Webサイトを運用していると、課題が見えてきたり、改善が必要になるのは当然のことです。そして、その課題を解決するための手段として、サイトリニューアルを検討されている方も多いことでしょう。
しかし、サイトリニューアルさえすればこの先の運用がすべてうまくいくというわけではありません。サイトリニューアル前に課題やゴール設定をしっかりと行うことや、制作会社とのコミュニケーション、リニューアル後の運用方法など、押さえておくべきポイントがたくさんあります。
今回は、サイトリニューアルの検討前に知っておきたい5つのことを解説!Webサイトリニューアルを検討している方や、検討の前段階の方にも大切なサイトリニューアルのポイントを確認していきましょう。
1. サイトリニューアルの課題や目的とは?
サイトリニューアルをしたいと思った理由として、どのようなことがあげられるでしょうか?まずは、サイトリニューアルする際の課題や目的になりやすい5つの例を説明していきます!
デザインの老朽化
まず、1つ目にあげられるのは、デザインの老朽化。
Webサイトを訪れた際に、「デザインが古い」「操作性が悪い」「知りたい情報が見つからない」といったように、マイナスのイメージを持たれてしまうと、サービス内容や商品がどれだけ素晴らしくてもお問い合わせや購入につながりづらく、本来のパフォーマンスを発揮できません。このような課題から、サイトリニューアルを実施するケースも少なくありません。
情報過多
必要以上に多くの情報や機能は、ユーザーがサイト内を回遊するうちに求めていた情報を見失ってしまい、離脱の原因となってしまいます。ユーザーの滞在時間を延ばすために、離脱しない構造や仕組みづくりは不可欠ですが、過度な情報の詰込みは逆効果です。
情報過多による離脱が見受けられる場合には、UI・UXを改善するためのサイトリニューアルを検討しましょう!
更新の滞り(運用ができていない)
Webサイトを運用していくにあたり不可欠なコンテンツの更新作業。しかし、使いづらいCMSやHTMLがわからないと更新できない仕組みのWebサイトは、ついつい更新をほったらかしにしてしまいがちです。
Webサイトの更新が滞ってしまうと、コンバージョンやリピーターの獲得などに悪影響を与えてしまうこともあります。定期的にコンテンツを更新しやすいWebサイトにリニューアルできるよう心がけましょう。
スマホ対応(レスポンシブ)ができていない
レスポンシブWebデザインとは、PCやスマホ、タブレットに対応してフレキシブルな画面構成を可能とするWebデザインのこと。
スマホの利用率が高まっている現代では、PC以外の操作性も非常に重要です。スマホ対応ができていないWebサイトを運用している場合、サイトリニューアルの際には、スマホユーザーを考慮したレスポンシブWebデザインに改修することをおすすめします。
Webサイトのスマホ対応やレスポンシブWebデザインについてくわしくは下記記事で解説しています。
SSL(セキュリティ)対応ができていない
SSLとは「Secure Sockets Layer」の略で、ブラウザとサーバ間でデータを暗号化してやりとりする仕組みのことです。
SSL対応ができていないと、アドレスバーの前方に「保護されていない通信」という表記がされてしまいます。SSL対応の徹底は、ユーザーへの信頼にもつながります。お問い合わせフォームやログインページといった個人情報を取り扱うページはもちろんのこと、サイト内すべてのページにSSL対応を進めていきましょう。
2. サイトリニューアルによって起こる変化
では、サイトリニューアルをにはどのようなメリットがあるのでしょうか?サイトリニューアルによって実現できることはさまざまありますが、代表的な項目とその必要性をご紹介していきます!
どんなことが実現できる?
