2021年1月末から数日間で急激に広まった音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」。こうした新サービスを体感しながら時代の空気感を読み解き、新しい価値を見出すデジタル人材が社会を牽引しています。
デジタル人材
変化への対応が俊敏で、新しいテクノロジーを活用して新たな価値を創造できる人材
米国生まれのClubhouseは、iOSユーザ向けの音声SNSアプリです。ラジオを視聴する感覚で「room」に参加したり、自らがルームを作成して参加者との会話を楽しんだりできます。
焼津市で家具店を営む岡村さんがClubhouseを始めたのは1月30日。「新しもの好き」で何でも試したくなる性分のため、Clubhouseにもいち早くチャレンジ。そのシンプルさ、音質の良さに驚き、新しい世界を垣間見たと言います。
連日、知人と雑談したり、有名人のルームに入ったりしながら使い方を探った後、自身が活動する商工会議所青年部(YEG)の仲間向けに「集まれ! YEGの森」というルームを作成してみました。配信日には全国から約30名が集結。18時間にも及ぶ配信となりました。「思いがけず全国の仲間が反応してくれて、絆が深められた。Clubhouseで偶然出会った家具職人や著名人の言葉に、仕事での学びもあった。試すことで気づけること、広がる世界がある。新しいものに触れるのはやっぱり面白い」と岡村さん。
Clubhouseが急激に広まったのは、コロナ禍でのステイホームによる人恋しさだとも言われています。誰かと雑談する、話を聴いて刺激を受ける、人の気配を感じることさえもテクノロジーが補完し、私たちに潤いを与えてくれる時代。テクノロジーを理屈ではなく嗅覚で嗅ぎわけ、触覚・視覚・聴覚で楽しみ、味わう習慣づくりが、デジタル人材への第一歩なのかもしれません。
耳を奪う・声で稼ぐ時代に
Clubhouseに限らず、近年、音声関連サービスの市場が活発です。インターネットラジオ、ポッドキャスト、オーディオブックなど、様々なサービスが登場しています。音声メディアは映像よりも気軽に配信することができ、「ながら聞き」ができる良さがあります。スマートスピーカーやワイヤレスイヤホンなども普及してきており、各社が耳の奪い合いを展開し、その流れで音声コンテンツの制作や広告で収入を得る人も増えているということです。企業における情報発信やファンづくりの活動も、こうした動きにリンクさせていきたいところです。
- 岡村 幸治さん(Facebook)
岡村家具店(焼津市)店主。“部屋とまちをデザインする家具屋”として地域でもリーダー的存在。焼津商工会議所青年部で令和元年度会長職等を歴任。
サンロフト社員より
サンロフトでは、「サンロフトラジオ」と名付けた「文字起こし動画」を就活生向けに配信しています。学生からよく受ける質問に、社長や社員が会話形式で答えるというスタイルです。第1談の働き方編を視聴してくれた学生からは、「テレワークになっても気を遣い合って働いているんだなと、そのイメージが垣間見えた」というコメントをいただきました。「誰が、何を語るか」ということが大切で、語りそのものが人を惹きつけるコンテンツになると感じる日々です。