コンテンツマーケティングの導入を検討している企業のWeb担当者の中には
「コンテンツマーケティングのメリットや必要性を上司に説明したい」
「コンテンツマーケティングのデメリットも把握しておきたい」
といった方が多いのではないでしょうか。
コンテンツマーケティングとは、ユーザーに役立つ有益なコンテンツを提供して見込み顧客を獲得し、最終的に購買やファン化につなげるマーケティング手法です。多くの企業が注力している手法ではありますが、始める前にメリットだけでなくデメリットも把握しておく必要があります。
ここでは、コンテンツマーケティングのメリットと必要性、そして、コンテンツマーケティングのデメリットとその解決策を解説していきます。
読み終えていただければ、コンテンツマーケティングを導入すべきかどうかの判断材料が増え、上層部の方への説明や自社のコンテンツマーケティングに活かすことができます。
では、さっそく解説していきます!
1. コンテンツマーケティングの必要性
コンテンツマーケティングが必要とされる背景
コンテンツマーケティングが普及した背景には、一方的な売り込み型の広告への違和感や不満が挙げられます。テレビや新聞などの媒体を通してしか情報を得られなかった時代には、こういった売り込み型(プッシュ型)の広告はとても有効な方法でした。
しかし、わたしたちは今、自らのパソコンやスマートフォンなどの情報端末で、必要な情報を必要な時にダイレクトに検索することができます。そして、自分の意思で情報を見つけて、自らの意思でサービスや商品を比較し、決定したいという欲求があります。
このように自ら情報収集をする時代では、一方向のコミュニケーションである従来型のプッシュ型広告で集客するよりも、「コンテンツマーケティング」のようなプル型の、顧客に見つけてもらうマーケティング手法のほうがマッチしており、集客に効果を発揮します。
コンテンツマーケティングには多くの種類があり、1種類だけを行うよりも複数を組み合わせて実施することで、より成果を高められます。コンテンツマーケティングの種類については下記記事で解説しています。
2. コンテンツマーケティングのメリット
コンテンツマーケティングで享受できるメリットは多くあります。ここでは代表的なメリットをご紹介します。
【コンテンツマーケティングのメリット】 |
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① 広告費を軽減できる ② 専門家として認識され信用される ③ 顧客のロイヤリティを高めることができる ④ 幅広い地域をターゲットにできる ⑤ 資産として蓄積できる ⑥ 顧客層を拡げることができる ⑦ SNSによる拡散が期待できる |
広告費を軽減できる
ブログ記事やホワイトペーパー、動画といったコンテンツは、外注するとコンテンツ作成時に料金は発生するものの、1度作成し公開すると継続的に集客を見込めます。
公開したコンテンツは一定期間ごとの見直しは必要になりますが、各コンテンツからの集客が見込めるため、長期的な視点でみると広告費の削減となりコストパフォーマンスに優れています。
リスティング広告やディスプレイ広告といったインターネット広告は、即効性が見込める集客方法ですが、広告の特性により出稿期間は費用が発生します。
広告で集客し続けるには、ある程度予算が確保されていないと継続が難しいケースがあり、そういった側面から見ても、集客は広告だけに頼るのではなく、コンテンツによる集客と並行することが望ましいでしょう。
専門家として認識され信用される
専門的な視点から、顧客が抱えているお悩みに応えたり、興味・関心を持つ情報を発信したり、あるいは課題と解決策を提示したりすることで、「その分野のプロフェッショナル」「誠意がある会社」という認識をユーザーに与えることができます。
つまり、信頼感の獲得を達成できるのです。
また、専門家として認知されることや信頼感を獲得することは、ブランディング強化にもつながります。
顧客ロイヤリティが高まる
コンテンツは継続的に発信するものなので、顧客との接点を継続することができ、結果的に顧客ロイヤリティが高まります。(顧客ロイヤリティとは、企業への忠誠心や愛着を指します。)
