイ広告の運用と併せて、ユーザビリティの高いランディングページを準備することも、費用対効果の改善に重要となります。
5. まとめ
最後に、本記事で解説してきた「ディスプレイ広告の費用や費用対効果の改善方法」についてまとめます。
◎ディスプレイ広告の費用や費用対効果の改善方法について
- クリック課金型では、広告クリック時に費用が発生する
- インプレッション課金型では、広告表示の際に費用が発生する
- 動画視聴課金型では、広告動画を視聴された際に費用が発生する
- 広告種別ごとに、費用発生のタイミングや費用感が異なる
- 費用対効果の改善には広告配信設定やランディングページの検討が重要
自社サービスに適したディスプレイ広告を選択し、適切な配信設定やランディングページを使用して集客を行うことが大切です。コンバージョンにつながりやすいユーザーを見極め、そのユーザーごとに適した広告配信を行えるように運用を進めていきましょう。
以上が、本記事のまとめです。
「集客にWeb広告運用を使ったことがない」「適切な運用方法がわからない」といったお悩みを抱えている場合には、ぜひ1度弊社までご相談ください。
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