2026年6月、米アンソロピック社は、高性能AIモデル「Claude Fable 5(クロード・フェイブル・ファイブ)」を一般公開しました。このモデルは、サイバーセキュリティ分野で世界最高水準とされる「ミュトス級AI」の能力を、安全対策を施したうえで一般利用できるようにした初めてのモデルとして、大きな注目を集めています。
この話題のきっかけとなったのが、4月に発表された「Claude Mythos Preview(クロード・ミュトス・プレビュー)」です。このAIは、未知の脆弱性を自律的に発見し、攻撃コードまで生成できるほど高い能力を持ち、サイバーセキュリティの概念を根底から覆したとして大きな話題となりました。一方で、その能力は防御だけでなく攻撃にも悪用される可能性があることから、一般公開は見送られ、サイバー防衛に携わる政府機関や重要インフラ事業者などに限定して提供されてきました。
日本でも、このミュトス級AIをサイバー防衛に活用する動きが始まっています。政府はアクセス権を取得し、防衛体制の強化に向けた活用を進めているほか、金融機関などでも導入が進められています。AIは今や業務効率化のためのツールだけでなく、国の安全保障やサイバー防衛を支える技術として位置付けられるようになりました。
一方で、一般公開されたからといって、ミュトス級AIが「安全になった」というわけではありません。一般公開されたFable 5には、危険な質問や悪用につながる利用を検知して制限する仕組みが搭載されています。公開後も提供条件や規制は短期間で見直されるなど、AIの能力向上と安全対策は現在も世界中で試行錯誤が続いています。
AIによる攻撃と防御の競争は今後さらに加速すると考えられます。しかし、企業に求められる基本は変わりません。自社システムやソフトウェアを正しく把握し、脆弱性への迅速な対応やバックアップを徹底すること、そして万が一被害を受けても早期に復旧できる「サイバーレジリエンス」を高めていくことが、これまで以上に重要になっています。
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| 情報提供:地域貢献事業部 サイバーセキュリティ担当 藁科 |
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