本記事では、コンテンツマーケティングを始めたい中小企業の方に向けて、コンテンツマーケティングの種類や特徴を解説していきます。
実は、自社に合ったコンテンツマーケティングを選定するためには、コンテンツの種類や特性をおさえたうえで、使い分けたり組み合わせたりする必要があります。
なぜなら、コンテンツマーケティングは1種類だけよりも、複数を組み合わせることで、さらに効果を高められるマーケティング手法だからです。
本記事を読み終えていただければ、コンテンツマーケティングの種類や特徴に加え、「中小企業はどれから着手すべきか?」もわかり、自社の集客に活かしていただけます。
では、さっそく解説していきます!
1. 《基本編》コンテンツマーケティングの種類・11選
コンテンツマーケティングには、オンラインからオフラインまでさまざまな種類があります。コンテンツマーケティングは、「企業ブログだけ」「セミナーだけ」といったように単独で行うよりも、顧客の購入プロセスに合わせ複数のコンテンツを組み合わせた方が最大の効果を生むことができます。
ただし、これからコンテンツマーケティングを始めようとする方は、複数のコンテンツを同時に始めるのは負担が大きすぎるため、最初は、始めやすく効果が得られやすい「ブログ記事」「導入事例」「Webページ」「LP」といったコンテンツから着手することをおすすめします。
その後、さらに運用できそうであれば、次のコンテンツに着手し、段階的に複数のコンテンツを展開していく方が現実的です。
コンテンツマーケティングの基礎知識については下記の記事でくわしく解説しています。
【ブログ記事】見込み顧客を継続的に集める
ブログはコンテンツマーケティングの主軸となり、どの企業にとっても不可欠なコンテンツと言っても過言ではありません。理由は、「顧客に見つけてもらえる仕組み」を構築でき、サイトへの集客を効果的に行うことができるからです。
また、ブログは「ストック型」のコンテンツで、コンテンツを蓄積すればするほど、検索エンジンからの評価も得られるというメリットもあります。比較的コストを抑えてスタートできるところもポイントです。
企業ブログの書き方については下記の記事が参考になります。
【導入事例コンテンツ】信頼感を醸成し購入をうながす
導入事例コンテンツとは、顧客が自社のサービスや商品を導入した事例を、文章と写真、あるいは動画を用い、Webサイトで紹介するコンテンツです。Webサイトを訪問した見込み顧客の信頼感を獲得し、販売をうながす効果があります。BtoCでは「お客様の声」に該当するコンテンツです。
実際のお客様(顧客)のリアルな声、感想というのは、非常に説得力があるものです。また、お客様の導入事例を見た見込み顧客は、商品やサービスを買ったらどうなるか?ということを想像しやすくなるため、購入を決める要素にもなります。
導入事例コンテンツは着手しやすく、効果が得られやすい手法なので、企業ブログになかなか着手できないという方は、こちらの導入事例コンテンツから始めるとよいでしょう。
【Webページ】良質なコンテンツで訪問者のアクションをうながす
Webサイトには、製品紹介のページやサービス案内といったページが存在するかと思います。
こういった自社の商品・サービスなどをくわしく、ていねいに説明したWebページも立派な「コンテンツ」です。
これらのコンテンツ(商品・サービスのWebページ)がコンテンツマーケティングとして作用するタイミングは、見込み顧客がWebサイトに流入してきた時です。
サイト訪問者が必要とする商材情報を、もれなく適切に伝えることにより、商材への理解を深め、PDF資料のダウンロードや、お問い合わせ・購入といったコンバージョンにつなげていきます。
サイト訪問者のニーズに応えるコンテンツを意識して、各WebページとWebサイトの品質の維持を心がけましょう。
Webサイト制作の基礎知識や全体像については、下記記事で解説しています。
【LP】広告と組み合わせて購入や申し込みを増やす
LP(エルピー)とは、ランディングページの略称で、購入や申し込みに目的をしぼった、1枚完結のWebページのことです。
一般的にLPは、アフィリエイト広告と組み合わせて運用し、広告をクリックする人のニーズにあった内容(コンテンツ)を提供することで、購入や申し込みといったアクションをうながします。
1枚完結のWebページのため、Webサイトとは異なるドメインで作成します。
LPは、ユーザー心理にそった良質なページをしっかり作り込むことにより、売上アップに直結できるコンテンツです。LPの基礎知識については、下記の記事でくわしく解説しています。
【ホワイトペーパー・eBook】課題解決をうながし信頼を獲得する
ホワイトペーパーとeBook(イーブック)は、Webサイトを訪れた見込み顧客の育成をうながすもので、一般的にPDFファイルをダウンロードしてもらう形態のコンテンツです。見込み顧客に対し、自社の専門性をアピールしつつ信頼感の獲得を実現できます。
◎ホワイトペーパーとは?