Webサイトのデザインを大幅に改善できる
デザインの変更は、サイトリニューアルをする際に実現できる大きな変化のひとつです。
前述したように、デザインが古かったり、操作性が悪かったりすると、ユーザーに離脱されてしまう可能性が高まります。サイトリニューアルの際に、最先端のデザインを取り入れたり、使いやすいサイトデザインにすることで、直帰率や離脱率の改善も可能です。ユーザーにとっても、ストレスなく利用できるWebサイトは、サービスイメージの向上にもつながります。
SEOの改善により検索結果の掲載順位が上がる
「アクセスが増えない」「コンバージョンが得られない」などの課題がある場合、SEO対策のやり方に問題があるかもしれません。
SEO対策は、内部のソースコードから全体に関わる設計まで見直していく必要があるため、サイトリニューアルはSEO改善の絶好のチャンスです!SEOの改善によって掲載順位が上がれば、アクセス数やコンバージョン数の向上も可能です。
スマホ対応(レスポンシブ)ができる
サイトリニューアルをするにあたって、スマホ対応はとても重要。スマホ画面で見たときに、読みやすい文字の大きさやレイアウト構成になるようなサイトリニューアルを心がけましょう。
レスポンシブWebデザインでは、1つのHTMLの変更でPCとスマホの両方を同時に編集できます。更新作業の効率化という意味でも、スマホ対応はおすすめです。
更新作業や管理が楽になる
Webサイトを運用していくうえで、コンテンツの更新作業は非常に大切です。サイトリニューアルの際には、コンテンツ管理システムを見直しましょう。
更新頻度が高いページがCMS化されていない場合は、WordPressなどを利用してCMS化させておくと非常に便利です。使いやすいCMSを利用することで、コンテンツの更新作業や管理が楽になることでしょう。
セキュリティ対策ができる
お問い合わせフォームやログインページといった個人情報を取り扱うページがある場合は特に、セキュリティ対策を徹底しましょう。
セキュリティ対策の中でも重要なのがSSL化。以前は、お問い合わせフォームやログインページといった個人情報を取り扱うページをSSL化することが一般的でしたが、現在では、サイト内すべてのページにSSLを適用することが推奨されています。セキュリティ対策をしっかり取っておくと、ユーザーへの信頼にもつながります。
お問い合わせが増える
掲載順位が上がると、自社商品やサービスを多くの人に見てもらえるようになり、Webサイト経由のお問い合わせが増えやすくなります。
検索順位だけでなく、サイトにたどり着いてからお問い合わせフォームへの導線が適切かどうか、ペルソナ設計がしっかりとできているかどうかなど、サイトリニューアルをきっかけにしっかりと見直していくと確実にお問い合わせを増やしていくことができるでしょう。
メリットや必要性とは?
Webサイトを運用していく中でより良いサービスにするために、サービス形態の変更や運用方法の見直しが必要となることは珍しくありません。また年数を重ねるごとに、ページや写真が増えて、カテゴリ分けが複雑化してしまうことも。
サイトリニューアルを行う最大のメリットは、いま必要なものと不要なものの洗い出しや改善点などを改めて整理できることです。いま必要とされるWebサイトにリニューアルすることで、ユーザービリティの向上が期待でき、最終的にはコンバージョン数の獲得にもつながります。
そこで、サイトリニューアルをする際にもっとも重要なのが、既存サイトの課題の分析です。時には、競合サイトの分析から自社サイトの課題が見つかることもあると思います。事前準備をしっかりとして、サイトリニューアルに臨めば成果につなげることができるでしょう。
サイト改善に欠かせない「課題抽出」や「サイト分析」の手順については下記記事で解説しています。
3. 制作会社の選び方
せっかくサイトリニューアルをするなら、制作会社選びはしっかりと行いたいですよね。
Web制作会社にも得意、不得意分野があります。すでにお付き合いのある制作会社だけでなく、さまざまな観点から比較検討して選びましょう!
たとえば、以下のような観点があります。
- 目指す目的に共感、共有できる会社か
- コミュニケーションがとりやすい会社か
- 制作実績に参考とするサイトがあるか
- 費用面で最適な提案をしてくれるか
「制作会社の選び方」に関して、くわしくは下記の記事にて説明しておりますので参考にしてみてください。
4. 依頼する側にもある自分たちの役割とは?
サイトリニューアルは、制作会社に依頼したら終わり!ではありません。
課題の洗い出しやゴール設定など、サイトリニューアルが始まる前の準備から、制作会社との連携、サイトリニューアル後の運用など、依頼する側もやるべきことはたくさんあります。
実際に、サイトリニューアルはどのような流れで行われるのか?全体像を下記の記事でくわしく説明しています。流れを把握して、動くことを明確にしておくといいでしょう。
サイトリニューアルの目的を明確にする(ゴール設定)
サイトリニューアルを成功させるためにも、ゴール設定は不可欠です。
コンバージョン率は何パーセントまで延ばしたいか?直帰率、離脱率はどれくらい改善したいか?というように、より具体的な数値目標を設定しましょう!
