令和元年を迎え、あらためて平成を振り返ると、この30年間にITは格段に進化し、私たちの仕事や生活スタイルを大きく変えました。その歴史の中に、これからの時代を生き抜くためのヒントがありそうです。
IT活用に応じたビジネススキル
「Windows 95」は、多くの企業のIT活用のきっかけになりました。この頃求められたスキルは、パソコンでの文書作成やデータ処理でした。インターネットが普及すると、電子メールやWebサイトでのコミュニケーションスキルも不可欠になりました。
さらに、スマートフォンやタブレットの登場で、クラウドサービスを活かしたワークスタイルの実践スキルや、ソーシャルメディアでつながるスキルも重要視されるようになりました。このように、ITの利便性や可能性を体感しながら、私たちは時代の中でビジネススキルを養ってきたと言えます。
AIに淘汰されない「人間的価値」
これまでのITを基盤に、AI、Big Data、Fintechが社会構造を劇的に変える時代に突入しました。労働者不足の一方で、AI失業の危機も叫ばれています。プロ棋士がAIに負けたとき、集中力、記憶力、論理的思考力ではAIにかなわないと話題になりました。
私たちが新時代を生き抜くためには、どんなスキルが必要でしょうか?田坂広志氏は著書『能力を磨く』の中で、AI時代に淘汰されない3つの能力(職業的能力・対人的能力・組織的能力)を身につけ、磨いていくことを提唱しています。「ITに任せる仕事」と「人にしかできない仕事」を見極めることも、これからのビジネススキルになるのかもしれません。
サンロフトでは、こうした能力を高めるトレーニングとして、同書で紹介されていた「5分間の反省」に注目。全社員が毎日利用している日報型社内SNS「nanoty」で記録・共有することにしました。5月8日から始めて約1カ月。表面的なできごとだけを振り返るのではなく、自身との対話が増え、より客観視する時間が増えたように感じます。この反省の習慣を続けていくことが、個人さらには会社の知恵の集積につながることを期待しています。