ホワイトペーパーは、直訳のとおり「白書」を指します。 白書というと、国や自治体から発行される信用できる背景をもつ資料という認識があると思います。 企業にとってもこれは同様で、多くの場合が小冊子くらいのボリュームになっており、売り込みとは関係ない客観的な統計データに基づいたコンテンツを指します。 そのため、見込み顧客にとって有意義なコンテンツを提供することができます。
また、BtoBでは稟議を通すための資料を探している顧客も多く、そういったケースにもホワイトペーパーは有効です。
◎eBookとは?
eBook(イーブック)は、写真やイラストを多く使用し、ホワイトペーパーと比較すると、より解りやすいテーマ、解説を重視したものです。eBookは、BtoC向けの高額な商材(たとえば、住宅販売、金融商品など)に使用されるケースもあります。
◎手間はかかるが効果が長持ちするコンテンツ
eBookとホワイトペーパーは、見込み顧客の検討段階(興味関心の有無)を把握することができるため、営業を効率的に行うことができるという大きなメリットがあります。制作には手間がかかりますが、1度制作すれば効果は長く持続しますので、できれば早期段階で着手したいコンテンツです。
また、eBookとホワイトペーパーは、ダウンロードという形式をとりますので、メールアドレスや氏名などの情報を得ることも可能で、その後、継続して見込み顧客と関係を築くこともできます。
◎資料はダウンロードしたいと思わせるデザインに
eBookとホワイトペーパーを制作する時の、1番の注意点は「表紙のデザイン」です。Webサイト上で、eBookまたはホワイトペーパーの表紙を見た時に、ひと目で興味・関心をひき、「ダウンロードしたい!」と思わせる表紙作りが重要です。社内にデザイナーが在籍していなければ、プロのデザイナーに制作を依頼するのがよいでしょう。
また、表紙に掲載するタイトルの文言も、ダウンロードしてもらえるか否かの重要ポイントになります。
ホワイトペーパーについて、くわしくは下記の記事で解説しています。
【プレスリリース】大手だけのものではない!中小企業こそ活用したい
プレスリリースとは、報道関係者(テレビ局・新聞社・雑誌社・ニュースサイトの運営者など)に向けた、情報の告知・発表のことです。
自社の新商品・新サービス・新規事業といった新規情報(ニュース)を文書や資料としてまとめ、正式な形で各メディアに届けます。
◎プレスリリースは費用対効果が高い
プレスリリースの作成には手間がかかりますが、ニュースサイトや新聞・雑誌社などに取り上げられた場合、お金をかけずに情報を広く届けられます。
広告とは異なり、新聞社やニュースサイトといった各メディアの信頼性の恩恵を受けながら、情報を広められるのが特長です。
費用対効果が高く、享受できる利点が多いため、中小企業こそ活用したいコンテンツです。
◎プレスリリースは「一次情報」なのでニュースに取り上げられやすい
私たちが普段見ているTV・新聞・ネットの「企業関連のニュース」は、基本的にプレスリリースが起点となるケースが多いのです。
その理由は、プレスリリースが企業のオリジナルな情報、つまり、コピーした情報ではなく、純度の高い「一次情報」だからです。
プレスリリースを見たメディア担当者は、読者に有益な情報にフォーカスして記事に編集したり、企業に直接取材依頼をしたりして記事にします。
従業員が10名前後の中小企業でも、プレスリリースを活用して情報を広めることに成功し予想以上の反響を得ている事例がありますので、中小企業にこそ戦略的に活用していただきたいコンテンツです。
中小企業のプレスリリース活用事例は下記の記事で解説しています。
【メールマガジン】接点をもった顧客と継続的な関係をつくる
メールマガジンの配信は、見込み顧客と継続的に接点を持ちつつ、情報を提供することで関係性を構築できるコンテンツです。
メールマガジンで配信する内容はさまざまですが、代表的なものとして、「プレスリリース情報」「eBook・ホワイトペーパーなどの資料ダウンロードの案内」「セミナー・イベント情報」「セール情報」などがあります。低コストで運用でき、多くの見込み顧客に確実にコンテンツを届けること(リーチ)ができますが、配信時にミスをしないように注意を払う必要があります。
メールマガジン配信は、ハウスリストを使用して一斉送信となりますが、このハウスリストの管理は非常に重要なので、前もってハウスリスト管理の担当者やルールをしっかりと決めておきましょう。