ユーザーの役に立つ、価値のあるコンテンツは、顧客に「こんなに有益な情報を提供してくれるのか」「この会社なら信用できそうだ」といった気持ちを高めることにつながり、顧客ロイヤリティの向上を促します。
幅広い地域をターゲットにできる
コンテンツマーケティングを効果的に実践することで、特定の地域だけでなく全国の企業を対象としてビジネスを展開できます。
また、ブログ記事や動画といったコンテンツを、多言語対応にすることで世界をターゲットとすることも可能です。海外展開へのハードルを下げてくれるのはコンテンツマーケティングの強みでもあります。
資産として蓄積できる
コンテンツマーケティングはストック型ビジネスに分類され、蓄積したコンテンツ(オウンドメディア)はすべて会社の資産になるという特長があります。
たとえば、企業ブログが100記事あれば100記事すべてが資産になり、それぞれの記事で各ターゲットを継続的に集客できます。ブログ記事を始めとするオウンドメディアは定期的に見直し・更新が必要になるものの、そういった業務をしっかりと継続していけばWeb上に企業の資産が蓄積していくことになります。
また、Web上に自社独自のコンテンツが蓄積されていくことは、SEOの視点からも優位です。
中小企業がオウンドメディアを活用すべき理由については下記の記事でくわしく解説しています。
顧客層が拡がる
コンテンツマーケティングは、すでにニーズが顕在化している顧客だけでなく、「潜在層」の獲得にも効果を発揮する手法です。潜在層とは、まだニーズを自覚していない人や、商品やサービスをまだ認知していない人などを指します。
こういった潜在層の割合は、顕在層よりはるかに多いため、潜在顧客の興味関心を引き、商品やサービスを認知してもらうよう働きかけることは、将来的な顧客やリピーターを獲得することにつながります。
コンテンツマーケティングによりあらたな顧客層を開拓できるため、結果として全体の顧客層の幅を拡げることができるのです。
SNSによる拡散が期待できる
良質なコンテンツやユニークなコンテンツは、TwitterやFacebookといったSNSをはじめとするソーシャルメディアでの拡散が期待できます。役立つ記事や新しい視点の記事は「共有したい!」「フォロワーに知ってほしい!」という気持ちを喚起させるため拡散されやすく、拡散されるとかなり多くの人にコンテンツを届けることができます。
SNSとコンテンツマーケティングは相性が良いため、コンテンツマーケティングを始める場合、SNSの企業アカウントも取得し運用していくことをおすすめします。
SNSを活用して、自社Webサイトへの流入をうながす方法については下記の記事が参考になります。
3. コンテンツマーケティングのデメリットとその解決策
次にコンテンツマーケティングのデメリットを解説します。また、デメリットの具体的な解決策もご提案いたします。
【コンテンツマーケティングのデメリット】 |
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① 効果を得られるまでに時間がかかる ② 定期的に一定量のコンテンツを作成する必要がある ③ 制作に時間を要する |
効果を得られるまでに時間がかかる
リスティングなどのような広告と異なり、コンテンツマーケティングは効果を得られるまで一定のコンテンツ量と時間が必要です。すぐに効果を得ることはできないため、最低でも6カ月〜1年は腰を据えて長期的に取り組んでいかなければなりません。
【解決策】 |
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◎あらかじめコンテンツマーケティング施策を中長期的な目標に組み込んだうえで、マーケティング戦略をたてる ◎他の施策も並行して実施し、集客をカバーできる体制に整える |
他の施策とは、たとえば
- 短期的な結果を得られやすいリスティング広告
- Webサイト(ホームページ)のSEO対策
- コンテンツの拡散を見込めるSNSマーケティング
といったものが挙げられます。コンテンツによる効果・集客には時間を要することを前提にとらえ、他の施策もあわせて実施しましょう。
定期的に一定量のコンテンツを作成する必要がある