現在の課題を洗い出す
まずは、現在の課題をはっきりとさせておきましょう。
デザインを新しくしたい、コンバージョン数を増やしたい、機能性を向上させたいなど、さまざまな課題があると思います。この課題の洗い出しがとても重要で、これをもとに要件定義書やワイヤーフレームなどを作成していきます。
サイト制作会社とコミュニケーションを取る
課題やゴール設定のすり合わせを制作会社と行いましょう。今回のリニューアルにおいて実現して欲しいことを、要件定義書などに整理して作成しておくとスムーズです。その後、サイトマップの作成やデザインを確定させていきます。
さらに、レイアウトや各ページへの導線、機能などを確認するためのワイヤーフレームを作成しておくと、制作会社とも完成イメージを共有できるようになります。
原稿の用意
作成したいページに沿って、原稿や写真を用意していきましょう。
簡単な作業のように思われがちですが、新規コンテンツの作成はもちろんのこと、既存のコンテンツのリライトも大切でかなり時間のかかる作業です。コンテンツ作成も制作会社に依頼することができますが、自社で作成する場合はスケジュールに余裕を持って取り組みましょう!
原稿の書き方については、下記の記事が参考になります。
スケジュール管理
スケジュール管理、タスク管理があいまいだと、作業が漏れてしまうこともあります。社内はもちろんこと、制作会社とも共通で確認できる管理表を用意しておきましょう。
誰が、いつまでに、何をやるのか、ということをはっきりと明記しておくとスムーズです。
公開前のテストや確認作業
公開前のテストや確認作業はマストです。お問い合わせフォームがある場合は、入力した内容が正しく送られているかどうか、確認画面、完了画面にページが遷移するか、といった点を確認しましょう。
制作会社も納品前にひと通りのチェックを行ってくれるのが一般的ですが、一度納品されてしまうと追加修正にはコストがかかってしまうこともあるので、自社でも必ずタブルチェックを行うとよいでしょう。
5. 【重要】リニューアルしなくてもサイト改善に効果がある「CTA」とは?
CTA(Call To Action)とは、Webサイトの訪問者に購入や申し込みといった行動を起こさせることです。
CTAの具体例を挙げると、申し込みや購入ボタンの色・フォルム・文言の変更、ボタン近くのキャッチコピーの改善、Webページ内のボタン配置の見直し(導線の見直し)などが挙げられます。
まずは、CTAの見直しを検討しよう!
サイトリニューアルを検討されている方は、まずは、「CTAの見直し」をすることをおすすめします。
その理由は、サイトリニューアルをしなくても、CTAの改善をするだけで購入や申し込みといったコンバージョンの向上を達成できるケースが多いためです。
申し込みボタンや購入ボタンは「CTAボタン」と呼ばれます。
以下はCTAボタンの例です。
このCTAボタンの「文言を変更」したり「アイコンを追加」したりと、改善を加えるだけでもクリック率は上げられるのです。
CTAについては、下記の記事でくわしく解説していますのでご参考ください。
6. 運用の大切さを知ろう
サイトリニューアルは公開することがゴールではありません。設定した目標を達成するために、運用を続けていくことが大切です。
Webサイトを運用する意味や必要性
継続的なコンテンツの更新や情報の発信を行わないと、せっかくお金をかけてサイトリニューアルをしても、効果はなかなか得られません。また、検索エンジンからも低評価を受けてしまいます。検索順位の低下にもつながりますので、運用はしっかりと行いましょう。
そのほかにも、情報が古いWebサイトは、訪れたユーザーを不安にさせたり、リピーターを獲得できなかったりと何かとデメリットが多いです。定期的にコンテンツの更新ができるように、公開後の運用はとても大切です。
公開後の運用を継続するコツとは
コンテンツの更新を継続させるのは、ネタ探しに苦労したりとなかなか大変です。ライティングやクリエイティブなどは、社外のリソースに頼ることもできますが、コンテンツの企画や専門的な情報は当事者の力が不可欠。
すべてのコンテンツを0→1で作り出す必要はありません。社内で持っているノウハウや得意分野などをコンテンツとして活用することもできます。日ごろから知識や体験を共有し、会社単位でノウハウを蓄積していくことが継続のコツです。
7. まとめ
いかがでしたでしょうか?サイトリニューアルの検討前に知っておきたい5つのことをご紹介させていただきました。
・リニューアルは課題の洗い出しとゴール設定が大切
・制作会社に依頼したら終わりではなく、依頼する側も二人三脚で取り組むこと
・公開後も設定した目標を達成するために、運用を続けていきましょう
サイトリニューアルを成功させるには、事前準備と制作会社との連携、運用の継続がとても大切です。サイトリニューアルを成功させて、しっかりと成果につなげていきましょう!