万が一、配信ミスによるトラブルが発生した場合には、どういった対処をすればよいか?といったルールも、前もって定めておくことが大事です。
◎特にBtoBにとっては今後ますます重要となる
上記のように、配信には注意をはらう必要があるコンテンツではありますが、メール開封率やクリック率、コンバージョン率などが計測でき、効果的にPDCAを回すことができるため、特にBtoBでは、今後ますます重要視されると言われているマーケティング手法であることも事実です。
「顧客育成」に欠かせないコンテンツでもあるので、企業ブログやホワイトペーパーが運用できたら、ぜひ着手されることをおすすめします。
メールマガジンを含む、コンテンツをメールで発信することについては下記の記事でくわしく説明しています。
【動画】圧倒的な情報を短時間でわかりやすく伝えられる
アメリカの調査では2015年の時点で、すでに、BtoB企業の76%、BtoC企業の74%が動画コンテンツを活用していることが明らかになっています。
アメリカで主流のマーケティング手法は、およそ3〜5年かけて日本で広く認知され主流になる傾向があるため、特にBtoB企業はぜひ始めていただきたいコンテンツです。動画は、難しいことをわかりやすく、かつ短時間で伝えることができるコンテンツで、BtoBには相性が良いコンテンツと言えます。
実際に着手する際には、まずは「製品説明」や「機能デモ」といった購入意欲が高いユーザーが見る動画から始めるのがよいでしょう。こういった購入意欲が高い顧客が見る動画は、売上に直結しやすいためです。
動画マーケティングの効果や事例については、下記の記事でくわしく説明しています。
【セミナー・イベント】顧客との信頼関係を深める
セミナーやイベント、展示会といったリアルイベントもコンテンツマーケティングの一部です。(コロナの影響もあり、最近ではオンラインセミナーが主流になってきています。)顧客と直接的にコミュニケーションをはかることができる、こういったリアルタイムイベントは、顧客ロイヤリティを向上させることができます。
また、高額な商品やサービスの販売に向いているマーケティング手法でもあります。ウェビナーでは、特定の地域だけでなく全国を方を対象にできるため、積極的に始める企業が増えています。
自社でオンラインセミナーを開催する際には、下記の記事を参考にしてみてください。
【インフォグラフィックス】情報やデータをわかりやすくひと目で伝える
インフォグラフィックス※とは、情報やデータ、知識などを図解し、視覚的に表現したものを指します。
※インフォグラフィックスは、インフォメーション(information)とグラフィックス(graphics)からなる造語です
情報をスピーディー、かつ簡潔に伝えられるのが最大の特長で、複雑な情報やむずかしい情報でも、見る人の興味を引き理解をうながします。
◎色々な活用法があるインフォグラフィックス
インフォグラフィックスは、企業や自社商品の強みを視覚的に伝える以外にも、興味関心をうながしたり、業界への理解を深めたりと、さまざまな活用法があります。
下記は、日本の長い橋をインフォグラフィックス化したものです。トリップアドバイザー®がプロデュースする、旅をテーマにしたインフォグラフィックス専用サイト「TRIPGRAPHICS」によるインフォグラフィックスです。
長い橋をランキングにすることにより、「行ってみたい!」「渡ってみたい!」と思ってもらうことに成功しています。
◎インフォグラフィックスはSNSで拡散されやすい
インフォグラフィックスは、むずかしいことでもひと目で伝えられるため、「これすごくわかりやすい!」「役立つからフォロワーさんに共有したい!」といった共感を得られやすく、良質なインフォグラフィックスはSNSで拡散されやすいです。
また、インフォグラフィックスはユニークな切り口から情報を伝えるのにも向いており、この点も拡散されやすいポイントです。インフォグラフィックスは、デジタルマーケティングと相性がよいコンテンツといえます。
下記は、リクナビNEXTが運営している「はたグラ」のインフォグラフィックスです。「はたグラ」では、仕事に関連した事柄(ビジネスで生じる問題や疑問)をインフォグラフィックス化し、まとめたサイトです。
【SNS】コンテンツへの流入を増やす窓口になる
TwitterのつぶやきやFacebookへの投稿、Instagramの写真やリール動画といったSNSへの投稿もコンテンツのひとつ※です。
