最近、ChatGPTなどのAIで、何かを調べたことはありませんか? ほしい商品や気になることを聞くと、ポイントを整理した答えがすぐに返ってくる――そんな便利さを感じている方も多いのではないでしょうか。これまで主流だった検索エンジンでの調べ方から、少しずつAIも活用するスタイルへと人々の行動は変わり始めています。こうした変化には、Webサイトで会社や商品情報を発信する側も対応していく必要があります。今後は、検索で上位になるか、読み応えがあるかといった点だけでなく、「AIに選んでもらえるか」という視点が、これまで以上に重要になっていくでしょう。
とはいえ、サイト全体を一気につくり変えるのは大変です。そこで今回おすすめするのが、「FAQ(よくある質問)」の見直しです。FAQは、ユーザーの疑問に端的に答える形式で、人にはもちろん、AIにも内容を理解してもらいやすいページとなります。サンロフトは、約30年にわたりWebサイト制作を続けてきました。今回は、現場でサイト制作に関わる社員の意見も交えながら、AI時代におけるFAQの考え方と、見直しの具体的なポイントを紹介します。
なぜ、FAQを整備するのか? ― AIが理解しやすい構造
FAQ(Frequently Asked Questions)は「よくある質問」と訳され、Webサイトを訪れた多くの人が抱える疑問を解決するために作成されたページです。
冒頭でも触れたように、FAQは人だけでなく、AIにも情報が伝わりやすい形になっています。
DX事業部の開発担当社員は、「AIは、質問と回答がはっきり分かれた“構造化された文章”を理解するのが得意です。AIが回答を生成するときは、事前に学習した情報に加えて、検索でヒットしたページを読み込みながら答えを組み立てています。そのため、流れるような文章よりも、FAQのように整理された形式のほうが、正確に情報を読み取りやすいのです」と話します。
つまり、FAQは単なる「親切なページ」ではなく、AIに正確な情報を届けるための有効な手段でもあるのです。
具体例|今日からできるFAQの見直し
では、実際にFAQはどのように見直せばよいのでしょうか。制作現場の社員が挙げた例をもとに、具体的な改善ポイントをご紹介します。
例1:営業時間の案内
まずは、情報の「構造」を見直すことです。たとえば、営業時間を説明する場合、文章で続けて書くのではなく、質問と回答に分けて整理するだけでも、伝わり方は大きく変わります。
- 説明的な文章
- FAQ形式に修正
左の文章と右の文章では、どちらのほうが見やすいでしょうか。左の方が丁寧な文体ですが、「Q」「A」と分かれている右の方がパッと見たときに理解しやすく感じるかもしれません。AIも、質問と回答が明確に分かれているほうが情報を理解しやすくなります。
例2:制度や費用の説明
次に、どのように書くか―という「内容」の工夫について見てみましょう。ここでは、保育園の制度案内を例にします。制度や料金など、内容が複雑になりやすい情報は、質問の立て方ひとつで伝わり方が大きく変わります。
- 簡単な一問一答形式
- 誤解を避ける丁寧な質問と回答
「費用について」という表現では、何の費用を知りたいのかが分かりにくくなってしまいます。質問はできるだけ具体的に、回答は簡潔にしながらも、誤解が生まれないよう補足を入れると丁寧です。
実践例|採用サイトのFAQを見直し
サンロフトでも、自社のキャリア採用サイトでFAQを見直しました。世代ごとの割合やキャリアパス、推定年収、育児や介護を支援する社内制度、応募から入社までにかかる日数など、これまで面談でよく聞かれた質問や、応募者の関心の高い質問を具体的にまとめました。
最近は、弊社お問い合わせフォームの「サンロフトを知ったきっかけ」に「生成AI」と書かれるケースもあり、人にもAIにも親切な情報発信が求められていると実感する機会が増えています。
ここまで見てきたように、FAQを整える上では、質問と回答を分けて整理する「構造」と、何を、どこまで、どう伝えるかという「内容」の両方が大切です。そして、その根底にあるのは、サイト訪問者がどんな疑問を持つのかを想像すること。人にもAIにも分かりやすく伝えようとする姿勢が、サービスの信頼性や満足度の向上につながっていくのではないでしょうか。
サンロフト社員の声

DX事業部 鈴木啓士
AIに正しく参照されるための取り組み(LLMO)は、Webサイトを検索エンジンの上位に表示させるための工夫(SEO)と基本的には変わらないと思います。AIも検索エンジンも、目指しているのは、利用者に正確で分かりやすい情報を届けることだからです。私はAI活用サービス「BuddieS」のサイトでコラムを執筆しており、書く際には、「どんな検索意図を持った方に届けたい内容か」「文脈は分かりやすいか」「最新の情報をもとにしているか」といった点を意識しています。また、今の時代、AIを使えば、一般論として正しそうな内容は誰でも簡単に書けるので、「自社にしか書けないことは何か」という視点も、情報発信の差別化において大切です。この考え方はサイト全体に言えることで、FAQも同じです。文章を整えるだけでなく、お客様から実際に寄せられた問い合わせや、営業先で説明のたびに補足するポイントなど、現場での経験が見直しをする際のヒントとなりそうです。
|
今月のトピックス最新記事の更新通知は、メールマガジン「サンロフトマガジン」をご利用ください。 |






