2026年7月、情報処理推進機構(IPA)は、約11分の新作動画「ランサムウェア事案の特性や教訓 備えは、⽌めない! 未来からの提⾔」を公開しました。 ランサムウェア攻撃を受けた企業を舞台に、発覚直後から経営者や各部門にどのような判断と対応が求められるのかを、ドラマ仕立てで紹介しています。
ランサムウェア攻撃は、データを暗号化して身代金を要求するだけでなく、盗み出した情報の公開を盾に「二重脅迫」に発展する場合があります。異変に気づいた時には、すでに攻撃が最終段階に達していることも少なくありません。動画では、このような状況でも冷静かつ戦略的な対応が求められること、そして被害拡大の防止と事業継続には、平時からの備えと迅速な経営判断が不可欠であることを伝えています。
経営者である主人公は、トラブル発生直後から、感染したサーバーや関連するネットワークを停止するかどうかの判断を迫られます。業務や取引先へ大きな影響が及ぶ厳しい判断です。しかし、初動対応の遅れは被害をさらに拡大させるおそれもあります。また、身代金の要求に対しては、さらに慎重な判断が必要です。支払ったとしても暗号化されたデータが元に戻る保証はなく、攻撃者の活動を助長することにもつながります。動画では、会社の社会的信用を守る観点からも、要求には応じず、復旧や関係者への対応を進める姿勢が示されています。
復旧に向けては、情報システム部門だけでなく、経営層や事業部門を含めた全社での連携が欠かせません。情報システム部門は、バックアップの安全確認やログの保全、侵入経路の特定を急ぎ、事業部門では、取引先や顧客への説明、手作業による代替業務の確保、関係機関への報告、マスコミ対応などを同時に進め、全社一丸となって事態の打開に当たる様子が描かれています。専門のセキュリティ事業者とも連携し、調査結果に基づいて対応することが重要です。
再発防止策としては、従業員へのセキュリティ教育の徹底や、攻撃を想定したバックアップからの復旧訓練、不審な動きを早期検知するEDRの導入、定期的なログ監査などが紹介されています。今回の事例では、対応が遅れていたVPN機器の脆弱性が侵入経路となっていました。日頃から、利用している機器メーカーが発信する脆弱性情報や注意喚起を把握し、迅速に対応する運用体制が求められます。
セキュリティ対策はコストではなく、企業の安心な未来を支える投資です。問題が起きてから強化するのではなく、システムの設計段階から安全性を考え、平時の運用や復旧訓練まで含めて準備しておく必要があります。動画が伝えるのは、セキュリティ対策を「防御」と「事業継続」の両輪で考え、経営層を含めた全社で有事に備えること。それが、企業や組織を守る力となります。社内のセキュリティ教育教材として、この動画を活用してみてはいかがでしょうか。
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| 情報提供:地域貢献事業部 サイバーセキュリティ担当 藁科 |
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