「生成AIは、どこまで進化しているの?」「仕事で使いたいけれど、具体的に何ができるのかイメージがわかない」―そんな戸惑いや疑問の声を、最近よく耳にします。今年5月下旬、弊社社長・中村雄が藤枝市民大学で「職場と仕事の未来予測~AI社会で働くためのデジタル活用とDX実践法~」と題した講義を行いました。次々に進化する生成AIの動向や「AIとの付き合い方」について語った内容の一部をご紹介します。
- 登壇する社長の中村雄
- 講義の様子
生成AIの進化 「アシスタント」から「エージェント」へ
OpenAIが示したAI進化のロードマップによると、2022年は対話型のチャットボットAI、2024年には論理的思考力を持つAIが登場しました。そして2025年、今年は「エージェント元年」と呼ばれています。
これまでのAIは、ユーザーが明確な質問や指示を出すことで、答えを返してくれる「アシスタント型」が主流でした。今は、AIがユーザーの意図をくみ取り、自ら行動してくれる「エージェント型」へと進化しています。あいまいな指示でも文脈を読み取り、自律的に最適な情報を探し、提案してくれる。まるで頼れるパートナーのような存在です。
このようなAIは、より業務に特化した形で進化しており、たとえば医療、法律、教育など、専門分野ごとに「特化型エージェント」が続々と登場しています。
生成AIを活用するための「8つのマインドセット」
では、具体的にどのようにAIと向き合えばよいのでしょうか。生成AIと“いい関係”を築くためには、使い方のコツや心構えをおさえておくことが大切です。中村が発表した「8つのマインドセット」を紹介します。
AIに対し、完璧な答えを求めるのではなく、思考を助ける補助役として活用するのが効果的です。また、ツールの性能は日々進化しているため、「今日はうまく使えなかった」と感じても、しばらくしてからもう1度試してみることで、印象ががらりと変わることもあります。そして何より、回答が正しく見えても、自分の目で確認し、信頼性を判断する姿勢を忘れないようにしましょう。
生成AIを活用するための「8つの中級テクニック」
こうした姿勢を踏まえた上で、次は具体的にどんな伝え方や工夫が役立つのかを見ていきましょう。ほんの少し、指示の出し方を意識するだけで、AIからの答えの質は大きく向上します。
AIに指示を出すときは、「誰に・何のために・どういう形で」という情報を整理し、明確に伝えることが大切です。ちょっとした工夫で、より精度の高い、実用的なアウトプットを返してくれる可能性が高くなります。
AIは気軽に頼れるパートナー
とはいえ、ここまで紹介したマインドセットやテクニックを、いきなり全部実践するのは、難しいもの。会社では、企画・事務・制作など幅広い業務があり、すべての業務に同じ方法で使えるわけではないですよね。
弊社では、そうした現場の課題に向き合う中で、自社開発の業務支援AIツール「BuddieS(バディーズ)」を活用するようになりました。議事録の要約、広報文のチェック、企画書の整理など、日々の業務にフィットするテンプレートがあり、誰でも直感的に使える設計です。
実際に利用した社員からは「質問に答えていくだけで、自然と考えが整理された」「自分では思いつかなかった視点に気づくことができた」と好評です。
生成AIは魔法のようにすべてを解決してくれるわけではありませんが、思考を支え、アウトプットの質を高める心強いパートナーになります。「同僚に何度も相談するのは心苦しい」「でも、ひとりで抱えるのは大変」―そんなとき、AIは気軽に話せる壁打ち相手として、私たちの仕事に寄り添ってくれるのです。
サンロフト社員の声

DX事業部
中村允哉
昨年頃から、AIが実務レベルで活用できる時代が来たと感じています。私は普段、地元企業などに対し、業務でのAI活用を提案・サポートしており、さまざまなお客様と接しています。そうした中でよく聞くのが、「使ってみてはいるものの、思うような成果につながらない」「結局、どう指示すればよいのかわからない」という声です。AIは、1度の質問だけで完璧な答えが返ってくるわけではありません。対話を重ね、やり取りを通して精度を高めていく―その特性を理解して初めて、価値あるアウトプットにつながります。生成AIの可能性を引き出しながら、人の判断力や創造性と組み合わせる。このバランスが、これからますます求められていくと思います。AIとの上手な付き合い方、ぜひ一緒に探っていきましょう。
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