2012年から毎年恒例となりました、「7つのITキーワード」を今年もピックアップしてみました。同じようなキーワードが話題になっているように見えて、実は着実にITがビジネスのありかたを変えています。
1.xTech(クロステック)
既存業界の慣習に囚われることなく、テクノロジーを武器に、顧客の利便性や真に提供すべき社会的価値を追求したサービスが生まれています。例えば配車アプリはタクシーを持つことよりも、顧客が心地よく移動できるという視点でサービスを提供。テクノロジーは常識を打ち破り、業界や社会全体の変革を起こしています。
- 用語解説:xTech(クロステック)
- 業界の知見とテクノロジーを融合して創り出す、革新的なサービスの総称。
例)
EdTech(エドテック):教育×テクノロジー
FinTech(フィンテック):金融×テクノロジー
HealthTech(ヘルステック):健康×テクノロジー
RetailTech(リテールテック):小売・物流×テクノロジー
2.信頼感のある顧客データ活用
よりよいサービス提供のために、顧客データを活かしたマーケティングは必須。ただし、モラルの欠如した情報利用や情報漏洩を避けるために、「信頼感」を意識したいものです。特にxTechでは、多くのユーザーからの信頼感醸成が最大の鍵。場合によってはサービス終了にまで及ぶこともあり、情報モラル教育やスピード感のある対応が求められます。
3.HR Tech(人材開発・組織最適化)
みずほ総合研究所の調査(2017年)によると、2065年の日本の労働力人口は2016年比で約4割減少するといいます。こうした中、労働力率の引き上げや業務効率化の推進で期待されているのが、HR(Human Resources)とテクノロジー(Technology)を組み合わせた「HR Tech」です。社員のスキルや経験値をAIで分析し、キャリアアップを促したり、経営目標達成のための人員配置を提案したりするサービスで、人材不足の中でも管理職を助け、企業の成長を加速させます。
4.社内YouTuber
動画制作や配信環境が整い、社員教育や顧客サポート、ブランディングに活用する動きが加速中。ショート動画はスマホでも手軽に。テキストマニュアルを「読む」よりスキマ時間、ながら時間にスマホで「観る」文化が広がっています。
5.オンラインとオフラインの融合
オンライン(EC)とオフライン(リアル店舗)が融合し、顧客サービスが再定義されています。オフラインでの「体験」や「おもてなし」がオンラインの購買や交流を活発にします。
6.企業内でのデジタルの融合
手軽にオンラインで会議ができるようになりました。最近では、複数の拠点や部屋を常時接続し、1つの仮想フロアに見立てて、コミュニケーション環境をつくる動きが活発です。
7.5G×オープン・イノベーション
2020年3月頃より開始予定の5G。企業や自治体、研究機関などによるオープン・イノベーション・プロジェクトが進められ、いよいよスマート社会が実現していきます。
テクノロジーを活かしてビジネスの大変革を起こす「デジタルトランスフォーメーション(DX)」が、先進企業で進められています。これまでコンピュータは業務効率化を目的に活用されることが多かったのですが、最新のテクノロジーが手軽に利用できるようになった今、その活用を見直すことによって、思いがけないビジネスチャンスを見出すかもしれません。社内に眠っている様々なデータも、お客さまサービスや社員の皆さまの働き方を劇的に変える可能性があります。今年は、貴社のIT活用とデータ資産について考えてみませんか?ここで挙げた7つのキーワードをもとに、私たちもぜひ、お手伝いをさせていただきます。