※ただし、Webマーケティング会社やマーケターによっては、これらSNSの活用はSNSマーケティングに分類し、コンテンツマーケティングには含めないケースもあります。
SNSの活用は、「SNSマーケティング」と呼ばれており非常に有効なマーケティング手法です。今までご紹介してきたコンテンツマーケティングと組み合わせて運用することで、WebサイトやECサイト、オウンドメディア、YouTubeチャンネルといったコンテンツへの流入をうながします。
たとえば、「ブログ記事」「動画」「インフォグラフィックス」などを公開したら、その都度SNSで発信したり、「セミナー」や「イベント」の開催を告知したりといった活用ができます。
SNSマーケティングの基礎知識については下記記事でくわしく解説していますのでご参考ください。
また、SNSを活用してWebサイトに集客するための方法については、下記記事がおすすめです。
2. 《番外編》今後注目!コンテンツマーケティングの種類・3選
本章では、主流ではないけれど注目したいコンテンツマーケティングを3つご紹介いたします。将来的なマーケティング施策の参考にしてみてください。
【クチコミ・レビュー】BtoCに効く!顧客のリアルな声
商品を実際に利用したお客様の口コミやレビューそのものは、昔から存在していました。
しかし、近年では一般消費者の口コミやレビューを意図的に活用するマーケティング手法がうまれ、「レビューマーケティング」「クチコミマーケティング」として注目されています。
◎どこにいてもスマホで口コミを調べられる時代になった
口コミやレビューがマーケティング手法として確立した背景には、スマホの爆発的な普及があります。
消費者は、いつでもどこでも、スマホから商品やサービスの口コミを調べられるようになり、実際に購入した人のリアルな声を参考にして、買うかどうかを検討するのが当たり前になっていますよね。
◎認知拡大・購買促進・ブランドイメージ向上につながる
レビューマーケティング(クチコミマーケティング)は、BtoC向きで、認知を広めたり、迷っているユーザーに購買をうながしたりといった効果があります。また、よい口コミが連鎖的にひろまることにより、ブランドイメージの向上にもつなげられます。
◎きびしいレビュー、悪い口コミもプラスに作用する理由
リアルな口コミやレビューを多く集めていくと、当然きびしい評価や悪い口コミも一定数出てきますよね。
しかし、こういった悪い評価もレビューのなかに混ざっていることで、リアル感は倍増し、結果的に信頼につなげられるのです。「良い口コミだけでなく、マイナスな評価も公開している」コンテンツは、ユーザー視点に立った、価値の高い情報です。
◎【事例】タグ付けのSNS投稿で口コミが広まった(株式会社八天堂)
「くりーむパン」が人気の株式会社八天堂さんは、一般の方に商品を食べてもらって、その感想をSNSやブログで発信してもらうマーケティング(モニター施策)をモニプラのファンブログを通じて実施。口コミの拡散で認知を広め、多くのファン獲得にも成功しました。
【音声コンテンツ】すきま時間を活用できるため動画や記事をみる時間がない人にもリーチできる
音声コンテンツとは、動画やブログのような「目で見るコンテンツ」とは異なり、耳から情報をインプットするコンテンツで、さまざまな種類があります。
音声配信プラットフォーム | Voicy stand.fm Spoon など |
音声SNS | Clubhouse TwitterのSpaces FacebookのLive Audio Rooms SpotifyのGreenroom など |
ポッドキャスト | Google Podcast Apple Podcast Spotify など |
オーディオブック | Audible audiobook.jp など |
音声コンテンツや音声メディアは、現在米国で急成長しているコンテンツマーケティングで、将来的には現在の動画コンテンツのような市場に拡大するだろうと言われています。
市場規模拡大にともない、音声広告も拡大すると予測されており、国内のデジタル音声広告市場は2025年には420億になるという推計も出ています。
【デジタル音声広告市場規模推計・予測2019年―2025年】
◎忙しいビジネスパーソンにリーチできるコンテンツ
音声コンテンツの特徴は、「ながら聴き」ができるという点です。徒歩での移動中や車の運転中、家事をしながらといったシーンで、「聴きながせる」ため、忙しいビジネスパーソンでも効率的に情報を得られます。
