メディアや書籍で頻繁に目にする「AI」という言葉。身近でも「知りたい」「使ってみたい」という声が多く、今月もセミナーを開催し、大いに盛り上がりました。そこで、今回は「生成AI」についてお話ししましょう。(広報・マーケティング部 鈴木)
日本国民の生成AI利用率は9.1%
総務省が2024年7月に発表した「情報通信白書」の第5章「デジタルテクノロジーの浸透」では、生成AIに関する国民・企業の利用状況が報告されています。これによると、まず日本国民の生成AIの利用率は9.1%でした。中国が56.3%、米国が46.3%という結果と比べると、大きな差があります。生成AIを使わない理由としては、「使い方がわからない」「自分の生活には必要ない」という回答が多いようです。(図1)
続いて、企業を対象に、生成AIの活用方針が定まっているかどうかを尋ねた設問においては、「積極的に活用する方針である」が15.7%、「活用する領域を限定して利用する方針である」が27.0%という結果でした。この結果も諸外国とは温度差が顕著で、日本の企業は生成AIの活用に慎重であることがわかります。
「生成AI活用による効果・影響」については、倫理観や著作権、情報セキュリティなどに懸念があるのは事実ですが、一方で業務効率化や人員不足の解消につながったり、斬新なアイデアやイノベーションがうまれたりすることに期待感が大きいことも示されました。(図2)
触れてこそ実感できる! 生成AIのおもしろさと活用アイデア
生成AIという言葉を認知していても、実際に使い方を学ぶきっかけや、深めていく学びの機会はまだまだ少ないのかもしれません。2024年11月5日、藤枝未来DXスクールでは講師に中村俊也さん(株式会社ラーニングライトの代表取締役、AIキャンプ®の代表)を招き、「ビジネススキルの新常識! ~生成AIで速い!深い!仕事術~」と題して実機操作を交えた講座を開催しました。ここでは、初めて生成AIに触れる方々でも、仕事での活用がイメージできるような体験を目指しました。受講者の感想からは、実際にChatGPTに触れ、体感したことで気づいた生成AIのおもしろさが感じられます。(図3)
生成AIを「相棒」に育てる方法を気軽に話そう
新しいテクノロジーに興味があっても、それがどのようなものかが掴めていなければ活用方法が思いつきません。また、活用方法もライフスタイルや職種、仕事の場面によって様々です。まずは触ってみること。そして、身近な人たちと気軽に話題にしてみることをおすすめします。
サンロフトでは、社内日報SNS「nanoty(ナノティ)」で「生成AI」や「ChatGPT」と検索すると、その言葉を含む数多くの日報が見つかります。また、全体ミーティングでは、デザイナー、エンジニア、マーケター特有の活用事例が発表されます。そういう話を見聞きしているうちに、「おもしろいな」「こんなこともできるかな?」という発想が生まれてきます。
実は先月のこの記事に添えた画像は、生成AIで作成したものでした。「日本の中小企業のウェルビーイングがイメージできるような場面で、社員の表情が読み取れるイラスト」を条件に生成しました。ここではあくまで雰囲気が伝わればよかったので、自分が許容できる範囲のイラストができたところで「良し」としました。(図4)
これまでは、イラストや写真素材のWebサイトから画像を探していましたが、検索して探すよりも効率的でした。これは私が体験した、ほんの小さな事例ですが、皆さまの生活や仕事においても、生成AIが新たな選択肢となる場面がきっとあるでしょう。生成AIを頼れる「相棒」にするために、職場内外で情報共有をしていきたいですね。
サンロフト社員より
生成AIを使い始めて以来、AIは私たちの仕事を奪うのではなく、これまで以上に、人間がすべき仕事に集中させてくれるテクノロジーです。また、デザインやプログラミング、企画や文章編集など、それぞれが苦手だった領域を補うこともしてくれます。AIに愛を込められるかどうか。これが今後の組織づくりでも重要になりそうです。