ウェルビーイングな組織には、「上司→部下」の縦の関係に加えて、同僚との横や斜めのつながりを含む「三角形の関係」が不可欠だと言われています。
- 隣の部門や人の業務をどのくらい知っているか?
- 何を喜びと感じ、どのような価値観を持っているのか?
- 心のうちを話すことができ、居場所を感じられるか?
サンロフトの場合、全社員と日報を共有していたり、部門の垣根のないワンフロアオフィスで顔を合わせて働いていたり、偶然にも斜めのつながりが生まれやすい環境が日常で育まれてきました。そうした中、ここ数年で活発なのが、社員が自発的に立ち上げた「社内コミュニティ」です。今回は、複数ある社内コミュニティの中から社内読書会の実践をふりかえります。
互いを知り、学び合い、高め合う習慣をつくりたい
社内読書会をはじめたのは、2025年12月2日。
森のように、まっすぐではない学びに身を置く対話の場として、名前は「MORI」と名付けました。隔月で、終業後の18:30~20:00に開催しています。
きっかけをくれたのは、株式会社NOKIOO様です。NOKIOO様が運営する越境学習の場「金ガレ」(金ガレ公式サイト)に参加した社員が、テーマをもとに参加者と対話しながらインプットやアウトプットを繰り返す充実感に刺激を受け、社内での実践がスタートしました。

NOKIOO様にお声がけいただき、サンロフトで金ガレin焼津をトライアル実施
運営に携わるのは、広報・マーケティング部の社員Aと地域貢献事業部の企画営業職B、nanoty事業部のエンジニアCです。
社内読書会をはじめる際に整理したのは、目的と場のイメージでした。
◉この読書会は、
- 仕事を通じて得た気づきや悩み、モヤモヤをみんなで共有し、ともに考えられる場所
- ディスカッションほど硬くなく、飲み会ほどゆるくない、ちょうどいい対話ができる場所
- 社員のインプットとアウトプット習慣をつくる場所
- まじめな雑談から、「安心」「発見」「興味」「疑問」に出会える場所
コミュニケーションのきっかけをつくり、社員同士の理解を深め、日々仕事に追われるなかでも立ち止まって、個人や職場のことを考えられる時間をつくることを大切にしようと、決めました。当事者意識の向上やオープンな対話が生まれる職場づくりを目指す一歩でもあったのです。

第1回社内読書会MORIの様子
仕事からプライベートまで。多様なテーマで対話を楽しむ
これまで取り上げてきたテーマは、「観察力」「習慣」「受容力」「鑑賞とユーモア」です。運営メンバーがファシリテーターを務め、本のエッセンスを紹介しながらワークを進行します。
第1回:見えないものまで観察する
ピックアップ図書:『観察力の鍛え方~一流のクリエイターは世界をどう見ているのか』(著:佐渡島庸平)
アウトプットの質を高めることにつながる「観察」に注目し、仮説を立て、見えない感情や関係性に目を向けて考察!考察!考察!ワークでは、会長・松田と社長・中村の実際の仕事シーンの写真を観察して仮説を立てたり、観察の妨げとなるバイアスの軽減策を考えたり、どうすればよりよい職場の関係性を築けるかをディスカッションしました。
第2回:習慣化による目標達成方法
ピックアップ図書:『小さな習慣』(著:スティーヴン・ガイズ)
目標を立てても計画倒れ、新しく始めたことが続かない‥‥。プライベートでも仕事でも、心当たりのある継続の難しさについて、本書で紹介されていた習慣化に必要な8つのステップを試みるワークを行いました。また、会社全体で実践したい小さな習慣や課題解決につなげる習慣について話し合い、実は抱えていた悩みを共有する時間になりました。
第3回:「?」を受け容れ、本質と向き合う
ピックアップ図書:『答えを急がない勇気~ネガティブ・ケイパビリティのススメ~』(著:枝廣淳子)
AIで「答えらしい答え」にすぐにたどり着ける便利な時代。結論を急ぎたくなる衝動をこらえ、問い続けられるからこそ、つながりを見出し、本質的な解決へと発展できます。ワークでは、仕事でネガティブ・ケイパビリティが大切だと思うシーンやつながりを辿るシステム思考で身近な問題(サイレント解約と見えない情報共有)を考えました。
第4回:鑑賞から面白い話へ
ピックアップ図書:『「話が面白い人」は何をどう読んでいるのか』(著:三宅香帆)
「話が面白い」というのは、それだけで一目置かれる存在! この日のMORIでは、実際に好きなものを一つ決めて、“なぜ好きなのか?”を再解釈したり、鑑賞の技術を使って身近な社員を他己紹介したりしました。映画やスポーツ、文化芸能など社員の知らなかった一面を覗くことができ、他己紹介でも憧れの社員像にまで話が発展しました。

組織や個人の関心や悩みを想像しながら、テーマをセレクト
まじめな雑談から、関係の質や主体形成に変化
社内読書会には、新入社員や若手社員、中堅社員だけでなく、管理職や役員も参加しています。アンケートで「社内読書会を通じて感じた自身への影響」を聞いたところ、「コミュニケーションのきっかけになった」「他の社員への理解が深まった」「楽しかった」という声に続いて、「自分だったらどうするだろう?と考えるきっかけになった」という声が寄せられました。特に読書会の場合、テーマについて少人数で対話する場のよさもあり、当事者意識に自然と切り替わりやすいのかもしれません。
◉見えてきた成果
- 相互理解と関係の質の向上
- テーマに対して当事者意識で考えることによる、主体形成の促進
- 心理的安全性の向上
- 個人と組織に対する意識向上
読書会をはじめて半年。社員同士が一緒に学ぶ場がつくられたことで、相互理解から関係の質の向上につながったり、職場や業務での会話・コラボレーションに発展したり、相談のしやすさから業務改善の動きやオープンで健全な対話が増えていくことが期待されます。
社内コミュニティがもたらす関係性には、「ありがとう」「ありのまま」「なんとかなる」「やってみよう」といったウェルビーイングを高める因子が多く含まれていることにも気づくことができました。

部門や立場を超え、対話する社員たち
時流としてのウェルビーイング
「斜めのつながりは、社員の自主性や自己効力感、組織やチーム・個人の自浄作用を高めるのではないか?」
社内読書会をはじめとする社内コミュニティの実践から、そのような仮説が浮かび上がってきました。
加えていまは、グローバルな時流として、GDP(経済的な豊かさ)に偏重するのではなく、それを補完し超える尺度の一つに「GDW(Gross Domestic Well-being)」が注目されています。企業におけるウェルビーイング経営は、今後ますます重要になるかもしれません。
サンロフトでは、個人や組織の関心・悩みに一緒に向き合える場として社内読書会を継続するとともに、社員の学びの場をお客様や地域の方々に開き、交流機会を創出することを構想しています。その際はぜひお気軽に足を運んでいただけましたら幸いです。
関連リンク
今月のサンロフト文庫(会長・社長のおすすめ書籍を紹介するコーナーです)
社内ライブラリー「サンロフト文庫」(リブライズでサンロフト文庫の蔵書を閲覧できます)