また、動画試聴やブログ記事を読む時間をなかなかとれない人にも向いているコンテンツです。
◎音声デバイスの普及により市場が拡大している
音声コンテンツや音声メディアが拡大している背景には、AirPodsのようなワイヤレスイヤホンや、アレクサのようなスマートスピーカーといったデバイスが広く普及してきていることが挙げられます。
他には、コロナ禍により在宅時間が増えたことや、影響力のあるメディア発信者がYouTubeからVoicyのような音声メディアに移行し始めていることも影響しています。
現在の音声コンテンツ市場は、10年前のYouTubeの状態と非常によく似ているという分析もあり、5〜10年後には、現在の動画市場のようになるという推測もあります。
【マンガ・アニメ】幅広い年齢層に受け入れられ、むずかしいこともサラッと読んでもらえる
マンガやアニメは日本人には馴染みがあり、むずかしい内容も読んでもらえる確率が上がります。マンガを活用したマーケティング手法は「マンガマーケティング」と呼ばれることもあります。
マンガやアニメを活用してできることは幅広く、動画コンテンツや広告、商材・サービス紹介、業界の基礎知識の紹介、採用向けの企業案内や仕事紹介、プロモーション、PRなどがあります。
◎【事例】採用向け仕事紹介にマンガを活用(後藤設備工業株式会社)
後藤設備工業さんでは採用サイト内でマンガを活用し、企業や仕事についてわかりやすいコンテンツを作成されています。
また、採用サイトの「社員の一日」のページでは、マンガ風なコマ割りを使って写真と組み合わせ1日の仕事の様子を紹介しています。
◎【事例】業界の基礎知識をマンガ解説しダウンロード資料に(マネーフォワード株式会社)
株式会社マネーフォワードさんは、「店舗の給与計算・勤怠管理」についてマンガでわかりやすく解説。ホワイトペーパー化し、ダウンロード資料としてリード獲得に活用しています。
マンガやアニメは共感を生みやすくSNSで拡散されやすいコンテンツのため、大手企業はSNSマーケティングの一環として活用している企業は多いです。
デジタルマーケティングとも相性がよいため、将来的に活用を検討するのもおすすめです。
3. 顧客に適したコンテンツはユーザーの段階ごとに異なる
コンテンツマーケティングは、ユーザーの段階ごとに効果的なコンテンツが異なります。
厳密にいうと、業界やBtoB/BtoCによっても、段階ごとのコンテンツ分類は変わってくるのですが、大まかに以下のように分類されます。
認知段階
「認知」の段階では、ユーザーは
- SNS(投稿や広告)
- インフォグラフィックス
- プレスリリース
- ブログ
といったコンテンツに触れています。
◎SNSによる認知は「投稿」と「広告」がある
認知段階でもっとも有効で多いのが「SNS」による認知です。
SNSによる認知は、大きく分けて「投稿」と「SNS広告」があります。
「投稿」では、企業のSNS投稿が拡散されて認知されたり、利用者がSNSで商品レビューを投稿してそれが広まったりします。
また、「インフォグラフィックス」はキャッチーでSNSで拡散されやすいコンテンツなので、SNS投稿により広まる見込みがあります。「ブログ」もSNSを通して認知されるケースがあります。
「SNS広告」は、InstagramやFacebook、Twitter、LINEといったSNSの表示画面に広告を表示させるもので、興味がありそうな人にターゲットを絞って配信できるのが特長です。
SNS広告の基本について知りたい方には、下記記事が役立ちます。
◎プレスリリースがピックアップされたら広く認知される
「プレスリリース」の項目でも解説しましたが、メディアに取り上げられた場合、認知を広範囲に広められます。
興味関心段階
「興味関心」の段階では、ユーザーは
- LP
- ホワイトペーパー/eBook
- 動画
- Webページ(Webサイト)
- ブログ
といったコンテンツに触れています。
◎「検索行動」によりコンテンツに触れる
興味関心の段階のユーザーは、積極的に行動し「検索」を行います。
検索によって、上位表示されているブログ記事や動画に触れることになります。
ブログから、ホワイトペーパーやeBookのダウンロードに至ったり、動画からWebページ(Webサイト)へ流入したりといった流れができます。
◎リスティング広告&LPに触れる段階もココ!
