多くの企業がDXをテーマにデジタル活用に取り組む中、静岡県静岡市にある、プラスチック加工メーカーの㈱プラポートは、AIを活かした独自の見積り自動化ツール「SellBOT(セルボット)」で見積回答10分を実現しました。
見積作成を誰でもすぐに、簡単に。
プラスチック精密機械の加工で良品率99.95%という高い品質を提供するプラポート。様々な業界のニーズに合わせた多品種少量生産で、毎月約10,000種類もの図面を取り扱います。この図面をもとに自動で見積りを算出するツール「SellBOT」が同社のスピード対応に大きく貢献しています。
以前は、毎日何百件もの見積りを限られた営業担当者が作成しており、回答の遅延や価格のばらつきが発生していたといいます。そこで、経済産業省のAI人材育成事業「AI Quest」に参加し、受講生と協働でAIによる自動見積りシステムを開発。他社でも同様の課題意識があると感じた宮季社長は、より多くの製造業の課題解決に役立てようと、サンロフトとプロジェクトチームを結成し、開発・販売体制を整えた㈱REVOXを設立。2022年6月に正式リリースしました。
見積もり依頼から回答までの流れは、まず依頼主がSellBOT上で2D図面をアップロードします。個数と希望納期を入力すると、加工会社(プラポート)へ依頼メールが自動送信され、依頼が完了。依頼を受けた側は、SellBOTで届いた図面をもとに、部品の外寸や数量などを入力するだけで、AIが蓄積された学習データから見積り価格を算出します。また、材料会社のネットサービスからSellBOTの画面に材料費を自動表示し、そのまま材料会社に発注することも可能。入力が終わると依頼者に回答メールが自動送信されます。
今まで人が手作業でやっていた業務にAIが活用されたことで、「加工実績に基づいて見積価格まで算出できるようになり、見積り時間が圧倒的に短縮された」「べテランも新人も同じ見積りが出せる」「回答のスピードと比例して受注率も上がった」と、社員のモチベーション向上にもつながっているようです。
現場で培われる経験や情報を自動化・一元化することで、誰でも簡単に見積りを作成でき、多品種少量生産を業界トップクラスのスピードで実現できるようにしたことはDXの好事例と言えます。
サンロフト社員より
サンロフトはシステム開発だけにとどまらず、デザイナーを含めたUI/UXの改善、宣伝用のWebサイト・動画・チラシ制作、円滑なサービス運営のためのコールセンター業務など、多岐にわたり依頼をいただき対応中です。システム開発においては、アジャイル開発という変化に柔軟なシステム開発手法を採用しています。日々刻々と変わる世界に対応できるプロダクトづくりのために、REVOXさんと協調して、対話を大切にしながら動くソフトウェアを確認し、プロジェクトを進めています。パートナーとしてお互いに高めあいながら、SellBOTをともに創り上げていきたいと考えています。