少し前に騒がれた岸田総理のフェイク(偽物)動画。これはディープフェイク動画といい、ディープラーニング(深層学習)を元にAIが生成したフェイク(偽物)動画です。日本では大きく取り上げられて来ませんでしたが、2018年頃から世界中で広まっています。
近年では、ウクライナのゼレンスキー大統領がロシアへ降伏を呼びかけるフェイク動画が拡散。また、ベルリン市長がキーウ市長から要請されたビデオ会議ではリアルタイムに動作する偽物と判断されました。ビジネスメール詐欺(BEC)と組み合わせ、取引先からメールとディープフェイクの音声による電話が届き、至急現金の振り込みが指示されるといった被害も、実際に海外企業では発生しています。今後、振り込め詐欺に悪用される可能性もあるでしょう。
現在、様々な国や企業で制限・許容範囲の議論や、フェイクを検出する技術の研究・実用化が始まっています。まだ偽物の判断は困難ですが、音声と口元の動きなどに違和感があれば疑ってください。例えば「岸田総理 偽動画」と検索すれば、真偽の判断材料になるでしょう。今後は、偽の動画がAIによってかんたんにつくられて配布されることも考慮しながら、その真偽を見極める力が求められてくるのかもしれません。
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