検索しているユーザーに露出できる広告がリスティング広告です。リスティング広告とLPを紐づけることにより、効率的に購入に導きます。
比較検討段階
「比較検討」の段階では、ユーザーは
- LP
- 導入事例(お客様の声)
- Webページ(Webサイト)
- メルマガ
といったコンテンツに触れています。
興味関心が深まると、購入を比較して検討する段階に移ります。この段階でもLP&リスティング広告の組み合わせは有効です。
◎導入事例は購入の決め手となるコンテンツ
導入事例(BtoB)やお客様の声(BtoC)は、購入の決め手となる強力なコンテンツです。
なぜなら、実例により信頼感を獲得したり購入を擬似体験できたりするため、お問い合わせや申し込みを迷っている人の背中を押せるコンテンツだからです。
導入事例はWebサイト内にあるため、お客様はこのタイミングで他のWebページもチェックすることが多いことを覚えておきましょう。
◎メルマガ配信により「第一想起」をねらう
普段メルマガを配信して接点を持っておくと、自社を忘れないでいてもらえる、という利点があります。
お客様が「○○が必要だな」と思った時に、パッと思い出してもらえるような仕組みです。
見込み顧客にメルマガを配信するには、ひとつ前の「興味関心」のフェーズで、資料ダウンロードをしてもらうなどしてリードを獲得しておく必要があります。
意思決定・購入段階
「意思決定・購入」の段階では、ユーザーは
- LP
- Webページ(Webサイト)
といったコンテンツに触れています。
購入している段階なので、お客様はLPやECサイト(Webサイト)の購入ボタンをクリックして、顧客情報を入力しているところをイメージしてもらえればいいかと思います。
LPやサイトのCTAボタンの設置や、入力フォームの品質が問われるところです。
また、購入後はお客様のアドレス宛に、サンキューメールやご購入情報が配信されるようにして、安心してもらえるよう配慮しましょう。
「CTAって何?」という方は、CTAの基礎を解説している下記記事をご参照ください。
継続段階(リピート・ロイヤリティ)
「継続」の段階では、ユーザーは
- メルマガ
- セミナー
- Webページ(Webサイト)
といったコンテンツに触れています。
商品やサービスを購入したユーザーが、継続顧客(リピーター)になる段階です。
◎サイトをユーザーが使いやすい品質に保つ
ECサイトやWebサイトから商品購入する場合は、顧客は繰り返しサイトを利用するため、常にサイトの品質向上に努めましょう。
◎メルマガで最適なコミュニケーションを
1度購入したお客様にリピーターになってもらうためには、最初に商品を購入してから最適なタイミングでメールを届けたり、その人にマッチした商品をおすすめしたりと、コミュニケーションを行います。
商品やサービスを使ってもらった後の「アフターフォロー」として、長期的なメリットを知ってもらえると継続してもらいやすいです。
たとえば、成分や効果、機能をていねいに説明したり、製品についての技術的根拠を示したり、といったかたちです。
◎セミナーやイベント参加を通じてナーチャリング
メルマガでは、セミナーやイベントの告知もしていきます。メルマガ購読やセミナー参加により、顧客育成(ナーチャリング)が可能となります。また、メルマガやセミナー・イベントを継続することで、ファン化につなげることもできます。
4. 中小企業のコンテンツマーケティングは、どれから着手すべき?
Webページを良質なコンテンツにしよう!