コンテンツは、1つ作成・公開したら終わりではなく、毎月定期的に発信・配信する必要があります。なぜなら、定期的な配信は、ユーザーの信頼感獲得につながるためです。また、Web上に公開するブログのようなコンテンツであれば定期的な情報発信によりGoogleの評価を得られやすくなります。
たとえば、企業ブログであれば月に最低4〜5記事、メールマガジンであれば月2〜4本配信するのが望ましいでしょう。
【解決策】 |
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◎デジタルマーケティングツールを活用し効率的にコンテンツ作成を行う ◎記事作成や動画制作といったコンテンツ作成をアウトソーシングする ◎企業ブログは月4本の作成がむずかしい場合には、月2本からスタートしてみる |
社内でコンテンツ作成に対応できる人材が確保できない場合には、外部委託を検討することをおすすめします。アウトソーシングは経費がかさむイメージがあるかもしれませんが、実際には外部委託を活用することで増益や成長となるデータもあります。
実際のデータは下記記事の「2. 中小企業のデジタルマーケティングの課題と解決策」でご覧いただけます。
デジタルマーケティングツールの活用の例を挙げると、メルマガ制作であれば、配信の自動化が組み込まれメール作成と配信が簡単にできるツール、ブログ記事作成であればキーワード抽出ツールやキーワード設計を自動で行えるツールなどがあります。
制作に時間を要する
コンテンツマーケティングは工数が多いため、どうしても制作に時間と手間がかかります。企画、コンテンツのディレクション、ペルソナ設定、コンテンツ作成など、多くの工程があり、公開前のチェック(記事やメールであれば推敲、動画であれば問題なく再生できるかなど)も必要です。
【解決策】 |
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◎「工数・時間・手間」を要することを社内で理解・共有しコンテンツ制作の体制を整える ◎専任の担当者を決める。ただし、担当者1人に負担がかからないようフォローできる人材も決めておく |
コンテンツマーケティングの成功は、コンテンツを継続的に作成・配信する「体制を整えられるかどうか」にかかっています。
逆にとらえれば、たとえ人材が足りなくても「体制」つまり「仕組み」さえしっかり作ることができれば、施策の継続が可能となります。
コンテンツ作成の仕組みづくりは、コンテンツマーケティングを戦略的に進める大切な要素です。コンテンツマーケティング戦略の基礎知識や戦略の立て方については下記記事で解説しています。
4. まとめ
最後に、本記事で紹介した内容についてまとめます。
コンテンツマーケティングが必要とされる理由は、
・「プル型」の情報好まれるようになったため ・ユーザー自らが情報を検索するようになり、見つけてもらうマーケティング手法がマッチするため |
コンテンツマーケティングのメリットは
① 広告費を軽減できる ② 専門家として認識され信用される ③ 顧客ロイヤリティが高まる ④ 幅広い地域をターゲットにできる ⑤ 資産として蓄積できる ⑥ 顧客層が拡がる ⑦ SNSによる拡散が期待できる |
の7つです。
コンテンツマーケティングのデメリットとその解決策は
デメリット① 効果を得られるまでに時間がかかる 【解決策】 ・中長期的な視点でマーケティング戦略に組み込む ・他の施策と並行し集客を行う デメリット② 定期的に一定量のコンテンツを作成する必要がある 【解決策】 ・デジタルマーケティングツールを活用し効率化を図る ・コンテンツ作成をアウトソーシングする ・少ないコンテンツ数からスタートする デメリット③ 制作に時間を要する 【解決策】 ・社内で共通意識をもちコンテンツ制作の体制を整える ・専任の担当者を決め、かつ担当者1人に負担が集中しないようフォローする |
以上が、本記事のまとめです。
「コンテンツマーケティングを始めたいが人材が足りない」「自社に合ったコンテンツの種類を知りたい」といったお悩みを抱えている場合には、ぜひ一度お話しを聞かせてください。
わたしたちサンロフトは、中小企業のサイト制作を得意分野とするWeb制作会社です。豊富な実績と経験を活かし、コンテンツマーケティングやサイト制作、企業のコンサルティングなども行っていますのでぜひご活用ください。