
「Well-Being(ウェルビーイング)」という言葉を聞いたことがありますか?
これは、WHO(世界保健機関)が健康な状態を定義した概念ですが、近年では企業経営においても注目されている言葉です。2024年10月11日、弊社社長の中村が、ウェルビーイングをテーマにしたイベントにパネラーとして登壇しました。そこで、今回は中小企業における「ウェルビーイング」について、自社の取り組みやデータに基づく幸福度などを考えてみました。(広報・マーケティング部 鈴木)
仕事を通じて得られる「幸福」を実感するために
「Well-Being(ウェルビーイング)」とは、文字通り「良い状態」。「こころ」と「からだ」が良い状態に保たれ、幸福を認識できていること。会社においては、社員が日常的に幸せを実感できているかどうかということになります。(図1)
この「ウェルビーイング」という言葉が示す健康で良い状態には、実は「こころ」と「からだ」だけでなく「社会的つながり」が含まれています。その言葉の解釈には幅がありますが、私は社会的に自分が身を置く場所が確保され、そこでの役割を認識でき、貢献する喜びや成長を実感できることだと捉え、まさしくそれは仕事で得られるものだと理解しました。(図2)
まずは「あるもの」を認識することからスタート
弊社中村が参加したのは、静岡産業大学の岩本准教授が率いる「デジタル都市プランニングチャレンジ」の一環で開かれたイベントでした。中小企業の経営者という立場で「従業員幸福度、従業員さんの幸福を考えてどのような経営をされているか」と質問され、中村は次のように答えました。
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- これまで「幸福度」や「ウェルビーイング」という言葉を掲げた経営戦略は策定していなかった。しかし、今回のテーマで考える機会をいただき、サンロフトにおけるウェルビーイングとは何かを改めて考えた。
- 私たちにとってウェルビーイングとは、「仕事を通じて社会的なつながりを深め、心と体をより良い状態にすること」。そして、社員がそのような幸福を実感できている状態が、企業の成長と成功に直結しているとも考えている。
- それにつながる取り組みは、すでにいろいろと実践し始めている。例えば、柔軟な働き方を選択できる職場づくりとして、リモートワークやフレックスタイム、時短正社員などの制度導入。これにより、社員が自分のライフスタイルや家庭の事情に合わせて働き方を選べるようになり、家族との時間をより多く持てるようにしている。
- また、コミュニケーションが豊かな職場を目指している。社内SNS「nanoty(ナノティ)」を活用して、毎日の仕事で起きたことを内省し、上司との振り返りを通じて社員の成長を支援している。SNSという形式を採用しているため、上司だけでなく、社員全員が日報を読むことができ、簡単にフィードバックができる環境を整えている。やってみよう、ありがとう、ありのまま、なんとかなるという気持ちをエンパワメントしていると思う。
- さらに、IT企業というとコンピューター画面と向き合うイメージが強いかもしれないが、社内にはカフェ空間があり、ランチミーティングや仕事が終わった後のイベントを通じて、日常的な小さなコミュニケーション機会を増やし、社員同士が話しやすい環境を目指している。
- キャリアとスキルを育む職場づくりにも注力している。チームごと、特に若手社員が中心となって「ドリームマップ®」を作成し、3年後にどのような未来を目指すかを具体化している。それを実現するために必要な研修や勉強会を行い、社内ライブラリーでの書籍共有などを通じて社員の成長を支援している。
幸福度の視野が広がる「地域幸福度 Well-Being指標サイト」
デジタル庁では、市民の「暮らしやすさ」と「幸福感(Well-Being)」を数値化・可視化する指標をWebサイトで公開しています。これは、全国の市町ごとに、「医療・福祉」「デジタル生活」「文化・芸術」「多様性と寛容性」などの24項目に対し、アンケートによる主観データとオープンデータによる客観データに基づく分析結果を見ることができます。
こうした指標で「幸福度」を数値化した結果を分析してみると、状態を俯瞰的にかつ客観的に捉えることができ、とても興味深いと感じました。「幸福度」という抽象的に捉えがちなものも、実はより具体的にデータで示すことができるとわかれば、職場の幸福度を高める施策も今よりもっと多角的に考えていくことができそうです。
サンロフト社員より

広報・マーケティング部
鈴木あゆみ
「地域幸福度 Well-Being指標サイト」は、イベント時にデジタル庁国民向けサービスグループ参事官補佐の鈴木ミユキさんが紹介してくださいました。初めて目にしましたが、身近なまちの情報を検索しながら、「なぜ、このような結果になっているのか」を早速考え始めました。デジタル社会が発展することは、人間がより人間らしく生きるために何をすべきか、考えを深め、実践していくことにつながっています。物事には常に、光と陰が存在しますが、身近な仲間はもちろん、より多くの人々の幸せを願って行動できるようにしていきたいものですね。