極論をいうと、何から始めるべきかは企業がおかれている状況・現状によって異なります。
ただし、どういった状況の企業でも作り込んでおくべきコンテンツは、企業Webサイトの「Webページ」です。
◎Webページの質を高めてコンバージョンにつなげる
SNSやYouTube、ブログ、メルマガといったコンテンツマーケティングは、最終的にはWebサイトへの流入を目指して行うケースが多いです。
つまり、Webサイトは集客の受け皿になるため、各Webページの品質をキープしておくことが重要なのです。
Webページのコンテンツ品質を高めておくことで、お問い合わせやお見積もり、あるいは購入といったコンバージョンにつなげられます。
Webサイト内のすべてのページにおいて、良質なコンテンツにすることが大事ですが、特に以下のコンテンツはしっかり取り組んでください。
◎商品・サービス紹介 ◎導入事例(BtoB) ◎お客様の声(BtoC) |
◎商品・サービス紹介
商品やサービスへの理解を深め、信頼を得るために不可欠なコンテンツです。まずは、機能・仕様・原材料・商品の写真・サービスのイメージカットといった基本情報の質を高めます。
次に、下記のような内容も加えて価値を高めていきます。
- 商品が生まれるに至ったストーリー
- 他者との差別化ポイント
- お客様にとってのベネフィット
ちなみに、「他者との差別化ポイント」では、「単なる違い」ではなく、お客様にとって「好ましい違い」になるよう気をつけてください。
また、「お客様にとってのベネフィット」とは、お客様がその商品・サービスの購入を通して手に入れようとしている価値のことです。
◎導入事例(BtoB)
BtoB企業はWebサイトに必ず「導入事例(ケーススタディ)」のページを作ることをおすすめします。理由は前にも述べましたが、信頼の獲得に効果的なコンテンツだからです。
導入事例では、実際に導入した企業の実名を出すことがポイントです。実名を出すことは、実績の証明になるためです。実名を掲載する際には、事前にお客様に確認をとったうえで掲載します。
また、導入されたお客様を取材して、写真を掲載できるとより効果を高められます。
◎お客様の声(BtoC)
BtoC企業は、お客様が購入後の未来を擬似体験できる、「お客様の声」をWebサイトやECサイトに掲載しましょう。「お客様の声」は購入の背中を押すコンテンツでもあります。
お客様の声をコンテンツ化する時のポイントは「リアリティ」です。写真や直筆アンケートを掲載したり具体的な所在地・年齢を入れたりして、リアリティを出せるよう意識しましょう。
コンテンツ戦略を立てよう
Webページのコンテンツをしっかり作り込み、良いものにできたら次はどのコンテンツに着手すべきでしょうか?
BtoBであれば、企業ブログやホワイトペーパー・eBookなど、BtoCであれば、YouTube動画やメルマガなどが挙げられますが、一概に言うことはできません。
なぜなら、先にも述べたとおり、どのコンテンツを優先すべきかは企業がおかれている状況によって変わってくるためです。
コンテンツマーケティングに本格的に着手する前に、コンテンツマーケティング戦略を立てましょう。
◎なぜ戦略が必要なの?
戦略とは、将来を見通しての方策のことで、ざっくりいうと目標地点を決めることです。
戦略がないと、目指す場所がはっきりしないため、コンテンツ作成やコンテンツ発信の方向性にブレが生じたり、統一感が無くなったりします。
コンテンツがブレると、効果が得られにくく、成果が現れるまでかなり時間がかかってしまいます。効率的に成果を得るためにも、戦略が必要なのです。
コンテンツマーケティング戦略の基礎知識や、戦略立案の手順については、下記記事でくわしく解説していますのでご参考ください。
5. まとめ
最後に、本記事で解説してきた「コンテンツマーケティングの種類」についてまとめます。
主なコンテンツマーケティングの種類は11種類で、効果的なコンテンツはユーザーの段階ごとに異なります。
【顧客の心理段階】 | 【コンテンツ】 |
---|---|
認知 | SNS インフォグラフィックス プレスリリース ブログ |
興味関心 | LP ホワイトペーパー/eBook 動画 Webページ(Webサイト) ブログ |
比較検討 | LP 導入事例(お客様の声) Webページ(Webサイト) メルマガ |
意思決定・購入 | LP Webページ(Webサイト) |
継続(リピーター・ロイヤリティ) | メルマガ セミナー Webページ(Webサイト) |
すべての企業が取り組むべきコンテンツは「Webページ」です。特に、次のコンテンツは品質を高めましょう。
◎商品・サービス紹介 →商品への理解・信頼を深める ◎導入事例(BtoB)→信頼獲得により、申し込みの背中を押す ◎お客様の声(BtoC)→擬似体験ができ、購入の背中を押す |
厳密にいうと、優先すべきコンテンツは企業の現状によって異なるため、本格的に着手する前に、「コンテンツマーケティング戦略」を立てることが重要になってきます。
「コンテンツマーケティング戦略を立てたいが、正しいやり方がわからない」「戦略を立てて実践しているが、効果を感じられない」といったお悩みを抱えている方は、ぜひ1度弊社までご相談ください。
わたしたちサンロフトは、地方中小企業のためのデジタルマーケティング専門会社です。Webサイト改善や広告運用といった部分的な施策の実行だけでなく、戦略立案や組織体制づくりまでの一貫したサポートを行っています。ぜひご活用ください。